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高齢者住まい法について

記事公開日:2015/06/25、 最終更新日:2019/05/16


高齢者住まい法について

高齢者住まい法とは

高齢者を取り巻く環境は日々変化しています。昔(1900年代半ば)では単身高齢者の数は非常に少なく、家族が高齢者を看るということが当たり前のようにありました。しかし、現在では核家族化が進み単身高齢者が急増しています。

孤独死は社会問題化していますし、社会との関わりがほとんどない高齢者も増加しています。社会との関わりが無いので、本来受けれる福祉サービスなどを受けることが出来ず権利が阻害されているのです。

このような問題点から作られた法律が「高齢者住まい法」といい、正式名称は「高齢者の移住の安定確保に関する法律」です。2001年に制定されました。

 

基本方針について

高齢者住まい法の基本方針を大まかに説明すると、高齢者に適した住まいを地域に供給し、安全に生活が出来るような環境を整えるということです。

まず、地域にバリアフリーや緊急コールが付いた高齢者に適した賃貸住宅、老人ホームを作ります。そこに一人で生活をすることに対して不安等を感じている高齢者に入居してもらいます。

入居してからでも安心して生活をしてもらえるように、賃貸住宅、老人ホームの運営方法を整えます。また、地域の福祉サービスや病院や在宅診療などの医療サービスと連携をして高齢者を包括的に支援していきます。

こういった流れが高齢者住まい法の基本方針です。

また、この基本方針には住宅の過剰供給にならないように、数の制限なども含まれています。現在高齢者住まい法に基づく住宅が非常に速いペースで作られていますが、数が多くなりすぎると制限がかかる可能性もあります。

 

高齢者住宅安定確保計画とは

高齢者住まい法を根拠として、高齢者住宅安定確保計画と呼ばれる計画が立てられていますが、この計画の詳細はどのようなものなのでしょうか?

まずこの計画は県や政令指定都市などで定めるのが義務付けられます。高齢者の住宅をどのように地域に供給していくのか、計画を立ててそれに基づき実施していきます。

高齢者住宅安定確保計画に含まれている内容について詳細に開設していきます。

高齢者と高齢者の住まいの現状

「高齢者と高齢者の住まいの現状」と題して地域に高齢者用の住宅を供給する根拠になります。

高齢者の数がどの程度増加していくのか、要介護者がどの程度増加していくのか、夫婦のみの世帯の数や単身世帯の数なども明記されています。

住まいの現状としては、持ち家に住んでいる高齢者の割合やバリアフリー化がどの程度進んでいるのか、病院までの距離など、高齢者が住むのに適した住宅に住んでいるのかどうかが記載されます。

また、老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の設置数や、高齢者が現在の住まいに住み続けたいのかどうかというアンケートも記載されます。

課題について

この計画では上記の現状を踏まえ、課題を明記しています。

高齢者及び単身世帯の増加、バリアフリー化が必要、医療と高齢者の繋がり不足、災害時の対策が出来ていない、多様な生活ニーズに答えれる仕組みが出来ていないなどが挙げられています。

目標と施策

課題を踏まえて、目標と施策が明記されます。ここにどの程度の住宅や老人ホームを供給すればいいのか、どんなサービスを行えばいいのか、地域住民はどのように地域の高齢者を支えるのかなど様々な計画が立てられます。

もちろん計画ですので、20〇〇年までにいくつ建てるのか、どの程度システムを構築していくのかなども記載されています。

 

終身建物賃貸借制度とは

これは主にサービス付き高齢者向け住宅で使われている制度です。高齢者が一度契約を結べば終身に渡ってその住宅に住むことが出来る制度であり、途中で解約されることのない、高齢者の身を守るための制度です。

この施設で認可を受けるためには様々な基準をクリアしないといけませんが、この基準に関しても高齢者が安全に生活をするための基準ですので、必ず守る必要があります。

 

まとめ

現在非常に多くの数が建てられているサービス付き高齢者向け住宅は、高齢者住まい法を根拠に建てられているものです。高齢者が安全に生活が出来るようにバリアフリー完備、定期巡回、生活相談などが実施されています。

高齢者住まい法と地域包括ケアシステムは深く関係しており、地域包括ケアシステムの中では、高齢者住まい法に基づく住宅を中心とした包括的な支援を目指す仕組みもあります。

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