ポキさんの認知症。-在宅介護実録 沈んだ太陽 第二十一回
介護・福祉
記事公開日:2017/05/10、 最終更新日:2018/12/28
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神様がくれた長いバケーション。-在宅介護実録 沈んだ太陽 第二十回
「人生のやり残しリスト」点検。
お久しぶりです、ミチルです!前回の連載から約半年ぶりに戻ってまいりました。
コラムを読んでくださった皆様からの暖かい応援をいただいて、ポキさんとの騒動を再びお伝えすることになった次第です。前回は、私なりに赤裸々に書いたつもりでしたが、もう少しツッコんだ話を聞きたいという声も頂戴しました。
というわけで、今回はさらにあけすけな介護の実態をリポートするつもりです。介護や同居に悩んでいらっしゃる方の励ましやヒントになれば幸いです。
シリーズ第1弾が終わってから、私も身辺の変化がありました。まず、昨年9月に放送大学の「生活と福祉コース」を無事卒業し、おかげさまで四半世紀ぶりに大学中退を返上することができました。卒業が半年遅れるピンチにも見舞われましたが、“2度の介護で人生が狂った”と言い訳するのが悔しくて、意地でやり遂げました。
これからも「人生のやり残しリスト」を点検しながら、できれば丁寧に生きてゆきたいと思っています。
階段突き落とされたかのように…。
さて、そんな喜ばしいこともありましたが、肝心のポキさんとの関係はまったくといっていいほど進展していません。というか正直、後退してさえいます。シリーズ第2弾の初回は、そんなポキさんの現状をシビアにご報告することから始めさせていただきます。
去年の夏までのポキさんは「アタマはパーでも、カラダは動く」という状況でしたが、秋が深まるにつれ、とうとう身体の方にもガタがきたようです。
ケアマネも訪問するたび、ポキさんのヨボヨボした足取りを見て「人によっては認知症ってイキナリだから。ある日、ガターン、ガターンって階段つき落とされるみたいに急激にくるから」と心配するようになりました。
以前から片耳は聞こえなくなっていたポキさんですが、いよいよ目もよく見えなくなってきたらしく、つまずくことも多くなり、あちこち傷をこしらえるようになりました。彼女の場合、物にぶつかると非常に乾いた音を立てます。
若い生木がぶつかり立てる重量のある音ではなく、それこそ立ち枯れした老木を打ちつけるような空虚な音です。
また、認知症になると以前はできたことが、ある日突然できなくなることがありますが、最近のポキさんは、それが加速度的です。
朝、いつものように大盛りの飯茶碗を電子レンジに入れたはいいが、レンジがチンと鳴っても、取り忘れお知らせ機能がピーピー鳴っても、ポケーッとお茶をすすっているのでした。私が「何か鳴ってるようですよ」と声かけして、ようやくパタパタとレンジに突進してゆくといった具合。
どんなことがあっても“まんま”だけは忘れなかった人が、です。その他、ポストに郵便を取りにいって何もせず戻ってきたり、直前にしてたことをまったく思い出せないといった「短期記憶」の障害がひどくなってきました。
「生みのハハオヤさん」との関係。
普通であれば、元気だったころの母親を思い出して「ママ、どうしてこんなになっちゃったの」と不甲斐なく思ったり、悲しんだりするのでしょうが、いかんせん、ポキさんと私はまともな母娘関係を構築できないまま、機能不全家庭に便宜上同居していた歴史があるため、劣化するばかりの「生みのハハオヤさん」に対し、気の毒には思っても、どう接してよいかわからず、困惑と心労だけが増えていくといった有り様なのです。
もちろん、我が家に限らず、世話になったことのない肉親、血のつながりさえない親族の介護をしなければならない人は少なくないでしょう。
次回からは、この半年の間に、ハズレの親と折り合いをつけながら、自分の人生のオールを取り戻し、どうやって介護をサバイバルしたのか語ってゆきたいと思います。
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農村コミュニティでの介護生活。-在宅介護実録 沈んだ太陽 第二十二回
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