高齢者の孤独感を解消する方法
記事公開日:2016/04/18、 最終更新日:2019/11/08
高齢の親が寂しいと訴えることが多くなったという話をよく聞きます。超高齢化社会で4人に1人以上が高齢者となった今、寂しさで苦しんでいる高齢者は全国にたくさんいることでしょう。ここでは高齢者が寂しさを感じる理由とその改善方法について考えてみます。
目次
高齢者が寂しさを感じるとき
高齢者が寂しさを感じるのには以下のような理由が考えられます。
①日々出来なくなることが増えていく
高齢化するとちょっと前まで出来ていたことが日に日にできなくなるという経験をします。日々、身体の衰えを感じることは死を意識することにもなり不安を感じるものです。人間であるかぎり、誰しも誰かの役に立ちたいと思っています。しかし、高齢になって身体機能が衰えてくると気持ち通りに身体が動いてくれません。周囲から「あなたは役に立たない」と言われているような悲観的な気持ちにもなり寂しさを感じるようになります。
②健康面や金銭面、将来への不安
高齢になれば多かれ少なかれほとんどの方が病気を経験します。身体機能が衰えている状況で病気を発症することは非常に恐怖を感じるものです。病気になれば医療費の心配もありますし、介護が必要になれば介護費用も必要になります。身体の自由が利かなくなれば誰が面倒をみてくれるのか、お金の管理は誰がしてくれるのかといった不安も出てきます。このような不安が寂しさとしてあらわれます。
③社会的な関わりの減少
会社を定年すると仕事上の人間関係がなくなり人と接する時間は極端に少なくなります。仕事以外でも友人に先立たれたり、お互い外出が苦痛となることで会う機会が減ったりと人とのかかわりは徐々に減っていきます。人との触れ合いがない孤独感から寂しいと感じる高齢者は多いでしょう。
1人暮らしの高齢者の増加
高齢者が寂しさを感じる理由には時代背景も関係しています。超高齢化社会、核家族化が進んでいる日本では平成27年の時点で高齢者の約半数が1人暮らしとなっています。配偶者に先立たれたケースや離婚したケース、子どもの独立などによりやむを得ず1人となったケースもあり、寂しさを感じるのは理解できます。
また、近年は1人暮らしの高齢者を狙った詐欺や押し売り、押し買いといった犯罪が増えています。他人を信じることが難しくなったこと、このような犯罪に巻き込まれるのではないかという不安も寂しさを助長しているように思います。
認知症高齢者の増加が大きな社会問題になっていますが、1人暮らしで孤独な人ほど認知症になりやすいという報告があります。毎日人との交流がある方と人との交流が週1回以下の方とでは認知症へのリスクが約1.4倍になるとのことです。1人暮らし高齢者に対しては孤立させず寂しさを感じさせない支援が必要と言えるでしょう。
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周りの人はどのような対応を取るべきか
では、周囲は寂しさを感じている高齢者に対してどのような対応を取ればよいのでしょうか。
①高齢者が寂しさを感じながら生きていることを認識する
寂しさを感じている高齢者を支援することはもちろん大事です。しかし、支援により高齢者が感じる寂しさを完全に消すことは難しいです。その理由は高齢になり子どもが独立して離れていくことや、定年退職することで社会的な役割が少なくなること、身体機能が低下して日々出来ないことが増えていくといったことは自然の流れだからです。
大切なのは周囲がその寂しさを理解し、寂しさに配慮した優しい対応をとることです。「たまには電話してみようかな」といった気づかいが高齢者の寂しさを癒すことにつながります。
②人生の先輩として話をきちんと聞こう
高齢者の話は若い人からすると同じような話ばかりでくどかったり、説教のように感じて聞くのが苦痛に感じてしまう場合もあるかも知れません。しかし、高齢者は長く生きているぶん、知識や経験は若い人よりもずっと豊富です。高齢者が体験した困難、それをどように超えてきたのかに注目して話を聞けば参考になることは多いです。「話を聞いてあげる」というスタンスではなく、「豊富な知識を経験から教えてもらう」という認識を持てば高齢者の話を興味を持って聞くことが出来るでしょう。
③孤独感を感じさせない支援を
家族の訪問や電話での会話が頻繁にあれば高齢者が孤立感を感じることは少なくなります。家族には意識してコミュニケーションをとる機会をもうけて欲しいと思います。
要介護認定を受けているのであれば、介護保険サービスを利用することで人と触れ合う機会を持つことができます。特にデイサービスやデイケアといった通所サービスには多くの同年代の高齢者が集まるのでおすすめです。元気な方には老人クラブなどを紹介してあげるのも良いでしょう。
認知症高齢者は寂しがりやすい?
施設で働いていると寂しさを訴える認知症高齢者は多いです。特に認知症初期はそのような傾向が強くみられます。
認知症の方が寂しさを感じるのには以下のような理由があります。
①認知症の症状への不安
認知症は記憶障害からはじまり、日常生活の中で出来ないことが増えていきます。これからどうなってしまうのだろうという不安や恐怖、混乱の中で本人は強い孤独感を感じ、周囲に認めてもらいたいという気持ちから寂しさを感じるようになります。
②認められてもすぐに忘れてしまう
不安がある人は誰かに認めてもらいたい気持ちになります。家族から認めてもらってその場では安心できたとしても認知症には記憶障害があるため本人にはその体験は残りません。生活の中で不安なことがあればまた寂しさを感じて精神的に不安定な状態になります。
寂しさから精神的に不安定になると認知症は急激に進行します。寂しさを感じている認知症高齢者に対してはすぐに適切なサポートをおこなわなければなりません。
認知症の方への対応は家族だけでは難しいです。家族にも自分の生活がありますし、認知症に対する専門的な知識を持ち合わせていないからです。まずは地域包括支援センターや居宅介護支援センターなどに相談することをおすすめします。
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寂しさをまぎらわせる方法
①生きがいづくり・社会参加
近年は多くの自治体で高齢者の社会参加を支援しており、老人クラブなどの生きがいづくりの場の提供や、シルバー人材センターによる仕事の紹介などが行なわれています。
老人クラブにはたくさんの種類があり、スポーツなどの健康維持に関するものや、カラオケや生け花、将棋といった趣味が楽しめるものまで様々な内容があります。新しいものに挑戦するのも良いですし、慣れ親しんだ趣味を楽しまれるのも良いでしょう。
元気で働く意欲がある方はシルバー人材センターに登録することで自分の能力を活かすことができ、地域の方の役に立つ事で日常生活に充実感を感じることが出来ます。
②介護サービスの利用
要介護認定を受けている方であれば介護保険サービスが利用できます。おすすめなのは通所サービスであるデイサービスやデイケアです。在宅生活をしている高齢者が施設に通って日中を過ごすサービスで、入浴や食事、レクリエーション、リハビリなどがおこなえます。スタッフとの交流はもちろのこと、他の利用者との交流があるため1人でいる寂しさを感じることはありません。
日常生活への不安が強い人は訪問介護がおすすめです。家事援助から身体介護まで利用者に合わせたサービスを受けることができるので、日常生活の不安を大幅に軽減できます。
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