ケースワーカーとは?ケースワーカーの仕事内容について
記事公開日:2016/05/06、 最終更新日:2018/12/26
ケースワーカーという職業をご存知でしょうか。2018年にケースワーカーを題材にしたドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」が放送され、ドラマを通じて知ったという人は多いと思います。ここでは話題の職業ケースワーカーについて説明します。
目次
ケースワーカーとは
ケースワーカーは主に公的機関に勤務し、身体的・精神的な理由によって日常生活を送ることが難しくなった人に対して相談援助業務をおこなう職業のことを言います。
ケースワーカーが扱う相談内容は多岐にわたっており、生活保護や就労支援、1人暮らし高齢者への生活支援、高齢者や障害者への介護、不登校の児童に関することまで幅広い問題を扱います。
基本的な職場は全国にある福祉事務所となりますが、他にも児童相談所や老人福祉施設、養護施設、精神保健福祉センターなどにも配置されています。
ケースワーカーの仕事内容
全国にある福祉事務所には地域に住む人が利用できる相談窓口が設置されています。ケースワーカーの仕事は相談に訪れた方への面接相談から始まります。相談者が何に困っているのかを把握し、どのような支援が必要なのか、具体的にどのような支援が利用できるのかを検討します。支援の大まかな方針が決まったら、家庭訪問や調査によって収入や住宅事情などの生活実態を把握し、福祉サービスの利用申請など具体的な手続きを進めていきます。
福祉サービスの利用には多くの書類を用意する必要があり、ある程度の専門的な知識が必要です。相談者には高齢者や障害者など自分で手続きをおこなうことが難しい方が多いので、ケースワーカーは正しく申請手続きがおこなえるよう細かなところまでサポートします。
手続きが終わり支援が開始されてからも対象者への訪問や面談を通して状況を確認します。場合によっては支援内容の変更も検討します。
ケースワーカーは1人で100世帯以上の案件を担当すると言われており、多忙な業務をこなしています。家庭訪問をする機会が多く、様々な環境の家庭を担当するため時間外業務も多くなります。
どうすればケースワーカーになれるのか?
①まずは社会福祉主事の任用資格取得が必要
職場である福祉事務所などの公的機関で働くためには、社会福祉主事の任用資格を持っている必要があります。社会福祉主事の任用資格は大学や短大の社会福祉学科などで社会福祉に関する科目を履修するか、厚生労働省の認定を受けている養成機関や講習を修了することで取得することが可能です。また、国家資格である社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持っている場合は社会福祉主事の任用資格を持っているものとみなされます。
②地方公務員試験に合格し社会福祉主事として配属されてようやくケースワーカーに
任用資格取得後は各自治体が実施している地方公務員試験に合格し、社会福祉主事として福祉事務所などに配属されることでケースワーカーになることが出来ます。地方公務員試験に合格しても福祉事務所に配属されなければケースワーカーにはなれません。
自治体には社会福祉関係の採用区分を設けて採用しているところと一般行政職として採用しているところがあります。どうしてもケースワーカーになりたい場合は社会福祉関係の採用区分がある自治体の試験を受けると良いでしょう。
③ケースワーカーには社会福祉に関する法律や社会資源に関する知識が求められる
ケースワーカーが担当する問題は多岐にわたっており、相談者ひとりひとりに適した支援方法を提案するためには社会福祉に関する法律や社会資源に関する知識に精通している必要があります。法律は時代に合わせて改正されることが多いので、ケアワーカーはその変化に対応し相談者に常に適切な支援がおこなえるようにしなければなりません。
ケースワーカーに向いている人
ケースワーカーの仕事は相手の話を聞くところから始まります。そのため、相手が相談しやすい空気を作るコミュニケーション能力がある人が向いています。相談者によっては伝えることに障害があり内容の把握が難しいケースもありますが、相手の話の腰を折らないように問題の根本を読み取り、どのような支援が必要なのかを冷静に判断しなければなりません。
相談相手の多くは事故や病気、貧困などで苦しんでいる人たちです。ケースワーカーとして働く上で必要なのは相手に寄り添う気持ちです。社会福祉の問題はすぐに解決できない問題も多いですが、相手を思いやる気持ちがあり最後まで粘り強く解決策を模索できる人がケースワーカーには向いています。
ケースワーカーの仕事をしていると少なからず福祉サービスを不正に利用しようとする人と出会います。そのような人には毅然とした態度で接しなければなりません。トラブルになるケースもあるためケースワーカーにはタフな精神力が必要と言えます。
アグレッシブケースワークとは
生活に困っている人全員が自分から相談にやってくるわけではありません。むしろ、日常生活に問題があり悩んでいる人は誰にも相談できずに孤立しているケースが多く見られます。このような個人や家族に対してケースワーカーの方から積極的に支援を働きかけ、問題解決を図ることをアグレッシブケースワークといいます。
近年は社会の流動性が激しく人々が抱える問題は多岐にわたり、かつ深刻化しています。「どこに相談してよいのか分からない」「人に迷惑をかけたくない」と言った理由から支援が必要にも関わらず自分から支援を求めない人が増えています。特に近年は1人暮らし高齢者が増加し、誰にも知られず自宅で亡くなる高齢者の孤独死は大きな社会問題です。
アグレッシブケースワークではこのような状況を改善すべくケースワーカーの方から支援を持ちかけます。アグレッシブケースワークには閉じた心を開くコミュニケーション能力と、年々複雑化する問題に柔軟に対応できる豊富な知識と経験が求められます。
ソーシャルワーカーとの違い
ケースワーカーと混同されやすい言葉に「ソーシャルワーカー」があります。ソーシャルワーカーはもともと社会福祉に従事する人全般を指す言葉でしたが、近年は国家資格である社会福祉士のことを指して使われることが多いです。
社会福祉士が多く働いている職場に医療機関があります。医療機関で働く社会福祉士のことをメディカルソーシャルワーカーと言います。メディカルソーシャルワーカーは急な病気や事故で混乱している患者や家族の相談に応じたり、入退院の手続きのサポート、退院後に利用する医療サービスや介護サービスの調整などをおこないます。必要に応じて高額医療費支給制度の利用や生活保護、介護保険の要介護認定の申請などを提案しサポートしていきます。
困っている人の相談にのり支援するという点ではケースワーカーとソーシャルワーカーは共通しており、業務内容も近しい部分があります。実際の現場では両者の線引きは曖昧な状況となっており、そのことがケースワーカーとソーシャルワーカーが混同されやすい要因となっているようです。
最後に
1人暮らし高齢者や高齢者夫婦のみの世帯が増え、日常生活で困った状況に陥るケースは年々増えてきています。ケースワーカーという職業を知り、困ったときには問題が大きくなる前にケースワーカーに相談してみると良いでしょう。
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