いくつになっても趣味を楽しみたい!
年を重ねてもいきいきとした生活を送るためには、好きなことをするのが一番ですよね。高齢者の皆さんは、どんな趣味に熱中しているのでしょか。第1回目は、囲碁と将棋です。
福岡県福岡市にある舞鶴公民館の一室で、高齢者の方が熱心に囲碁と将棋を打つ姿がありました。
福岡市内のデイサービス事業所のスタッフで構成される「福岡市囲碁将棋通所連盟」が行っている「囲碁将棋交流戦」です。外出レクリエーションの一環として利用者を対象に2ヵ月に1回のペースで実施しています。
取材当日は、雨にもかかわらず多くの方が出場していました。
試合はトーナメント戦。優勝すると立派なトロフィーがもらえるとあって参加者も気合十分です。
皆さんこの日のためにとそれぞれのデイサービスで練習してきたそうですよ。まさに、それぞれのデイサービスの威信をかけての試合ですね。
囲碁・将棋大会開催の意義
大会の詳しい内容について福岡市囲碁将棋連盟の代表の西龍一郎さんにお話を伺いました。
西龍一郎さん(西新デイサービス施設長)
趣味は温泉。休日には寝袋を持って温泉に行くそうです。おすすめは湯布院温泉。
西さん、聞くところによりますと、私と同じ長崎県出身だそうですね。親近感わきます‼
ほんとですねー‼つぅさんと話していると長崎弁が出てしまいますねー(笑)
イントネーションがですね‼長崎に長く住んでいたものですから……。ところで西さん、なぜで囲碁将棋大会をしようと思ったのでしょうか?
いいことを聞いてくれましたね‼デイサービスの時間に囲碁や将棋をする人は多いのですが、利用者同士でしますので相手が一緒になってしまうんですよ。
そうですね。同じ人としていると相手の戦略が手に取るようにわかりますからね。
私が利用者と同じ立場だったら同じ人とするのがなんだか物足りない気もして……。なので、利用者様にはもっと囲碁や将棋を楽しんでほしいと思い、市内のデイサービスに呼びかけ大会を開くようになったんです。
現在はどのくらいの事業所が参加しているんでしょうか。
最初は、2~3事業所だったのですが、取り組みを通じて参加したいという事業所も出てきまして、現在は、10の事業所が参加しています。
多くの事業所が参加すればいろんな相手と試合ができますね。私も先ほど出場者の方と将棋をしたのですが強くて驚きました。
そうなんですよ。参加者の中には、囲碁歴が20年以上の方はもちろん、全国の大会に出場した経験のあるかたもいらっしゃるんですよ。
えー‼レベルかなり高いじゃないですか‼それなら私が5分足らずで負けてしまうのも無理はないですね……。
そうですね。私たちがしても負けてしまいます。参加者の中には、強い方として力試しをしたいという方もいらっしゃいますし、そのほか同じ趣味を持った人と楽しく試合をしたいという方もいらっしゃいますね。
いろんな目標をもって参加されているんですね。そして一番聞きたいのが、将棋や囲碁をすることによってどんな効果があるんでしょうか?
囲碁や将棋といったものは、思考力や集中力を使いますね。ゲームを楽しみながら脳を活性化することができるので認知症の発症を遅らせる効果も期待できますよ、あと相手の手を読まなければいけないので先を読む力も必要です。バランスよく脳を活性化させるのにいいんですよ。
認知症の予防にもなりそうですね。また、利用者には大会を通してどんなことを期待しているのでしょうか。
デイサービスはもともと利用者の方が自宅での生活をこれからも送ることができるようにすることを目的としています。私としては、自分の好きなことを通して社会参加はもちろん、地域住民との交流ができたらいいなと思っています。
そうですね‼好きなことで社会参加につながるというのは素敵ですね。
そして私たちスタッフにとっては、介護事業者同士のつながりや大きく言えば介護業界の質の向上になればいいなと思っています。
スタッフにもいいことがありますね。今日は長い間ありがとうございました‼
はい!次こそは皆さんに負けないように練習して、大会に臨みたいと思います。
囲碁・将棋大会を終えて
西さんの“自分の趣味を通して社会参加につなげたい”という言葉が印象的でした。最近では、核家族化が進み、地域で高齢者とのつながりが希薄化しているという中で、自分の趣味がきっかけで社会とのかかわりを持つというのはいいなと感じました。
また、趣味に熱中している姿は、かっこいい、素敵だなと思いました。