このままでは共倒れ。-在宅介護実録 沈んだ太陽 第十三回
介護・福祉
記事公開日:2016/07/20、 最終更新日:2019/01/04
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ようやく見つけた居場所。-在宅介護実録 沈んだ太陽 第十二回
ケアマネさんの一言。
こんにちは、ミチルです。
ポキさんがこれまでに利用したことのある「介護保険サービス」についてお話していますが、今回と次回はショートステイについてです。まずは、安さで選んだために失敗した最初のショートステイのお話から。
短期入所生活介護ともいわれるショートステイ(以下、ショート)は、介護度によって利用できる日数が決まってきます。
ポキさんの場合は、要介護1ですから、ショートステイ以外の介護保険サービスを利用しなかったなら24日くらいは宿泊できるのですが、週2回デイサービスに通っているため、利用できるのは3~5日となっています。
ショートを利用するようになったきっかけは、ケアマネさんの「もう休んだほうがいい、共倒れになりますよ」の一言でした。
多少の罪悪感よりも…。
当時は本当に姉も私もいっぱいいっぱいで、顔を合わせれば家族3人で喧喧囂囂(けんけんごうごう)状態でした。
身寄りが全くないため、相談する相手もケアマネさんくらいしかおらず、だからといってケアマネさんにすべて洗いざらい話せるわけでもなく・・・・・・という袋小路のような毎日でした。
そんな本音を言わない(言えない)私たちを見かねた最初のケアマネAさんが、県西の山間部にある比較的安く入れるショートステイ先を見つけてきてくれたのです。
私と姉は、そんな行ったこともない寂しいところにポキさんを一人で送り出すことに、多少の罪悪感はありましたが、なにしろ夏の盛りで体力、気力ともに限界が近づき、2つ返事でお願いしました。
連れて行かれるポキさん。
送り出す当日、時間通りにお迎えのワゴン車が到着。何も知らないポキさんは「あれ、いつもの(デイの)車じゃないな」とブツブツ言いながらも車の中へ。あとは、そのまま連れて行かれてしまったのでした。
ポキさんのいない久々の自由を満喫した4日目の夕方、ポキさんを乗せた送迎車は戻ってきました。
車のドアが開くと、仏頂面のポキさんがぴょこんと降りてきて、そのまま何も言わず家の中へ。戸惑っている私に、運転手のスタッフは軽く会釈をしてそのまま走り去って行きました。
なにか嫌ぁな予感です。
リビングに入ると「あんなとこ、姥捨て山だぁ。腹減ったー、腹減ったー」と、菓子パンを貪りながらポキさんがヒステリックにわめいています。
どうやら、食事の量が少なかった(ポキさんは食欲旺盛です)、隣のベッドの女性に「帰れ!」と怒鳴られた(認知症が進んだ利用者さんが同室だったようです)、出されたパジャマを着たら身体中がかゆくなり酷い目に遭った等々。
おそらく、あることないことなのでしょうが、被害妄想的な話を延々と繰り返します。
すぐにケアマネさんを呼んで対策会議を開いたのですが、結局「次回は、もう少し料金がお高くなっても、評判のいいところにしましょう」となりました。
小高い丘にある無縁仏。
念のため、料金の支払いには現地まで出向き、実際どんなところか確認してきました。確かにスタッフはあまり覇気がなく、質問しても明確な回答が得られなかったところを見ると、ポキさんの言うこともまんざら大げさでもないのかなと感じました。
帰りがけ、ふと思い立って園内を一周したのですが、小高い丘を登ったところにその施設で亡くなった方のものらしい無縁仏がひっそり祀ってありました。母娘の絆などないに等しいポキさんでしたが
<ここに眠らせるのだけは避けよう>
ふと、いっぱしの「母を思う娘」みたいな気分になっている自分に苦笑した夏の日の夕暮れでした。
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いざというときのために。-在宅介護実録 沈んだ太陽 第十四回
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