高齢者の誤嚥
記事公開日:2015/06/30、 最終更新日:2019/02/20
目次
高齢者の誤嚥
誤嚥とは、唾液や食物、飲み物などが、なんらかの理由で、誤って喉頭と気管に入ってしまう状態を言います。
誤嚥により、食物や唾液に含まれた細菌が気管から肺に入り込み、誤嚥性肺炎を起こす場合があります。
特に高齢者は、誤嚥性の肺炎を繰り返すと、生命にかかわることがありますので、注意が必要です。
高齢者に多い誤嚥を起こす原因の一つとして、嚥下機能の低下(嚥下障害)があります。
嚥下機能が低下すると、食事量が減ってしまい、体重が徐々に減り、体力も落ちます。
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嚥下機能の低下があるか、チェックしてみましょう。
ご家族やご自身に次のような症状があれば、嚥下障害の可能性があります。
嚥下障害の最大の原因は、加齢と考えられてきましたが、それだけでなく、脳卒中(脳梗塞、脳出血など)が原因の場合があることがわかってきました。
もし、嚥下機能の低下していると感じたら、できるだけ早く病院に行きましょう。
・食欲がない、食事量が減った → 食欲がないのではなく、嚥下機能が低下したため、飲み込みづらくなり、結果として食事量が減っているかもしれません。
・食事の好みが変わった → 飲み込みにくいものを自然に避けているのかもしれません。
・食事中や食後にむせこみや咳が多い
・食後に声がかすれる
・よく咳が出る、寝ている時に咳き込む
・喉の違和感や残留感がある → 風邪が長引いていると思っていませんか?
・食事に時間がかかる → 食欲がないとか、歯が悪いからと思っていませんか?
※十分な食事量をとれるよう、高齢者のペースにあわせてあげましょう。
正しい食事動作で誤嚥を防ぐ
高齢者の食事介助で一番に気を付けたいのが誤嚥です。嚥下反射機能の弱っている方や、麻痺などで嚥下障害のある方などは、非常に誤嚥を起こしやすい状態にあります。食事中の誤嚥は、正しい食事動作で行うことで予防することが可能です。
①食事姿勢に気を付ける
食事動作というと、食べる時の動作のことを思い浮かべますが、食べる姿勢も重要な要素のひとつです。たとえば椅子に座って食事を摂る方の場合、椅子の座面が低いと、胸の位置にテーブルがくることがあります。これでは正しい姿勢で食べられません。椅子にクッションを敷いて、座った時に肘の位置の少し下にテーブルがあるようにセッティングしましょう。
車椅子の場合は、車椅子の座面は前から後ろに向かって斜め下に傾斜しています。このまま食事を摂りますと、身体が少し後ろに反り返っている状態になるので、テーブルから頭が遠退いてうまく食事ができません。傾斜のあるクッションで腰の位置を平らにするか、車椅子の後輪に台を置くなどの工夫が必要です。また、足がフットレストにかかっていると重心が後ろに行ってしまうので、足は下ろします。
ベッドで食事を摂る方も同様に、できるだけ身体を水平に起こして取るのがよいでしょう。
②食事動作に注意する
食事動作とは、箸やスプーンで食べ物を取って口に運ぶ一連の流れのことです。このとき、麻痺や関節リウマチでうまく箸が持てないとか、指の力が弱っていて重くなると落としてしまうという症状のある方には、自助具を使います。バネ付きの箸やカフ付きのスプーンなどで、食べる前段階で苦労しない工夫をします。
箸やスプーンが持てて自力で食事摂取できるけれど、途中で疲れてしまう方もいます。食べるペースが落ちてきたら、介助をするようにしましょう。初めから介助をしてしまうと、本人の食べる意欲や食事に必要な手や腕の筋力が衰えてしまいます。
③食事中の注意
自力摂取できる方であっても、食べ物がきちんと口に入っているか、咀嚼と嚥下が行われているかも確かめましょう。咀嚼をしないで飲みこんでしまう時は、口内に歯痛や歯肉炎などのトラブルが起きているかもしれません。認知症の方の中には、延々と咀嚼を続ける方もいますので、適度に声をかけて嚥下を促します。また、掻き込んでものすごい速さで食べてしまう方は、「他の人に食べられてしまうかもしれない」という危機感が強いことがあるので、人と距離を置いて視界に他人の食事風景が入らないよう配置すると良いかもしれません。
もし、嚥下障害と診断されたら
誤嚥を防ぐために、食事を工夫してみましょう。
・食べ物をかみ砕くのに問題がある場合 : 細かくきざむ。柔らかく似る。押しつぶす。
・嚥下機能に問題がある場合 : 柔らかくする。とろみをつける。
嚥下機能に問題がある場合は、細かく刻んだだけでは、ぱらぱらして飲み込めませんので、とろみをつける必要があります。
増粘剤(とろみ剤)が便利です。家庭にある片栗粉でも大丈夫ですが、増粘剤の方が簡単です。
増粘剤の代わりに、オリーブオイルやココナッツオイルを混ぜても、飲み込みやすくなります。
増粘剤にはカロリーがありますので、体重オーバーにならないよう、注意が必要です。
柔らかくても飲み込みにくい食べ物もあります。
市販されている介護食も利用して、味や見た目が単調にならないよう、また、ご家族が負担にならないよう、色々試してみてください。
また、水分もとりにくくなっていますので、意識して水分補給してください。
嚥下機能低下の予防
デイサービスなどでは、食事の前に嚥下障害予防の体操を行っているところが多いようです。
デイサービスに通われている方は、自宅での食事の前にも同じ体操をしましょう。
- 腹式呼吸のトレーニング
腹式呼吸によって、呼吸機能が向上し、器官に食べ物が入った場合でも、排出しやすくなります。
おなかをへこませながらゆっくりと息を吐き切ります。次におなかを膨らませながら息をゆっくりと吸います。
数回これを繰り返します。
- 発音のトレーニング
パピプペポ、ラリルレロ、タチツテト、カキクケコ、マミムメモを、唇をしっかりと動かして、繰り返し発音します。
- 首、口、舌のトレーニング
肩のトレーニングは、肩の力を抜いて、首を前後左右にゆっくりと動かします。
口のトレーニングは、ほおをふくらませたり、へこませます。
舌のトレーニングは、舌を出して、上下左右に動かします。歯茎と外側を舌をゆっくりと動かします。
老人ホームでの誤嚥対策方法
老人ホームでは数多くの高齢者が住んでいますので、嚥下が困難(飲み込むことが困難)な方も多くいます。
飲み込めない、むせてしまう、気管に入ってしまうなどといったことを誤嚥といい、十分注意しないといけません。誤嚥になると起こるリスク、誤嚥の対策方法などをご紹介していきます。
肺炎になる可能性がある
誤嚥性肺炎という言葉があるように、誤嚥をしてしまいますと肺炎になる可能性がありますので注意しておきましょう。仕組みとしては、誤って食道に入るものが気管に入ってしまい、それが肺まで行ってしまいます。肺に食物が入れば拒否反応が起こり、炎症を起こしてしまいます。
それが誤嚥性肺炎です。高齢者の肺炎の多くが誤嚥性肺炎が関係していると言われていますので、誤嚥は非常に怖いものだということを認識しておきましょう。
誤嚥をしないために
誤嚥をしないためには、まず食事形態を見直すことが大切です。キーワードとして食べやすいものをたべてもらうことです。通常の食事では噛めない場合、刻みにするとか、ミキサー食にするとかの対策方法を取ります。
また、食事の行い方も大切です。適切な姿勢で食べているのか、適切に食事介助をしているのかも誤嚥をしないかどうかの判断になりますので、しっかりとチェックをしておきましょう。
機能訓練をして飲み込みを鍛える
誤嚥は飲み込む力や、噛む力が低下した際に起こると言われています。そのため、普段から飲み込む力、噛む力のリハビリをして鍛えることが大切になります。
言語聴覚士がお勧めですが、言語聴覚士を配置している施設は限られていますので、介護士による飲み込むのリハビリを実施していきましょう。
口腔体操と呼ばれるものです。これは食事前にすることによって口の中の筋肉を和らげることができますので、食事前に随時行っている施設も多いです。
また、口腔ケアをきちんとすることによって口腔内の雑菌を除去して、誤嚥しにくくできます。
施設を効率よく探すには?
誤嚥を防ぐためには食事中の見守りが必須です。また、食事にも配慮する必要があります。介護を家族が自宅ですべておこなうとなったら大変な負担があります。老人ホームを探してみようと思われた方はこちらから無料で相談することができます。プロが食事にこだわりがある老人ホームを紹介してくれます。スタッフの人員配置などもしっかり確認してくれるのでケアが手厚いかどうかなどもよくわかりますよ。
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