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介護保険のサービス。-カイゴのガイド03

介護保険のサービス

介護・福祉


記事公開日:2016/06/24、 最終更新日:2019/01/04

介護保険のサービスは大きく分けて3つ、訪問系、通所系、入所系です。

その他、福祉用具貸与、福祉用具購入、住宅改修など在宅のハードや福祉用具に関するサービス、居宅療養管理指導といって、訪問診療の医師・薬剤師・栄養士等が在宅のご利用者に対して健康管理に関する指導や見守りなどをするサービスなどがあります。

 

訪問系は、1:1のサービスだから良い面も悪い面も。

訪問系のサービスは、訪問介護(ヘルパーさんの訪問)、訪問看護(看護職の方の訪問)訪問入浴(家の中に簡易浴槽を持ち込んでお部屋で入浴するサービス)、訪問リハビリ(理学療法士や看護師が訪問してリハビリをするサービス)などがあります。

 

訪問介護や訪問看護も純粋に在宅への訪問もありますが、今は、サービス付き高齢者住宅や小規模多機能・看護小規模多機能など住宅や泊まりのサービスと組み合わせて利用できる訪問介護や訪問看護もあります。

 

小規模多機能や看護小規模多機能は、訪問介護も訪問看護も内包されている一つの事業ですが…訪問介護は、基本ご利用者と1:1で関わるサービスです。このため、ヘルパーさんとの相性も大きく関係します。

 

むろん、どんな方でもその方に合わせた対応ができるのが介護のプロだと思いますが、とても優しく気持ちのこもった対応ができるお料理のできないヘルパーさんが、食事をつくるために訪問したとしたら、「いい子なんだけど、ご飯がおいしくない…」ということになります。

 

逆に、お料理が上手で人がいい方でも、移乗が下手なヘルパーさんが車いすの方のトイレ介助をしたとしたら、「いい人なんだけど、車いすに移るお手伝いをしてもらうのが怖い…」ということになります。

 

そのあたりの人選はサービス提供責任者の方が考えてくださるにせよ、こんな人に来てもらいたい、という希望はある程度言った方がいいかもしれません。

でも、1:1であるからこそ、上手に信頼関係の構築ができると、ケアマネさんよりヘルパーさんから話してもらう方がスムーズに事が運ぶ、なんていうケースもなきにしもあらず…です。

 

訪問看護は、慢性疾患や難病の健康管理、在宅での医療的ケア、薬の管理等で看護師さんが在宅に訪問するサービスです。

ケースによっては医療保険を使って入っていただくことができます。でも、介護保険の場合は1回の単位数が高いので、特にほかのサービスと併用して利用する場合、限度額を考えると回数が限られてしまいます。

 

在宅で医療的ケアを実施しなければいけない方は、指導や管理・医師との連携などを訪問看護師さんにお願いすることになります。

 

通所系選びは、目的、雰囲気、望むことを明確に。

通所系のサービスは、通所介護(デイサービス)、通所リハ(デイケア)に大きく分かれています。

通所介護は、利用人数によって大規模、通常規模、小規模に分かれます。また、種類も、リハビリやアクティビティなどを行う通所介護、末期がんや難病の方の受け入れを行う療養通所介護、認知症対応型通所介護があります。

 

療養通所介護は人数配置が1.5:1、医療ニーズの高い方のご利用となるので、事業をやるにはなかなかハードルが高く、ほとんどやっている事業所はありません。でも、実際、介護サービス利用をされるにあたり、重度で断られることの多いケースが対象になるので、あればいいのでしょうが…。

 

デイサービスは本当にたくさん事業所があって、それぞれ特色を出してやっておられます。

利用をお考えであれば、どういう目的でデイに行くのか、雰囲気はどうか、など担当ケアマネージャーさんとよくご相談されて選ばれるのがいいかと思います。

見学やお試しを利用して、できたら食事も試食して(特に嚥下対応食が必要な方等)決められたらいいかと思います。

 

通所リハビリも、大規模と通常規模があります。通所リハビリは、老人保健施設や病院など医療施設の併設が多く、目的は名称通りリハビリです。

これも、従事しているセラピストによって、理学療法士は障害のある方への基本的動作能力の回復を図ることが役割で、作業療法士は障害のある方が作業を通して機能の向上・維持を目指したり、身の回りのことを自分でできるように訓練をしたりすることが役割です。

 

実際は、あまりはっきりとした専門性を発揮せず、違いが曖昧になっているところも多いように思います。

 

言語聴覚士は、言葉の訓練はもちろん、嚥下などの訓練も請け負っていただける職種です。

でも、老健にその職種がいて、実際に訓練をしていただけるところは少ないように思います。通所リハビリはあくまでもリハビリが目的で、レスパイトや外出の機会にしていることは少ないと思います。

 

いずれにせよ、ケアマネージャーさんとしっかり話をして、どんなリハビリをしたいか、どうなることを望むか、ということを明確にしたうえで事業所を選ばれるといいと思います。

 

ここまで介護保険の3大サービスのうち、訪問系と通所系について書きました。もう一つ、入所系サービスについては書きたいことがたくさんあるので次回にして、ここからは3大サービス以外の福祉用具と居宅療養管理指導の説明をします。

 

福祉用具の購入や住宅改修は、ケアマネさんに相談を。

福祉用具は、トイレや入浴に関するレンタルにそぐわないような物品に関しては購入で、ベッドや車いす・歩行器など手入れをすれば繰り返し利用できるものに関してはレンタルになります。

 

ベッドや車いすなど買い取ったら大きな費用がかかるものは、レンタルにすると月々少ない金額で済みますし、故障したときは、業者の方がきちんと直してくださいます。

福祉用具は新しいものがどんどん出てきますので、ニーズに応じて交換することもすぐに対応していただけるのがレンタルのいいところです。

 

在宅から施設に移られる際など、長期間使っている車いすなど、これからも利用するようなものは、業者さんにお願いしたら、安く譲っていただくことをご相談できるところもあります。

引き続きその車いすを使いたいけれど、介護保険のレンタルが使えなくなる…などというときは、ケアマネさんもしくは直接業者さんにご相談してもいいかもしれません。

 

福祉用具の購入や住宅改修は、償還払いと受領委任払いと2種類あります。

 

償還払いは、一旦全額を支払って、手続き後、8~9割分(2割負担の方は8割)が返ってくる、というものです。

 

受領委任払いは、1~2割分を支払って、手続きが済み次第、直接保険者から8~9割が事業者に支払われる、というものです。

 

住宅改修に関しては、あてはまる工事とあてはまらない工事があるので、その申請をして結果が出るまでに時間がかかり、事業者にお金が入るのが遅くなります。このため、中には償還払いの方を強く勧めてくる事業者がいます。

 

福祉用具の購入や住宅改修に関しては、必ずケアマネージャーさんに間に入ってもらうようにしたほうが良いと思います。

 

居宅療養管理指導は、在宅での薬の管理や食事指導。

居宅療養管理指導は、次のような場合に算定します。

例えば慢性疾患をお持ちで、お家で医療的ケアを行っている方が訪問診療を受けて、医師が指示や指導を行っている時、独居や老老介護で、薬の管理が難しくて調剤薬局の薬剤師さんが訪問して薬の管理や指導を行っている時、食事療法の必要な疾患をお持ちで、お家ではなかなか食事療法が上手にできないという方に、管理栄養士さんがお家に訪問して食事指導をしている時、などです。

 

実際にケアマネをやっていた時、要介護3のご主人と要介護5の奥様の老老世帯で、ご主人は腎不全、奥様は糖尿病でお二人ともたくさん薬を飲まれていたケースがありました。

その頃は、まだ薬を一包化するのが普通でなく(もう10年以上前です…)、最初は受診のたびに私が訪問して薬のセットをして、訪問看護師さんに服薬確認をお願いしていました。

 

でも、忙しい時は訪問できないこともあってサービスにムラができてしまうので、調剤薬局の薬剤師さんに一包化していただいて、飲み合わせや飲みにくい薬の飲み方など教えていただいたりして、とても助かった覚えがあります。

 

長々と書きましたが、サービスを利用するにも、コーディネートするにも、ケアマネージャーさんの知識や資源・人脈、ご利用者やご家族からしっかりニーズを引き出すコミュニケーション力など、良いケアマネージャーさんに担当してもらうことが重要な要素になります。

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