HIV感染者に対する老人ホームでの対応方法
記事公開日:2016/05/06、 最終更新日:2019/03/27
エイズの患者は日本でも確実に増加傾向にあり、エイズ、HIVの患者を合わせると1万8000人を超えると言われています。
2008年ころまでは一般にHIVの知識が浸透していったからか、検査を増える人も増加していました。しかし、それに比例して感染者も増えています。
2009年に入ると検査数も感染者も減少しました。
HIVの患者は減った。そのように思われましたが、最近はまた感染者が増えていると言われています。
さらに、感染者の割合で50代以上の高齢者が増加していると調査でわかっています。
これは、HIVの患者が高齢化していることも背景としてありますが、新規で感染する50代以上の人も増えているのだそうです。
平成24年度のデータをみてみると20代や30代の若者が多いのですが、50代も全体の11%となかなか多めです。
そして新規エイズ患者となると50代以上が全体の30%。これは20代30代より多い数字です。
目次
高齢者のHIV感染
HIVに感染してからエイズが発症するのに数年間の潜伏期間があります。
若い年齢だとHIVに感染してから検査ですぐにHIVを発見し、エイズ発症を防ぐことができるのに対し、高齢になってくるとエイズ発症前に検査を受けないため、発見が遅れるということがデータからわかってきます。
年を取ってくるとHIVの検査を受けるのが恥ずかしいという意識があるのでしょう。
特にエイズのような病気は若者の病気といった印象があります。
また、都会ならまだしも田舎だと保健所へいって誰か知り合いに合わないともかぎりません。
こういった世間体を気にしているために発見が遅れてしまうのだそうです。
また、若い世代は学校でHIVについて教えてもらいますが、50代以上だとそういった経験もなく、エイズやHIVについての知識も少ないと考えられます。
それに、最近の50代というと元気な人が多く、病院で検査をする機会も少ないです。
風邪のような症状がでて治らないので病院にいって「念のため」検査をしてようやく発症していることがわかる、といったケースが増えているようです。
データに出ている数字はあくまで感染や発症がわかっている数のみです。
潜在的なエイズ患者というのはまだまだたくさんいるのでしょう。
気になったらすぐに検査!
最近はHIV検査キットというものがあり、自宅で検査することも可能です。保健所に行くのが恥ずかしいなら自宅で自分で検査してみるのをおすすめします。
男性だけではなく女性でも発症する人が増えています。
高齢者でHIVに感染するとエイズとは無関係の高齢者がかかりやすい病気にかかるリスクも高くなります。HIVの発見が早ければ早いほどエイズ発症を防ぐことができます。
HIVの方でも老人ホームに入所できるのか
HIVとはエイズとも言われており、ヒト免疫不全ウイルスと言われています。発症してしまいますと、現在の医療では治療はできない病気です。
HIVは感染すると認識する方も多いと思いますが、老人ホームへの入所をすることはできるのでしょうか?
感染力は非常に弱い
HIVの感染力は非常に弱く、それは他の感染症と比べての顕著に表れています。また、一定の行為をしないと感染をすることはありません。
粘膜と粘膜の接触、傷口からの感染などが主な感染源ですので、そういったところに注意するだけで感染する可能性はほとんどないといえます。
そのため、傷を持っている方であれば入浴を控えてもらう、おむつ交換などの際には手袋などを行って感染しないようにする対処方法で対応ができます。
また、空気に触れたり、水に触れるとその感染力はなくしてしまいますので、そういった面から見ても直接的な接触をしない限り大丈夫なウイルスだといえるでしょう。
老人ホームが拒否をする理由
そうはいっても実際には入所を断るところもあるようです。これはHIVへの間違った認識であり、HIV=入所できないと根拠なく思っているのです。
そういった老人ホームは勉強不足な一面もありますので、入所は控えるようにしておいた方が良いでしょう。
また、どうしても入りたいホームがあるのに、断られた場合は医師に診断書を書いてもらって、集団生活ができるという文言を書いてもらいましょう。
HIVの感染についての資料を提出するのも良いかと思います。
発症した場合でも死に直結はしない
仮に発症をした場合は、現在では治療方法がある程度確立されていますので、すぐに死に直結するわけではありません。
また、発症した場合は老人ホームへの入所よりも、入院対応になる可能性がありますので、まずは病院受診が大切になります。
老人ホームは集団生活の場所ですので、感染には敏感になりやすいですが、間違った認識をしている可能性がありますので、注意しましょう。
HIV感染者に対する老人ホームでの対応方法
HIV感染者は、病院で治療を終えた後、在宅でHIVと闘いながら生活を行います。そのため、HIV高齢者は介護が必要となった時、HIVが安定している場合には老人ホームへ入所することもあります。しかし、HIV感染者と聞くだけで、入所を断る老人ホームが多いのも現実です。そのため、老人ホームがHIVに対し正しい知識を持つことで、HIV高齢者の受け入れを行っていくことも重要となります。
HIV感染者に対する老人ホームでの対応方法について、ご紹介いたします。
HIV=エイズではない
HIVと聞くと、人はエイズだと思い、自身が感染することを恐れます。しかし、HIV=エイズではないという事を、まずは理解することが重要となります。
HIVとは、ウイルスの名前であり、HIVに感染したからと言ってすぐにエイズを発症するわけではありません。特に高齢者の場合、HIVに感染初期とは考えづらく、無症状期と考えられます。そのため、エイズを発症しているわけでなければ、日常生活を営む上で、他者に感染するリスクは低くなります。
感染ルートを理解する
HIV感染者から、HIVが感染するルートは、主に3つあります。一つ目は、母子感染です。高齢者の場合、老人ホームで母子感染することはないため、特に気を付けることはありません。二つ目に、性感染です。認知症高齢者の場合、突然女性との性交渉を行うことがあります。そのため、HIV高齢者が女性との性交渉を行わないよう、注意することが重要となります。三つ目は、血液感染です。特に、針刺し事故などで感染する可能性があるため、看護師などの医療職は血液の取り扱いに注意が必要となります。
このように、老人ホームでHIV高齢者への対応で注意が必要なのは、血液の取り扱いになります。そのため、HIV高齢者への医療的措置を行う場合や、けがをした場合などには最新の注意を払うことが重要となります。
介護者がHIVに感染したか検査を行う
細心の注意を払い、HIV高齢者のケアを行っても、血液に触ってしまう事があります。その際、HIVに感染したかもしれないと、介護士は悩み苦しむことも多いです。そのため、HIV高齢者の血液をもし触ってしまい、HIV感染を疑った時、検査を行うことが重要となります。
また、HIV高齢者に限らず、どの高齢者であっても、血液を触ってしまうという事は、アクシデントとなります。そのため、そのようなことがあった際には、上長へ報告し、適切な処置を行うことが重要となります。
施設を効率よく探す方法は?
HIVの方受け入れ可能な老人ホームを探すのは実は非常に大変です。プロに任せるのが一番の近道なんですよ。こちらからご相談ください。すべて無料で対応可能です。
老人ホーム探しは持病の他、介護度など様々な条件を元に検討していく必要があります。ご家族が自分ですべてやろうと思ったら大変な作業になってしまいます。ぜひ、プロに一度相談してみて下さい。
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