ついに確定、母の正体。-在宅介護実録 沈んだ太陽 第七回
介護・福祉
記事公開日:2016/06/10、 最終更新日:2019/01/04
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ずっと行かねばと思っていた精神科。
こんにちは、ミチルです。
今回は思いきってポキさんを精神科へ連れて行き、病名がわかったまでをお話します。
今から3年前、ずっと行かねばと思いつつ、先延ばしにしていた場所がありました。
精神科です。
ポキさんが嫌がるため、なかなか実現できなかったのですが、介護する側のQOLを高める意味でも、やはりポキさんの現状を正確に把握することの重要性を感じるようになり、とうとう県内の総合病院で診てもらうことにしたのでした。
精神科の受診手続きは、当時のケアマネさんがすべてやってくれました。
精神科というと気後れすることもありますが、優秀なケアマネさんに一任したおかげで最初のハードルはなんとか越えられました。
珍しくおとなしいポキさん。
初診当日、いつものようにポキさんを「あとでスーパーで好きなもの買っていいよ」と誘い出し、車に乗せイザ出発。
精神科の待合室は高齢者を含め、あらゆる年齢層の人たちがポツポツと座り、静かに順番を待っていました。名前は呼ばれず、渡された番号札で呼ばれます。
ポキさんにしてみれば79歳にして初めての精神科でした。
普段の内科受診のときなどはキョロキョロしながら頻繁に席を移動し、最終的には診察室から一番近いところまで、にじり寄っていくのですが、この日は雰囲気を察したのか彼女にしては珍しくおとなしくしていました。
診察前の問診は研修医が行い、これまでのポキさんの生活ぶりについていろいろ質問されました。長年の謎だった「母の正体」を見極めようと、ポキさんのこれまでの日常での様子をメモしていったおかげで、スムーズに説明することができました。
また、ここでは『長谷川式認知症スケール』を初めて受けました。
冷ややかな精神科医。
いよいよ医師による診察です。実はそのとき、私のあたまの中には「発達障害」という四文字が浮かんでいたので訊ねてみました。
精神科医は「初見で言えるのは、お母さんはすでに認知症ということです。発達障害かどうかは今となっては分かりません。なんでもっと早くに受診されなかったんですか」と、勝手に病名を決めつけたがる“素人判断”をけん制するかのように冷ややかに答えました。
医師の正論にグゥの音も出ません。とはいえ、私としてもポキさんを精神科に連れて行こうとしたことはありました。
12年前、彼女が子宮体がんの全摘出手術を終えたばかりの頃に「この弱っている今こそチャンス!」とばかりに入院している病院の精神科に予約を入れたのです。
しかし、当日の朝になって雲隠れされ、ドタキャン。病院にも迷惑をかけてしまったのでした。
昼飯のため戻ってきたポキさんを叱っても「あんなとこ、キ○○イの行くところだぁー」と、信じられない暴言を吐いたのを憶えています。
以来、精神科を受診するという計画だけはあっても、仕事で時間が取れなかったり、母と同居する姉に頼んでも町外れの精神病院までは往復タクシーとなり、難しいことになると途端に殻に閉じこもるため実現できずじまいでいました。
セカンドオピニオンは精神科こそ大切。
ともあれ、母の認知症はあっさりと確定したのです。しかし『精神疾患は、10人の医者がいれば10通りの診断、100人の医者がいれば100通りの診断が出る』と言われることもある領域です。
実際、中年期までの母の奇行について最初の大病院では「しいて言えば、パーソナリティ障害」、次に行った地元の病院では「性格でしょう」でした。
セカンドオピニオンは精神科こそ大切で、受診するならできるだけ早めに行ったほうが良いと思いました。
地元の病院で改めてCTをしてもらい、その結果、年齢の割に海馬の萎縮が見られる「アルツハイマー型認知症」と診断されました。通院しやすさを考えて、ここを主治医と決め、薬物治療がスタートとなったのでした。
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