自宅で問題行動が出るのはナゼ? 前半
介護・福祉
記事公開日:2018/09/18、 最終更新日:2019/01/04
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暴力が原因でホーム入居となったAさん
今回はちょっと気難しいけれど紳士だったAさんの話をします。
長男のお嫁さんが在宅介護でがんばっていたけれど、Aさんからの暴言暴力がエスカレートしていって「もう耐えられない」ということで、老人ホームへの入居を希望されたということでした。
認知症の症状が進むにつれ、排泄の失敗が増えるも紙パッドや紙パンツの使用を拒否されたり、お嫁さんが着替えの介助をするのも嫌がり立腹されるという風に、私達に渡された入居者情報には書かれていました。
杖は使用されるものの、自立歩行は安定していると書かれてあり、私たち職員は顔を見合わせました。
身体状態がさほど悪くないのに入居が決まるということは、かなり暴力の激しい人なんだろうか…という不安からです。
男性の認知症の方で暴力が出てしまう方は珍しくはありませんが、だからといって気安く歓迎できるものではない…ということは、ご想像頂けるかと思います。
私達職員は少し重たい気分で、Aさんの迎え入れ当日を迎えました。
仕事人間だったことが伺える礼儀正しさ
長男夫婦と共に来られたAさんは、少し緊張した面持ちでしたが、入居することを理解しておられるようでした。
「世話になります」と、頭を軽く下げられた所作は、大きな企業で働いておられたという経歴を物語るように落ち着いて見えました。
お嫁さんは本当にホッとしたような様子でした。「よろしくお願いします」と頭を下げられた隣で、長男さんは「親父には悪いですが、僕は仕事が忙しいので諦めて貰うしかないです」と言いました。
よくある光景でした。
去ってゆく長男夫婦を見送る時こそ心細げに見えたAさんでしたが、入居前の入浴の説明を聞き始めると、切り替わったように堂々としておられました。脱衣時もスムーズで拒否は全くありませんでした。入浴介助は男性介護士に任せたのですが、入浴後に服を着る時もすんなりと紙パンツを履いてくださったのです。着替えを終えてお風呂場を出る時には、その場にいた職員に「ありがとう」と言ってから出られました。
穏やかな様子に、迎え入れをした私達は拍子抜けしたような気分にすらなりました。
その後お部屋や施設内をご案内する間も、お部屋に一人になった後も、Aさんは終始落ち着いておられ、何の問題もなく初日が終わりました。
ホームで暴力行動が出ない理由
翌日も、その翌日も、Aさんは特に不機嫌になることも暴力を振るうこともなく生活されました。
食事で嫌いな食材が出てきた時は不服を述べられましたが、だからといって暴れるようなことはありませんでした。
予想よりもずっと対応しやすい方だったことにホッとしていたのですが、ではどうしてお家で暮らしていたAさんはお嫁さんに暴力をふるったりしていたのだろうかと、職員の間で不思議がっていました。
ちょうど休憩室でその雑談をしていた場に介護主任がおり、彼女は笑って言いました。
「そりゃお嫁さんがお嫁さんで、あなた達は他人だからよ」
次回に続く…
自宅で問題行動が出るのはナゼ? 後半
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