要介護者のニオイ対策。-在宅介護実録 沈んだ太陽 第三十一回
介護・福祉
記事公開日:2017/09/27、 最終更新日:2018/12/28
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ポキさんのアルバイト。-在宅介護実録 沈んだ太陽 第三十回
こんにちは、ミチルです。今回は「悪臭シャットアウトで、気分爽快!」についてお話します。
自宅介護のプライベートな悩み、悪臭問題。
自宅介護をする中で、あまり大きな声でいえない悩みに、要介護者の“ニオイ”があります。非常にプライベートなことですし、体臭から始まり下の世話の臭いまで種類も千差万別。そして、私たち姉妹が苦しんでいるのは、ズバリ、尿臭です。
我が家はトイレが1階と2階、浴室が1階にあります。トイレは基本的に、1階をポキさんが使い、2階を私と姉のルミコさんが使用しています。足腰の弱ったポキさんは階段を上れませんし、私たちもポキさんの使うトイレに入る気になれないため、いつの間にか住み分けができあがっていました。
実は、つい最近まで我が家はルミコさんの悲鳴が“起床ラッパ”代わりだったのです。彼女曰く、毎朝2階から降りていく途中で、階下のトイレから強い臭気が立ちのぼってくるというのです。
「クサい、クサい!オシッコがクサ――い!!」
朝っぱらからヒステリックな声に私も叩き起こされます。しかし、認知症のポキさんにいくら注意したところで馬の耳に念仏なのでした。
悪臭によって受けるストレスは甚大。
これまで、トイレの臭いを消すためにどれほど散財してきたかしれません。芳香剤、消臭剤、洗浄剤、果てはプロ仕様の尿石取りからブラシ等の掃除道具に至るまで、効果があると聞けば、なんでも試しました。
また、ポキさんは風呂場で用を足すため、1階にトイレが2つあるような状態でした。脱衣所も同様で、汚れた下着や野良着をそのまま脱衣かごに突っ込むから蒸れてカビが生えたり。
実は、ポキさんは発達障がいのせいか、小用の後にペーパーで拭くということを学習できず、膀胱炎を繰り返してきました。以前は病院へ連れて行っていましたが、現在は慢性化してお手上げなので、下着は汚れ放題といった具合です。結果、浴室と脱衣所は汚臭がこもり、私が入浴するときには臭味で頭がクラクラ、裸で小便器の中に放り込まれたような錯覚に陥るほどでした。
「このままでは私たちのほうが、おかしくなる!」
危機感すら覚えた私たちは、自らのQOLを守るため、ついに「悪臭根絶計画」を決行したのでした。まず、ポキさんを1週間ほどショートステイに入れ、その間に彼女の下着を全部捨てて新調。介護用洗濯洗剤を買ってきて布製品を丸洗い。トイレ、浴室、脱衣所を徹底的に清掃して、ほぼ無臭化に成功しました。
一昔前の我が家に戻れたようで、嬉しくて涙が出そうになりました。つまり、ポキさんが居なければ、この家は臭わないことが証明できたのです。今後は、この状態をできる限りキープすることが肝心でしょう。
ニオイを絶つことが介護の負担軽減に。
現在、トイレはフローラルな芳香剤を棚の上に置き、尿臭を強力に吸収する消臭剤を足元に置くというダブル使いで、なんとかバランスを取っています。ニオイで精神が蝕まれるなんて大袈裟に聞こえるかもしれませんが現実です。たかが尿臭、されど尿臭。ニオイについて諦めず、改善に取り組むことは、介護の負担軽減に大いに役立つと感じています。
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