いざというときのために。-在宅介護実録 沈んだ太陽 第十四回
介護・福祉
記事公開日:2016/07/27、 最終更新日:2019/01/04
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野中の一軒家がダメなら。
こんにちは、ミチルです。
今回は前回に引き続き、ポキさんの理想とは言えなくても「妥協できるショートステイ」探しの続編です。
最初のショートステイ(以下、ショート)が散々な印象だったせいで「もう泊まるのはコリゴリ」と、ショートに対して拒絶反応を示したポキさん。
でも、今後はデイとショートを上手に組み合わせながら、ポキさんの介護プランを考えている私たち姉妹とケアマネのAさんは、そんなことではへこたれません。
次にAさんが探してきてくれたのは、前回の野中の一軒家みたいな場所ではなく、もう少し街中で自宅からもそう遠くない隣町のショートです。
まずは、偵察。
今回は前回の教訓を踏まえて、まずは見学と称して偵察に出かけることから始めました。
見学にあたっては、「すぐに利用を考えているわけではないが、数ヵ月以内に利用する予定」と告げて予約を入れました。
そこは大きさでいえば中規模な施設で、ショートとデイの両方を運営しているところでした。市街地にありますが、室内に入ればとても静かで、また働いているスタッフさんの軽やかな動きに、安心してケアを任せられる気がしました。
血圧が200オーバー。
そして、年の瀬も押し詰まったころ、年末の忙しさで姉と二人でバタバタしているところにポキさんが「家の中にいても寒い」とか、どうにもならないようなワガママを言い出したため、普段から高血圧で治療中の姉の血圧が200を超え、もう限界となったのです。
急遽AさんにSOSを入れ、あらかじめ見学をしておいた前出の施設で空きのベッドがないか調べてもらいました。すると運良くキャンセルが出たばかりだったので、そこに3日間ほど入れてもらうことになりました。
ですが、問題はポキさんをどうやって説き伏せて、ショートへと連れ込むかです。前回のようにスムーズに行くとは思えません。
ですが、仕事のできるAさんの巧みな誘導で、難なくポキさんはAさんの車の助手席に乗り込み、そのままショート先へと運ばれていったのでした。
こういうときほど、信頼できるケアマネさんとのチームプレーの大切さが身に染みます。
そういえば、Aさんが「要介護1~2が一番しんどいですね。特に要介護1はアタマはボケちゃってても、身体が動くから。介護するご家族さんは本当に大変」と、私たちを励ましてくれたのを思い出します。いろんなご家族を見てきての実感だったのでしょう。
ケアマネさんの観察。
翌日は仕事納めだったにもかかわらず、Aさんはわざわざショート先を訪問してポキさんの様子を観察してきてくれました。すると、ポキさんの自宅での実態を熟知している彼女は、驚くべきポキさんの姿を目撃したというのです。
それは、利用者さんが一緒に食事をする長いダイニングテーブルの一番奥の席にちょこんと座ったポキさんが、脇目もふらずに一心不乱で夕ごはんを食べる姿でした、しかも独りで。
周りの利用者さんはまだ席についていなかったり、または顔見知り同士が固まって座り、食事の始まるのを待っていたそうですが、そういった暗黙の了解のようなものは我関せずと、黙々と、ただひらすらに箸を動かしていたというのでした。
ポキさんらしいとはいえ、家族として大変恐縮してしまう話でした。とはいえ、ようやくお値段は少々高いものの、いざというとき入れられるショートステイ先を見つけることができたのです。
優秀なケアマネさんに共通するのは、幅広い最新の介護知識に加えて、仕事のアサインの的確さと行動力だと感じます。
そして、なにより人柄であることはいうまでもないでしょう。
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