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介護保険を利用して住宅改修を行うには

記事公開日:2015/06/30、 最終更新日:2019/03/26


介護保険を利用して住宅改修を行うには

トイレや浴室までの移動、トイレの中や浴室でも転倒の危険がある…など、今までの生活環境では不便・不安を感じるようになった。足腰が弱くなり歩行が不安、自宅を安全に改修したい、そのような場合はケアマネージャーさんに相談することをおすすめします。介護保険制度では20万円を限度額として、住宅改修費の支給を受けることができます。ただし、住宅改修は金銭的な負担も大きく、すぐに元に戻せるものではありませんので、内容をよく検討して信頼を得られる業者様にお任せしたいものです。

介護保険でできる住宅改修とは

住宅改修には介護保険が利用できます。

 

要支援や要介護となった場合、自宅で転んだりする危険性をなくすため、住宅改修を行う必要が出てきます。

また、現在は元気に自分で歩き回っている高齢者も、いつ転倒して寝たきりになってしまうともわかりません。廊下やお風呂場、玄関等に手すりを設置したり、段差を極力なくす住宅改修を行うことをおすすめします。

 

介護保険で住宅改修に必要な費用を一部支給してもらうことが可能です。

支給額は工事費用の9割となっています。工事費用の上限は20万円までとなっていますので。そのうち18万円が最高で支給されます。

住宅改修が必要な理由がわかる書類を添えて申請書を提出し、工事完了後に領収書などの費用がわかる書類を提出することで支給を受けられます。

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支給対象となる住宅改修の種類

住宅改修は主に

・手すりの取り付け

・段差の解消

・滑り止めや移動を円滑化させるために床や通路の材料を変更

・扉を開き戸から引き戸に変更

・洋式便器への交換

 

などが挙げられます。

 

給付が受けられるリフォームについてさらに細かく見ていきます。

 

手すり設置

廊下やトイレ、お風呂場、玄関といった箇所に転倒防止や移動、移乗動作を目的として設置する手すりが対象です。手すりの形状や二段式や縦付け、横付けなどその場に応じて適切なものを選ぶ必要があります。福祉用具貸与に該当する手すりの場合は適用範囲外となります。

 

段差の解消

居室や廊下、トイレや浴室、玄関等の段差を解消するためのリフォームです。敷居を低くする工事やスロープを取り付けることでこの段差を解消できます。

 

滑り防止や移動円滑化のための床材変更

畳敷きから板製床材、ビニル系床材への変更が該当します。また、浴室に於いては床材を滑りにくいタイルに変更するリフォームになります。

 

引き戸の交換

玄関や居室等の扉が開き戸であれば引き戸や折戸、アコーディオンカーテン等に交換するのがいいでしょう。特に車いすで生活している方がいるご家庭では開き戸では狭くて通れないため、出入口を広い扉にする必要があります。

また、ドアノブを握りやすいものに交換したり、戸車を設置するなどもこちらに含まれます。

 

トイレの便器交換

和式便器だとお年寄りにはしゃがみにくいので、洋式便器に交換するといいでしょう。暖房便座や洗浄機能がついたトイレへの交換も可能です。

しかし、洋式便器から和式便器への取替や水洗ではない和式便器からの水洗洋式便器や簡易水洗便器に交換する場合の水洗化といった工事は介護保険適用外となります。

 

その他付帯作業

手すりを取り付けるのに壁に下地を取り付けて補強する必要があるなどといった付帯作業も適用範囲内となります。

ほとんどの市区町村で住宅改修の給付制度を採用しています。詳細はお住まいの都道府県の市町村窓口で問い合わせしてみることをおすすめいたします。

 

住宅改修までの流れ

住宅改修までの流れをざっとまとめるとこのようになります。

 

ケアマネージャーに相談→理学療法士やケアマネージャーとの話し合い→施工業者とケアマネージャーの打ち合わせ→申請書作成・必要書類を市役所へ提出→工事開始・経過確認→工事完了後代金支払→領収書・工事内訳書・施工写真を市役所へ提出→住宅改修費用が市役所より振込

 

工事代金を支払う際に選択肢がある自治体では「償還払い」(後日全額を受けとる)「受領委任払い」(1割の支払をする)のいずれかにより、業者が登録されていることがあります。お住まいの自治体によって違いがありますので、ケアマネージャーさんや市役所へ事前に確認をしていただくとよいかと思います。

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住宅改修の定義って?

 

とはいえ、もちろんですが、リフォームや改修がすべて介護保険適用になるわけではありません。ここでの住宅改修とは下記の定義です。

 

・事前に申請を行ったうえ、許可を受けたものであること。

・設置するだけのものでなく、工事を伴うものであること。

・既存の建物に必要とされるものであり、新築や増築をする際には認められない。

・動力を必要としないものであること。

・対象者の方が入院されている場合、工事を申請することはできない。

 

その他にも市町村などによっても取り決め事項がありますので詳細は確認してください。

 

使用する高齢者の気持ちで

 

住宅改修をされる際、施工業者選びは特に慎重に行わなくてはなりません。何故なら1度工事をしてしまったらやり直しは、そう簡単にできないからです。私自身も実際に目にしましたし、よく聞く話でもありますが、「使い物にならない」手すりやスロープが施工されていることかあります。トイレに取り付けられた手すりを試してみたところ、取り付けられた位置ではつかまりにくく、向き(縦横)を変えた方が使いやすくなるのでは…という意見がスタッフの方から聞かれました。スロープは傾斜がきつかったり、屋根の無い場所に設けられており雨天時は使えない…など、使う人の目線に立ってみると明らかに違いがわかるものがあります。施工業者の方は健常者の視点からみておられるので気付かないところがあるようです。本来であればこのような場面で活躍して欲しい、「福祉住環境コーディネーター」という資格があるのですが、この資格を持っている方の活躍できる場がなかなか無く、職業としておられる方は少ないとのことです。今後、高齢化社会が進むにつれて、活躍の場が増えていくことを期待します。

施設を効率よく探すには?

自宅のリフォームをしないと生活できないというくらいに介護が進んだ場合には老人ホーム探しを検討してみるのも一つの手です。こちらから無料で相談することができます。バリアフリー化されている老人ホームなら安心です。車椅子や手すりが必須の方にもおすすめのホームを紹介してくれますよ。

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