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介護うつとは?介護うつになった場合の対応方法について

介護鬱とは?介護うつになった場合の対応方法について

介護・福祉


記事公開日:2018/04/16、 最終更新日:2019/03/14

在宅介護の大きな問題点として介護をしている家族がうつ症状にかかってしまうことがあります。こうした介護によるうつ症状のことを「介護うつ」と呼びます。介護うつの原因や症状、対処法について介護をしている家族との関わりが深く、自身も父親を在宅で介護した経験のあるケアマネージャーが解説します。

 

介護うつの原因と症状

 

介護うつとは、その名のとおり「介護を原因とするうつ症状」のことです。
ではどのような介護場面が、うつの原因となるのでしょうか。トイレ介助を例に挙げて説明していきます。

 

高齢者がひとりでトイレに行けないのであれば、介護者は連れて行ってあげる必要があります。
サポートを受けてもトイレに行けないような身体の状況であれば、オムツ交換を介助が必要になります。
認知症が出てくれば、何度も同じことを言われ、その都度対応しなければなりません。

 

このような介護場面が一例として考えられます。しかし、実際の介護の内容は高齢者の状態により大きく左右されます。心身の障害が重ければ、それに応じて介護の必要度も大きく上がってくるのです。

 

「必要とする介護」が「家族の介護力(家族ができるサポート)」を上回ってしまえば、そこには大きな身体的、精神的ストレスが生まれ、介護者の心身を蝕むことになります。

 

介護鬱とは?介護うつになった場合の対応方法について02

 

さらに言えば高齢者の状態は変化しやすく、昨日までできていたことが、突然できなくなるということは珍しくありません。いままでの生活リズムが、ある日を境にガラッと変わるなんていうことも珍しくないのです。

高齢者を支える家族としては、現実を受け入れる間もなく、生活が一変してしまいます。必要とされる介護を家族の力でカバーすることができなくなり、押しつぶされてしまう……。これが介護うつが発生するメカニズムです。

 

さらに、うつ病の症状についても細かく見ていきましょう。

 

うつ病の症状は意欲低下、疲れ(倦怠感)、食欲低下、体重減少、抑うつ気分のいずれかが長期に渡って続き、「朝は調子が悪く、夕方になると落ち着いてくる」という変動はあるものの、気分の沈んだ状態が続いていくことを言います。

 

うつの三大症状には
・憂鬱感
・無気力
・不安や焦燥感
が挙げられ、このような症状が2週間程度続くようであれば、うつの兆候があるといえます。

 

社会問題化する介護うつ

 

高齢化大国日本において、介護をになう家族の負担は大きな問題となっています。
2025年には、団塊の世代が後期高齢者となり、日本人の3人に1人が高齢者になります。

社会保障費の急増が懸念されており、日本の介護の方針について、国が検討を重ねてきました。

その結果として現在は、日本の介護は在宅中心の介護へシフトしています。地域全体で、高齢者を支え、住み慣れた地域、住み慣れた家で人生の最期を迎える……。地域包括ケアシステムと銘打って、仕組みづくりをすすめているところです。

 

こうした地域包括ケアシステムの実施に伴い、施設や病院でのケアから、より在宅中心のケアへと、介護の力点が変化しています。
障害を抱える高齢者が、在宅での生活を続けていく上では、家族の行うケアは欠かせません。
ところが在宅での介護を続けていくうちに、一部の家族は身体的、精神的な負担に耐えられず、体調を崩してしまうことがあります。そのような心身の不調に介護うつも含まれます。

 

介護うつが深刻化すると介護放棄、家庭内暴力といった問題が生まれることも考えられます。
「できることは精一杯やっているのに、状況は良くならない。もう、親のことは放っておこう」と、親の介護自体を放棄してしまう。
「どうしてこんなこともできないのか。どうして私だけこんなに辛い思いをしなくてはいけないのか」と考え、親に暴力をふるってしまう。
家族介護者は、このような思いをもちながら、日々の介護に奮闘しています。

 

奮闘を続けた結果、自分を責め続け、思い悩んだ結果に最終的に自殺に追い込まれてしまうような介護者もいます。

介護鬱とは?介護うつになった場合の対応方法について01

厚生労働省の調査によると「介護や看病」を原因に自殺した方は、年間250人を超えています。
このなかには、介護うつによる自殺も含まれており、介護うつは家族介護者にとって身近な問題となっているのです。

 

介護うつは最悪の場合、介護者の自殺につながる病気です。

全ての介護者が介護うつについての知識を得て、発症の予防に努めていくことが大切です。
ここではその症状や原因、予防法や対処法について見ていきたいと思います。

 

うつになりやすい方の特徴

では、うつになりやすい方の傾向はあるのでしょうか。
一般的に真面目なひと、几帳面なひと、責任感が強い人がなりやすいと言われています。

 

筆者はケアマネジャーという仕事を通して、多くのご家族と関わってきましたが上記の傾向は当たっているように感じています。

 

真面目で几帳面な家族は、高齢者やサービス事業所が求めることに完璧に応えようとされます。家族の役割を果たそうと必死に介護と向きあい、取り組まれます。
そのような責任感が強い家族は、理想と現実のギャップを「自身の責任」として背負い込んでしまいます。

 

ですが、在宅介護では自分の思い通りに進まないことがほとんどです。
心身の機能が低下している高齢者は、ひとつひとつの動作に時間がかかります。家族が思い描く時間でものごとを進めることが苦手です。また、言われたことを覚えておくのも苦手です。

 

責任感の強い家族は、家族の理想(「こうあってほしい」という介護像、高齢者像)と実生活とのギャップを「自分の責任」として背負い込み、自身を追い込んでしまうのです。

 

「うまくいかないのは自分のせいだ」と自身を追い込むことで、日々の介護による苦痛は増大し、さらなるストレスを生んでしまいます。

在宅介護は長期戦です。長期的に自身を追い込み、苦痛を感じる生活が続けば家族の身体はもちません。介護うつの症状が深刻化していくと考えられます。

 

また、要介護者の家族構成によっても、介護うつの危険性は左右されます。
介護者がひとりの場合と複数の場合では、ひとりひとりにかかる介護負担は当然変わってきます。

複数名で介護にあたっていれば、慢性的な負担を避けることができるのです。しかし、介護を1人で背負うとなるとその負担は非常に大きくなります。

 

介護うつの予防策① 肩のちからを抜いていこう

ここまで介護うつのリスクや原因について見てきました。ここからは介護うつにならないための対策を紹介していきます。

介護うつにならないためにはまず介護者の心構えが重要です。

介護に向き合う人は肩のちからを抜き、社会のサポートを上手に活用しながら介護を続けていく視点を持ちましょう。
肩のちからを抜くための心構えとして「介護は上手にできなくて当たり前」くらいの気持ちで取り組むことが大切です。
「手を抜く」という意味ではなく、「親の介護の中で生ずる失敗を、受け止められる気構えでいる」が必要です。

 

うつになりやすい方の傾向として、真面目、几帳面、責任感が強いといった特徴を挙げました。

真面目で責任感が強い、完璧主義の方ほど、失敗してしまう自分を受け入れられないのです。
介護事業所の職員は、専門的な教育を受けた「介護のプロ」です。
「介護のプロ」である事業所職員が上手にケアする様子をみて、「できない自分」と比べてしまうこともあります。
気持ちは分かりますが、「プロと比べたら上手にできなくて当たり前」くらいの気構えで取り組んだほうが、ゆとりをもって介護ができます。

 

在宅介護に携わる家族は、親の介護に取り組むというだけで、すでに頑張っているのです。

そんな自分を認めながら肩の力を抜くことで、心身のストレスを和らげ、ひいては介護うつの予防につながっていきます。

 

介護うつの予防策② 他の人の手を借り、適度な距離感を保つ

 

社会資源を上手に活用することも、介護うつ予防につながります。

家族だけで介護をしようとせず、外部サービスを取り入れ、高齢者と介護者の適切な距離感を取ることが大切です。

 

例えば、日中の介護に大きなストレスを感じるようであれば、デイサービスを利用することで息抜きの時間を確保できます。
ほかにも、ショートステイを利用すれば数日間、家族がリフレッシュする時間を確保することができます。

 

介護鬱とは?介護うつになった場合の対応方法について03

もともと親と同居していた方は別として、多くの家族介護者は介護が必要になったことをきっかけに親との距離感が近くなります。そのことは実は大きな精神的ストレスにつながるのです。適度な距離感を取ることがストレスのない関係性を保つことに繋がります。

適度な距離感を保つためには介護する人とされる人が閉塞的にならないことです。外部のスタッフさんに間に入ってもらうなど、ずっと2人きりで一緒にいることを避けることも大切です。

 

「上手に頼って息を抜く」。これが健康的な介護生活を続けるための合言葉です。
誰かに依存することによって在宅介護を続けていく力を蓄えることができるということをよく心得ましょう。

 

介護うつの予防策③ ひとりで抱え込まず、身近なひとと話をしよう

 

家族介護者は在宅介護での負担を1人で抱え込みがちです。

親の介護は家庭の問題と捉え、他者に話すことを避けてしまいます。
そのことが家族の孤独感、不安感の増大につながります。

 

人間は思いを言葉にすることで、気持ちを整理することができます。
辛かったことや不安なことを言葉にし、他者と共有することで不思議と気持ちが落ち着きます。

 

家族がひとりで介護をしているのであれば、「大変なこと」「辛いこと」をご友人に話す。
ご友人にも話せないのであれば、ケアマネジャーを中心とした介護の専門家に話す。

 

不安な気持ちを言葉にすることで、「1人で介護をしているのではない」と実感できます。

楽しかったこと、驚いたことを言葉にすることで「また楽しい瞬間を感じたい」と勇気が湧きます。
介護だけの生活だと楽しみはなかなか見つけることができません。しかし別のコミュニティや人間関係があって日頃の気持ちを吐き出すことができれば「辛いことだけじゃない」と思うことができます。
1人で抱え込まないことが、家族自身の心身の回復を助け、介護うつの予防に繋がります。

 

介護うつの予防策④ 自宅にこだわらず、高齢者を支える環境を見直そう

 

最近は高齢者向け入所施設が充実しています。

高齢者向け住宅では、ケアの専門家による、見守り、相談援助などを受けながら、安全な環境で生活することができます。

もちろん、高齢者住宅で生活しながら、介護保険サービスの利用も可能で、最近では高齢者向け住宅からデイサービスへ来られる方も増えてきています。
お一人暮らしの高齢者で家族が遠方に住まれている方や、家族が近くに住んでいても頻回な訪問ができない方などはこういった入所系サービスを使うことで、日々の見守りを専門家にお願いすることができます。家族もご本印も安心して生活することができるのです。

 

また、食事の提供や見守りだけでなく、排泄や入浴など直接的サービスを受けられる有料老人ホームと呼ばれる介護施設もあります。
有料老人ホームでは、事業所毎に特色あるサービスを提供しており、それぞれの高齢者が求めるサービスに応じたホームを選ぶことができます。
従業員の教育体制が整備され、良質なサービスを提供しているホームが多いです。

 

特別養護老人ホームは待機人数が100名を超えている場合も多く、申込みから短期間での入所は難しいですが、有料老人ホームであれば、短期間での入所が可能なホームも見つけることが可能です。

 

こういった高齢者向け住宅、有料老人ホームといった、入所系のサービスを利用することで、家族は精神的なゆとりを持って高齢者に接することができます。
日常の世話を介護のプロに委託することで、家族だからこそできる関わりに集中できます。

実際、私がケアマネージャーとしてこれまで関わってきた高齢者の方は、家族に対して心の交流を求めている方が多かったように思われます。「家族が介護をしてくれない」と不満を漏らす方はまずいません。それよりも家族に迷惑をかけることなくお互い心穏やかな時を過ごせることに喜んでおられる方が多かったです。

 

そんな高齢者の思いを知ることで、家族介護者自身も自分の関わりに納得ができ、責めることなく寄り添い続けることができます。そのような関わり方が、ひいては介護うつの予防につながります。

 

介護うつの対処法について

 

どんなに気をつけていてもハードな介護生活で心身が不調を覚えてしまうことがあります。
介護うつになってしまった(その兆候をつよく感じる)人がどうすべきなのか、その対策についてもご紹介します。
一般的なうつの場合もそうですが、重度化する前に早めに病院受診をすることをおすすめします。

 

現代は「心の時代」と言われており、国のトップ、ビジネスマンから高齢者、子供と多くの世代が心の不調を感じながら過ごしています。
心の病いに関する医療機関も整備されてきており、大病院からクリニックまで、うつの治療をしてくれる機関は複数あります。
自分にあったものを受診するのですが、初めての受診の際にはどこが自分に合うのかなんてわかりません。

 

まずは、近くのクリニックを受診するのがいいでしょう。
大抵の場合が、抗精神薬の処方を受け、ストレスから離れることで徐々に状態が改善していきます。
介護うつになった場合、介護は専門家に任せるのがベストな選択です。
それこそ、前述の高齢者住宅や老人ホームといった入所系サービスの利用が望ましく、自身の回復に専念できます。

介護者が介護うつの治療で病院受診するようになったら、それはもう在宅介護の限界で「入所系サービスを利用するタイミングが来た」と思っていいでしょう。

 

また、自分の配偶者など、近しいひとが介護うつになった場合にも周囲は適切なサポートをしてあげる必要があります。
一般論としては「うつの人は頑張っているのだから、『頑張れ』という言葉かけは不適切」と言われます。

ですが、避けて遠目に見るように接したり、はれものに触れるような接し方をしないことのほうが重要だと私は考えます。

介護うつになった人は、うつ状態であるからこそ近しいひとの態度の変化を敏感に察知してしまいます。
一番良いのは、普段どおり、ありのままで接してあげること。
声を掛ける際の注意点は「〇〇だよね、どう思う?」等、相手が答える余地を残しながら話をしてあげることが大切です。

 

介護鬱とは?介護うつになった場合の対応方法について04

 

介護のプロとして、父を送れなかった後悔

 

ここからはわたし自身の体験談となります。

わたしは4年前に父を看取った経験があります。

ケアマネジャーという立場で介護のプロでありながらも、それでも自分の親の介護に大きなストレスを感じ、そのことで自分を責めてしまったこともありました。
もともと、父は東京に住んでいましたが、介護が必要になると同時に、わたしが住んでいる大阪に呼び介護をしていました。

 

引っ越し当初の父は、大阪での生活を満喫していました。

父は60代と若かったこともあり、環境変化に適応し、身の回りのことは自分でおこないながら、それなりに充実した暮らしをしていると感じていました。
当時、仕事をしながら父の介護にあたっていたこともあり、時間がないなかでの介護、疲れが溜まっているなかでの介護に強いストレスを感じていました。それと同時に、仕事では自信をもって高齢者に関わりが持てているのに、自分の親には思うように関わることができないことに、強い負い目を感じていました。
そんな葛藤から、父とぶつかることも多かったです。当時は仕事を休むことも多く、本当に疲れていました。

 

そんな生活を続けていましたが、父の膀胱がんが発覚したことで一変しました。

膀胱がん発覚のきっかけとなったのは、突然の血尿です。
診断結果が出てからすぐに入院し、膀胱がんの手術を受けました。
手術の結果報告では「がんは全て取りきれた」とのことでしたが、その後、がんが取り切れていないことや他の臓器への転移が分かり、入院加療を続けていきました。
手術を受けた後より、父の膀胱から管は取れず、側腹部にも管が設けられている状態になりした。父が「ロボットみたいだな。」と笑って強がった姿を思い出します。

徐々に状態は悪化していき、歩けない状態になりました。

「点滴を抜いてしまうから」と、両手を縛られてしまう状態となりましたが、入院している以上、病院側に文句をいうこともできません。
何もできない自分に強く責めていました。
縛られている両手をほどかれたとき、まじまじと両手を見つめる父を見て、涙が出ました。

 

介護鬱とは?介護うつになった場合の対応方法について05

父の入院後は、わたしは落ち着きを取り戻し、ときに錯乱する父に対してゆとりをもって関わることができていました。

入院により身の回りの多くのことを病院に任せることができ、心身のストレスが減ったからです。

加療を終え、療養型の病院へ転院したのち、父は旅立ちました。

今になってみると「自宅に住んでいたときからもっとゆとりを持って関ることができたら…」という後悔の気持ちが湧いてきます。
介護のプロとして何年も仕事をしてきたのに、自分の親を後悔せずに見送ることができなかった。

どうして仕事を休まなかったのか。

もっと近くの職場に転職して、父と関わる時間を増やすことができなかったのか。
父のためにできることは山ほどあったのにと、後悔は絶えません。

 

がんばりすぎない介護

 

自身の在宅介護の経験により、「がんばりすぎないこと」「自宅にこだわらなこと」の大切さを身をもって実感しました。

在宅で父をみていたころの私にはゆとりがなく、心身ともに疲れ果てていました。
介護のプロなのだから親の介護くらいできて当たり前と思い込んでおり、もし在宅介護が長期化していたら介護うつを患っていたかもしれません。
父が入院した後、親子の関係が良くなっていることを実感できていました。
もっと早く入所系サービスを利用していれば、心身ともにゆとりをもって父に接することができたと思います。

在宅にこだわらず、「父とわたしが過ごす時間が幸せなものであること」を第一に考え行動すべきだったと感じています。

 

介護のプロとして働いているわたしでも、当時はストレスに負け、自制心を保つことができませんでした。
介護知識のない家族が過酷な状況に置かれれば、より自分を追い込んでしまうでしょう。

 

介護うつのリスクはどんな人にもあります。

介護のプロとして専門的な訓練を受けてきた専門家でも、介護うつのリスクはあります。

在宅介護に尽力する家族介護者が介護うつについての理解を深めることで、「後悔のない介護」に繋げてほしいというのが私の願いです。

 


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