前頭側頭型認知症を学ぶ
介護・福祉
福岡
記事公開日:2016/11/03、 最終更新日:2022/01/20
世界アルツハイマーデー記念講演会
10月23日、福岡県福岡市にある福岡市民福祉プラザ(ふくふくプラザ)で認知症に関する講演会が行われました。会場には、市内を中心におよそ200人が集まりました。
講演会は、認知症の人と家族の会福岡県支部が企画したものです。9月の世界アルツハイマーデーの関連行事の1つとして行われ、多くの方に認知症についての理解を深めてもらうことを目的に開催されました。
この日は、「前頭側頭型認知症」をテーマに話がありました。講師を務めたのは、大阪大学精神医学教室教授の池田学さんです。この日は、前頭側頭型認知症の症状や特徴などをわかりやすく説明しました。
前頭側頭型認知症とは
「前頭側頭型認知症」はピック病と呼ばれている病気です。
前頭側頭葉変性症に含まれていて、主に大脳の前頭葉や側頭葉が委縮するのが原因だといわれている病気です。前頭側頭型認知症は、老年期の方にも見られますが、若年期の方に多く発症する若年性認知症とも言われます。池田さんの話によると64歳以下での発症が多いといいます。
症状としては、無関心や自発性の低下など、さまざまなことがあげられます。中でも特徴となっているのが常同行動や食行動異常なのだそうです。
常同行動は、言葉の通り同じことを目的もなく繰り返しし続けることを言います。パターン化された行動を遮ると、本人が不安になってしまって、混乱してしまい、周りの人に手を挙げてしまうケースもあるそうです。
対処法としては、パターン化された行動を家族が把握することが大切だと話がありました。この時間は、散歩にいっているやこの場所にいるなどを理解することで介護の負担も少なくなるといいます。
そして食行動異常に関しては、極度に甘辛いものや、辛いものを摂取したりするといったことがあげられます。例えば、アイスクリームを1日に10個以上食べたり、白米の上に色が変わるくらいに醤油をかけたりなどがあるといいます。
対処法としては、家族をはじめとした周りの人が毎日の食事をチェックして見直すことが大切だと話がありました。
そして池田さんは、これまでの話を踏まえたうえで、介護のポイントについて
「本人ができないことができるようになるのを目指すのではなく、できることを長く続けることができるようにする機能の強化が大切だ」と話し、講演を締めくくりました。
講演会の後には、シンポジウムが行われました。テーマは、「若年性認知症の人と家族が求める支援について」です。専門家としての立場と介護をしている家族の立場など様々な視点から意見が飛び交い実りのある時間になっていました。
取材を終えての感想
近年では、世界的にも研究が進んでいるそうで、これから新しい対処法などが見つかるかもしれませんね。そして、私たちができることは、きちんと認知症についての知識をもって、対応することが大切なんだと思いました。
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