大阪で、生活保護でも入居可能な介護施設
お住まい相談員
日々地域を飛び回るお住まい相談員のお仕事内容やトピックを取り上げていきます。
※紹介している相談実例の内容は、実際にウチシルベに寄せられた相談をもとに構成しています。しかし、ご本人やご家族のプライバシーに配慮し、一部の設定・描写を変更した上で編集しています。
記事公開日:2015/06/24、 最終更新日:2022/01/20
認知症の症状が出てきて……
私が、地域包括支援センターから相談を受けたのは、12月の初旬のことでした。お母様はこれまで独居で過ごされてきたのですが、室内での軽い転倒や貴重品の紛失騒ぎなど、いつか大きなアクシデントにつながりかねないようなできごとが最近になって立て続けに起こっていたそうです。また、認知症と思われる症状が出てきたこともあって、ケアマネージャーが介護施設への入居をご家族に強く薦めているとのことでした。
お話が来るまでにも、ご家族は自分たちでできることをいろいろと工夫していたといいます。事情があって同居こそできないものの、義理の娘にあたるご長男の奥さんが毎日朝と夕方の2回欠かさずに訪問していたほか、介護施設も実際にご夫婦で見学に行かれたそうです。しかし、ご本人は生活保護を受給していたこともあり、必然的に価格面だけを重視した施設選びになります。大阪市の場合、生活保護でも受け入れ可能な介護施設は他エリアよりも数が多く、選択肢にも恵まれているのですが、まったく手探りの状況ではなかなか見つかりにくいのもまた事実。見学に行った先のお部屋が狭かったことで「ここに入居させるのはかわいそうだ」と決めかねていました。
実際にご家族のお話をうかがったときには、当座の対応として近くにある住宅型有料老人ホームのショートステイサービスを利用されていました。ご本人は住み心地には満足していたのですが、残念ながらその介護施設では生活保護を受給しながらの入居はできないため、他の介護施設を探す必要があります。それに、ご家族やケアマネさんの話を総合すると、やんわりと「早めに次を探してほしい」と言われているようです。口数の少ないご長男に代わって、日ごろから一番ご本人と顔を合わせていた奥様とのお話が中心になりました。
「入居にあたって、譲れない点はありますか?」
「まず生活保護でも入れるところと……。あとはなるべく近くですぐに入居できるところじゃないと困ります。それにもうすぐ年が明けますし、新しい年はキレイな住まいで迎えさせてあげたいんです」
「ほかに、なんでも気になることやご要望はおっしゃってくださいね?」
「あ、あともうひとつ! お義母さんは人と話すのが好きな人だから、なるべく他の入居者の方との交流があれば……」
ご家族が本当に求める条件は?
いただいた条件をもとに、とにかくスピードを重視して介護施設のご提案をスタートしました。まずは、近隣のサービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームを見学にお連れしましたが、なかなか決断には至りません。私たちの仕事は納得のいく老人ホーム選びのお手伝いですから、数を何軒もお連れすることはまったく問題ないのですが、12月も半ばを迎え、年の瀬が近づいていることがそろそろ気になり始めました。あせって中途半端な決断を下すくらいなら、じっくりと構えて仕切りなおした方がいいかもしれない――。私自身も頭の端で考えながら、見学の際にご家族の意向やご本人の好みをより深く掘り下げておうかがいしていきました。
そして、ひとつ私が気づいたこと。それは、危機感を持っている奥様に比べてご長男の反応がどこか積極的ではないことです。会話をしていても「昔はあんなにしっかりしていたのに」「これまでもなんとかひとりで暮らしてこれたんだし」といった言葉をよく耳にしました。決して施設への入居がイヤというわけではないのですが、実のお母様の現状を受け入れられていない、受け入れたくないという気持ちがきっと大きかったのだと思います。
そんな折、大阪市内南部・平野区でグループホームの空室が出たという情報が入ってきました。実は、人とのふれあいが好きなご本人の性格をうかがった際に、最初に頭に浮かんだのはグループホームでした。でも、大阪市内のグループホームはなかなか空室も出ませんし、さらに生活保護を受給しながら入居できる介護施設は限られていたので、提案に至っていなかったのです。また、ご家族と信頼関係を築いていくなかで、「なるべく近くがいい」よりも、「ご本人にとって住みよい環境がいい」へと変化してきました。
「お住まいから場所は離れますが、一度見学に行かれてみませんか?」
「はい、お願いします」
「もちろんご家族としては近い方が安心だとは思いますが、入居してからの暮らしの環境を考えると、私はグループホームが一番合っていると思いますよ」
そうして、いよいよ年末というタイミングで、何軒もの見学を経て最後にお連れしたのが「プラティア平野」でした。正直なところ、まだ入っていない段階で「これから先の暮らし」と言われても、ご家族はピンとこない部分があったかもしれません。でも、実際に入居者が楽しそうにフロアで過ごす様子を見て、ようやく「ここだったら」と申し込む気持ちになられたようで、当初のご希望通りに年内に入居できることになりました。
年が明けてしばらくして、私自身にもうれしいことがありました。実は、わざわざご長男からあらためてお礼の電話をいただいたのです。実は、プラティア平野に決めたときにも、奥様が100%納得していたのと比べて、ご長男は口には出さないものの、なにか考えておられる印象があったので、思いがけない電話でした。
「こないだ母の様子を見に行ってきたんです」
「いかがでしたか?楽しく過ごされてました?」
「なんかもう新しい友達ができたみたいで……。あの姿を見て、初めて自分の選択が間違ってなかったんだと思えたんです」
きっと、日ごろは奥様に介護を任せながらも、血のつながったご長男ならではの不安や責任を感じておられたのだろうと思います。お住まい相談員の立場からしても、粘り強く介護施設を探してご家族の期待に沿えた印象的な事例となりました。
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