年金だけで老人ホームに入居できる? 施設の探し方、補助制度、入れない時の対処法も解説
記事公開日:2015/06/22、 最終更新日:2022/09/07
目次
老人ホームの資金は年金だけで対応できるのか?
年金受給額の相場
—- | 厚生年金受給者 | 国民年金受給者 |
---|---|---|
平成27年度 | 147,872円 | 55,244円 |
平成28年度 | 147,927円 | 55,464円 |
平成29年度 | 147,051円 | 55,615円 |
平成30年度 | 145,865円 | 55,809円 |
令和元年度 | 146,162円 | 56,049円 |
(出典)令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
年金の平均受給額 | |
---|---|
厚生年金 | 14万5,638円 |
国民年金 | 5万5,373円 |
老人ホームに入る前にまずは年金受給額をはっきりと確認しておきましょう。2ヶ月に一度給付される年金がいくらなのかを知っておく必要があります。年金が入る口座の通帳を確認し、受給金額を2分の1にして月額がいくらなのかを計算します。
毎月の年金収入がいくらなのかわかれば介護施設に支払えるお金も自ずと把握できます。また、遺族年金かそうでないのかも確認しておく必要があります。
老人ホーム入居に掛かる費用の相場
種類 | 初期費用 | 月額費用 |
---|---|---|
特別療養老人ホーム | 0円 | 5〜15万円 |
介護老人保健施設 | 0円 | 8万〜14万円 |
介護医療院 | 0円 | 9万〜17万円 |
ケアハウス | 数十万〜数百万円 | 10〜30万円 |
介護付き有料老人ホーム | 0〜数百万円 | 15〜30万円 |
住宅型有料老人ホーム | 0〜数百万円 | 15〜30万円 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 0〜数十万円 | 10〜30万円 |
グループホーム | 0〜数十万円 | 15〜20万円 |
老人ホーム入居にかかる費用の相場はだいたい上記の表の通りです。地域や施設によって差はあるので正確には個別の施設に確認する必要がありますが必要となる予算をここからイメージしておくといいでしょう。
初期費用は敷金や入居金という名目で請求され、施設が受け入れるための準備費用として必要になるお金と考えればいいでしょう。
また、月額費用は家賃や食費、管理費といった内訳になります。別途でリネン代やおむつ代、おやつ代レクリエーション費用などが加算される場合もあります。
年金だけで対応できる老人ホームは少数
以上を踏まえると年金だけで老人ホームに入るのは現実的ではない、ということがわかってきます。
年金だけで入れる老人ホームが100%ないとは言い切れません。老人ホームの相場は厚生年金受給者であればギリギリの範囲で支払い可能で、国民年金受給者も最低価格帯の老人ホームを選べば入居可能です。
しかし、低価格帯のホームはそれだけ競争も厳しいです。また、初期費用がかかる場合も多いです。そういう意味で年金だけで老人ホームを利用するのは難しいと言えます。それでも「どうしても年金だけで老人ホームを利用したい!」というのであれば地域の老人ホームに詳しいお住まい相談員に一度相談してみることをおすすめします。
>関連:なぜウチシルベは無料で老人ホームを探してくれるの?
生活保護の受給を検討する
もしも年金の額が非常に少なく、資金を援助してくれる身内もいない、資産もないというのであれば生活保護を受給しながら老人ホームに入ることを考えてみるのもいいでしょう。
生活保護を受給しながら老人ホームに入る方法についてはこちらで詳しく解説しています。
生活保護について
高額介護合算療養費制度を利用する
生活保護を受給できるほどに資産が少ないというわけではない、というのであれば高額介護合算療養費制度を利用できる可能性もあります。
高額介護合算療養費の対象となる条件は次のとおりです。
-
- 国民保険、被用者保険、後期高齢者医療保険を利用している人が同じ世帯内にいること。
- 1年間の医療保険と介護保険の合算額が、所得に応じた限度額を超えていること。
同一世帯内で医療保険と介護保険の両方を利用していて、自己負担額が限度額を超えている場合、限度額を超えた分が返還されます。限度額は対象者の所得によって段階的に変わっていきます。
対象者の区分と負担上限額の内訳は以下の通りです。
70歳未満の場合
区分 | 負担の上限額 |
---|---|
年収1,160万円以上 | 212万円 |
年収770万円以上1,160万円未満 | 141万円 |
年収370万円以上770万円未満 | 67万円 |
年収165万円以上370万円未満 | 60万円 |
住民税非課税世帯 | 34万円 |
70歳以上の場合
区分 | 負担の上限額 |
---|---|
年収1,160万円以上 | 212万円 |
年収770万円以上1,160万円未満 | 141万円 |
年収370万円以上770万円未満 | 67万円 |
年収165万円以上370万円未満 | 56万円 |
住民税非課税世帯 | 31万円 |
住民税非課税世帯(一定額以下) | 19万円 |
出典)高額療養費制度の見直しについて(概要)(厚生労働省)
支給されるまでの流れ
申請の流れとしてはまず上記の区分を参考に自分が高額介護合算療養費の対象者であるかどうかを確認します。対象者であった場合には必要書類を用意して提出します。支給されるまでの流れは以下の通りです。
-
- 介護保険の被保険者は介護保険者(市町村)に「高額介護合算療養費支給申請遺書兼自己負担証明書」を提出する。
- 市町村から「自己負担額証明書」が交付される。
- 医療保険者(健康保険組合など)に「自己負担額証明書」を添付して支給申請を行う。
- 医療保険者が介護保険者に計算結果を連絡し、支給額が決定する。
- 支給額決定の通知が利用者に連絡され、支給される。
高額介護合算療養費支給申請書兼自己負担証明書は、協会けんぽのホームページからダウンロードできます。
また、高額介護合算療養費の対象にならないものは以下の通りです。
-
- 特定福祉用具
- 住宅改修
- 施設の居住費(短期滞在費)および食費
- 理美容などの日常生活にかかった費用
- 生活援助サービスの食費 など
食費なども介護保険のサービス対象外となるため含まれません。
ケアハウスを選択する
低価格の老人ホームに入れなかった方はケアハウスへの入居も選択肢の1つとして考えられます。
ケアハウスは入居一時金は数10万~数100万円と比較的手頃です。月額費用も有料老人ホーム等に比べると安く、地域によっては月額6万円程度から利用できる施設もあります。
さらに、ケアハウスは年収が低い人ほど利用料が安くなるという特徴もあります。低所得者で介護施設の利用を希望する場合にはケアハウスをおすすめします。
ただし、ケアハウスは物件数自体が少なく、やはり低価格帯となれば倍率は高くなり、必ず入居できるとは限りません。
在宅で介護サービスを受けながら生活
最終的な手段としては老人ホーム入居を諦め、在宅生活を続けるという選択肢もあります。
特に医療ケアや介護ケアが常時必要ではないという要介護度が比較的軽い場合には施設を利用せずに在宅ケアを受けるほうが経済的には負担が少ないです。
低価格の老人ホームがどうしても見つからない、予算が合わないという場合には便利な在宅ケアを活用しながら在宅生活を続けてみてはいかがでしょうか。
老人ホーム探し、資金計画で困っているならプロに相談を
これまでの内容をまとめると……
-
- 国民年金で入れる老人ホームは「特養」「老健」「ケアハウス」などの公的な介護施設
- 国民年金で老人ホームに入るのが難しい場合には生活保護の受給や介護保険サービスの減額制度を利用してみる
- 民間の介護施設の費用相場は、住宅型有料老人ホームでは12~30万円、サービス付き高齢者向け住宅の場合は10~30万円ほど
年金の範囲内で老人ホームの費用を全て賄うというのは不可能ではありません。しかし、それなりの条件・制限があります。どうしても年金の範囲内で老人ホームに入りたいというのであれば仕事ができるうちから十分な貯蓄をしておく、資産に余裕をもっておくことが重要です。
また、急な施設入居を迫られている場合には補助制度の活用も検討してみましょう。補助金のことや予算のことで不安がある方、わからないことがある場合にはプロに相談することをおすすめします。
年金だけの予算しかないけど老人ホームに入れる?そんな不安を持っている方にもプロがアドバイスしてくれます。こちらから無料で相談することができます。月々の費用のことやサービスの内容など細かいところまで解説してくれるので安心です。一人で悩まずにまずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
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