明けない夜はない-在宅介護実録 沈んだ太陽 最終回
介護・福祉
記事公開日:2018/01/31、 最終更新日:2018/12/28
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ポキさんとのお別れ-在宅介護実録 沈んだ太陽 第三十九回
こんにちは、ミチルです。とうとう最終回になりました。
現実は待ったなし
ポキさんが急逝すると、悲しんでるヒマもないくらい、いろんなことがいっぺんに押し寄せてきました。
密葬の準備、役所の煩雑な手続き、今後の生活の立て直しを含めたお金のことなどなど–現実問題は待ったなしです。
不思議なことに、お通夜から火葬場を後にするまで、私の頭のなかには秋川雅史さんの「千の風になって」が鳴り響いていました。それまでは「いい曲だなぁ」と思うくらいだったのですが、肉親を失ってみて初めて、曲のもつ癒やしの力に、心から助けられた気がします。
また、姉と二人きりの「骨上げ」では、係員の方から「納骨にはお母様のお気に入りのものがあれば、一緒に入れてあげてください」といわれ、その数週間前にポキさんに黙って断捨離を行い、彼女のお気に入りブローチを処分してしまったことを悔やみました。まさか、あのポキさんがこんなにあっけなく、あちらの世界へ行ってしまうとは!カラカラの白い骨になったポキさんを眺めても、どこか実感がわかないようなありさまでした。
四十九日を終えて
そして今、四十九日を終え日常が戻りつつあります。
この連載は、疎遠となっていた母娘が、介護を通じて多少なりとも関係修復できればと願い、書き続けてきました。
ですが結果的に、このコラムのタイトルである『沈んだ太陽』は、私たちの間に再び昇ることはありませんでした。
ポキさんは最後まで自分の産んだ子どもに頓着することなく、ひたすら我が道を生きました。
私が呼びかけても振り返らず、「あばよ」と言うでもなく、まさかの最終コーナーで、いきなり転げるように駆け出したかと思ったら、そのまま天に昇っていってしまったのでした。
ある意味、ポキさんらしいアッパレな最期だと思います。
ハートウォーミングな介護のドタバタ劇を期待された読者には、ちょっとヘビーな内容も多かったかと思いますが、応援してくださった方々にこの場を借りて御礼申し上げます。
これから5年、10年先、高齢者を取り巻く環境は目まぐるしく変わってゆくことでしょう。私はといえば、今より年を取り、確実に高齢者に近づいています。そのとき、母であったポキさんの気持ちがわかるようになっているでしょうか。できれば、このコラムを書いていたときの、がむしゃらにポキさんと向き合っていた自分を懐かしく思いだしながら、幸せな老後を送っていたらと思います。
最後に、現在介護で奮闘されている皆さんに、私の「座右の銘」を贈ります。
The darkest hour is just before the dawn.(夜明け前が一番暗い)
終わらない夜は、けしてありません。
暗闇の地平からさしこむ一筋の陽光が、まっすぐに あなたに 届きますように。
ミチル
(完)
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産みの母との対峙。-在宅介護実録 沈んだ太陽 第一回
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