大阪府枚方市 グループホームこみち-夢見る65歳!
取材レポート
大阪
記事公開日:2016/08/01、 最終更新日:2019/01/04
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55歳でグループホームをオープン。
「いままで忙しかったから、定年後は2人で旅行行こうね」なんて、50代になると定年後ののんびりした夫婦生活について考えるのではないでしょうか。
しかし、彼女は違いました。
55歳でグループホームをオープン。それから10年が経った現在65歳、施設長として夜勤もこなし、バリバリ働いています。
グループホームこみちの施設長、篠原啓子さんです。
入居者の布団は週に2回は天日干し、農園では季節の野菜や果物を育て、月に2回は大鍋2杯分のぜんざいをつくり、おせち料理は入居者とスタッフに腕をふるうという、パワフルな啓子さん。
こみち農園には畝(うね)が9つもあり、ホームでの食事に使われています。獲れたての野菜ですから、もちろん入居者は大喜び。
サラダは格別だろうと思いきや、なんとも贅沢、入居者にはレタスのチャーハンが人気だそうです。
サツマイモの収穫時期には近くの保育園から園児が訪れ、賑やかに収穫するのが恒例行事。スーパーではお目にかかれないような丸々と太ったサツマイモがどっさり。土にまみれた園児も入所者もキラッキラッの笑顔です。
そんな家族いる?
それにしても、立派な農園ですし、入居者やダンナ様も手伝ってくれるとはいえ、毎日のお世話は大変。
布団干しは、18人分を週に2回です。もちろんスタッフも干しますが、竿に干して、取りこんで、という作業はかなりの重労働です。
心配で啓子さんに聞いてみました。「腰、大丈夫なんですか?」と。
そんな質問、吹き飛ばすような笑顔で「大丈夫よ~」と答えてくれました。
それもそのはず。啓子さんのダンナ様は、鍼灸師なんです。
「脈診たら、身体のどこが悪いかわかるよ」と豪語されるダンナ様。奥様の小さな異変もすぐに発見して治してくれそうです。
このダンナ様、実はおもしろい経歴で、なんと、鍼灸師の前は設計士だったんです。一念発起して勉強し、鍼灸師の資格を取得。現在はグループホームの近くで鍼灸院を開業し、ヘルパーの資格も取得して奥様をサポートしています。
すごいのはダンナ様だけではありません。恐るべし、篠原家。離れて暮らす息子クンたちもヘルパーの資格を取得し、ホームでの緊急事態にはサポートしてくれるそうです。
どのように教育したらこんな素晴らしいダンナ様になるのか、どのように育てたらこんな親孝行な息子クンになるのか…。
妻として、母として、学びたいことが山のようにあります。
庭にかける想い。
そんな啓子さんの生家がホームの裏側にあり、緑あふれる庭があります。いまでも素敵な庭なのですが、砂利なので車イスの入居者が散歩するには不便なのだとか。
そこで、車イスでも自由に動いて日向ぼっこができるようにと、3年計画で改造中。
「この庭が私の夢。あとは終活やわ」と、庭を愛しく眺めながら話す啓子さん。
この先10年経っても、20年経っても、啓子さんがゆったりと終活している姿は想像できません。しかし、「あとは終活」と言いきるほど、この夢にかける想いが大きいんでしょうね。
面接で必ずする質問。
そして、もうひとつ。啓子さんは「歌って踊れるケアスタッフ」を目指しています。入居者も巻きこんでノリノリで踊っているそうです。
最近のナンバーは、♪「サザエさん」。チラッと見せてもらいましたが、腕を上下したり、腰を振ったりと、意外とハードでした。
ここで働くスタッフは、介護だけできてもダメです。歌って、踊れないといけませんからね。
実際、スタッフの面接で啓子さんが必ずする質問があります。
「介護以外で何ができますか?」
介護の仕事をするのに「介護以外」って? ですよね。啓子さんによると「介護は、やっていくうちにできるようになるから」、介護以外のことが大切だそうです。
こうして介護以外の特技を活かして入社したスタッフの中には、芸大出身や元美容師なんていう方がいます。
介護以外の特技。
入居者には女性が多く、女子力を感じさせるイベントが充実。
3月3日のひな祭りには入居者が着物を着用、9月15日の敬老の日にはウエディングドレスを着て記念撮影をしました。
入居者の年齢は、80~90代。結婚当時は戦争中で、結婚式らしい結婚式をした人はほとんどいません。入居者の中には独身の方もいて、「私、ウエディングドレス着たかったの」と涙を流される一幕もあったそうです。
このようなイベントで活躍するのが、介護以外の特技。
ヘアアレンジは元美容師のスタッフ、イベントの飾りつけなどは芸大出身のスタッフのセンスが光ります。
異例の勤務年数。
人手不足が深刻な介護業界。離職率が高く、勤務年数1年未満の離職が約5割、3年未満の離職が7割と言われています。
しかし、グループホームこみちでは、オープンから勤務する勤務年数10年のスタッフが3人もいます。3年以上のスタッフもたくさんいると、うれしそうな啓子さん。
「入ったときは乳飲み子やったけど、その子も小学校高学年よ」と、スタッフやその家族を、まるで家族のことのように話していました。
啓子さんは、「私が楽しければ、スタッフも楽しいし、入居者も楽しい」とプラスの連鎖を強調。その言葉どおり、ずっとニコニコ笑って、よくしゃべる啓子さんは楽しそうです。それがスタッフへ、入居者へと波及しているんでしょうね。
年齢を重ねると、諦めが先にきて夢を語らなくなります。しかし、夢を語るのに年齢制限はありません。
夢は、言葉にすること。言葉にした夢は、誰かに伝えること。
そうすれば、夢を実現するために、前向きに動くようになります。
言葉にした夢が自分を動かし、夢を現実に近づけてくれるはず…。
白菜、キャベツ、レタス、玉ネギ、サツマイモ、キンカン、イチゴ…と、年中フル稼働のこみち農園。
こんな愛らしい顔には似合わない、純和風な名前の「ひろし」クン。苦手な入居者もいるのでホームには入れませんが、人見知りせず懐いてくれます。
啓子さんが生まれ育ったビフォーの庭。車イスでも日向ぼっこしやすい3年後のアフターが楽しみ。グループホームこみちの空き状況を知りたい方、一度見学してみたい方はお住まい相談員にご相談下さい。こちらから無料で相談可能です。
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