障害者総合支援法とは
記事公開日:2018/01/30、 最終更新日:2018/12/25
目次
障害者総合支援法とは
障害者総合支援法は2013年に成立した障害者に対してどのような支援を行なうのかについて定めた法律です。それまでは障害者自立支援法という法律に基づいて障害者支援が行なわれていましたが、障害者自立支援法には複数の問題点があることが指摘され、その問題点を修正するかたちで障害者総合支援法がつくられました。
障害者自立支援法との違い
障害者自立支援法ではサービス利用者に対して1割の自己負担額が設定され、収入が少ない障害者の中には収入よりも自己負担額の方が大きくなったり、お金が負担できないことで必要なサービスを利用できないなどの問題が生じました。障害者総合支援法ではこの点を改正し、利用者の収入に応じて自己負担額が設定されるようになりました。
また、障害者自立支援法ではなかった基本理念の追加や、サービスを受ける際に必要となる障害程度区分の判定基準が見直され、障害特性をより反映した法律となっています。
基本理念の中には、障害者の権利や、障害の有無によって分け隔てされることがない共生社会を目指すことについて記載され、障害者福祉の歴史に残る法律と言えるでしょう。
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自立支援給付と地域生活支援事業
障害者総合支援法によって提供されるサービスは大きく分けると自立支援給付と地域生活支援事業に分けられます。
自立支援給付では、デイサービスや訪問介護、療養介護などのサービスが利用できる他、各種相談支援や補装具の作成、自立支援医療などのサービスが利用できます。
地域生活支援事業では、成年後見制度の利用や日常生活用具の給付、移動支援などのサービスが利用できます。
平成30年には改正法案が施行される
障害者総合支援法は平成28年に改正され平成30年に新しく施行されます。新しい法律では障害者の1人暮らしをサポートするため、一定期間にわたって巡回訪問を行なうサービスや、一般企業に就職した障害者が職場に定着できるようにサポートするサービス、重度訪問介護を利用していた人が入院した場合、入院先でも同じヘルパーが利用できるサービスなどが導入されます。
この他にも障害児に対する支援の充実や補装具の貸与制度の追加、自治体による調査・審査の効率化などが導入されることとなっています。
障害者自立支援で老人ホームに入れるのか
障害者自立支援とは障害者のためのものでありますが、高齢者にも障害者の方も非常に多くいます。障害者の方は老人ホームに入所することができるのでしょうか?
障害者でも介護認定があれば入所することができる
答えとしては障害者の方でも老人ホームに入所することができます。介護の認定を受けていれば障害者施設だけではなく老人ホームに入ることができるのです。
反対に高齢者の方は障害者施設には入所することができません。障害者認定を受けていれば入ることができますが、障害者施設よりも高齢者施設の方が多いですので、自然と老人ホームに入る方が多いのです。
高齢になっても障害者施設に入れるのか
障害者が高齢になり、通常の障害以上に、加齢によって身体機能が低下して介護が必要になった場合は引き続き障害者施設へ入所することができるのでしょうか。
身体障害者手帳などに記載されている文言で「障害程度区分」で区分認定されれば障害者自立支援法上の施設で入所することができて、生活を送ることができます。
このように障害者施設で過ごすのか、老人ホームで過ごすのかはその方の認定具合によって変化するのです。
また、今後は障害者でも高齢者施設で賄うようになる傾向があり、障がい者の受け皿の小ささを介護保険の大きな受け皿で対応することになるかもしれませんので、今後はこういった対応も変わってくるかもしれません。
障害者自立支援法と介護保険は介護が優先される
同時に障害者認定と介護認定を受けた場合はどうなるのでしょうか?法律にはそれぞれ優先順位というものがあり、障害者と介護の場合は介護保険が優先されますので、同時に受けてそれぞれから認定を受けた場合は介護を優先しないといけません。
障害者施設では若い世代も多いですので、なかなかなじめないといった問題点もあるようですが、高齢者施設であれば自分と同じような年代が揃っているのでなじみやすいメリットもあります。
障害者自立支援法の問題点
以前まで障害者はサービスを使っても全額公費から出るようになっていましたが、現在の現状としては、サービス費の1割負担になっています。これは経済的にも障害者を自立させようという流れからこのようになっていますが、実際障害の重い方は働くこともできないので、サービス費用の捻出が非常に困難になっています。
そのため、サービス費用を捻出するために、家族の経済的な負担が増えたり、本人の年金がすべてサービス費用にまわったりなどの問題点があります。
障害者サービスの一元化
以前まで障害者のサービスは自治体によって値段なども違ってきましたが、今回は全国どこでも同じサービスを受けれるようにサービスの一元化が図られました。
しかし、これには非常に大きな問題点があります。それは自治体によって資金力などが違いますので一元化されたサービスに対応できない場合があるのです。
そのため、場所によっては満足にサービスが実施できていないというところもあります。
就労しているのが前提ともとらえられる
障害者自立支援法が成立されてから、利用料金が値上がりしてサービス利用料金が支払えない障害者が増えてきています。きちんと料金を徴収することができない事業所も増えてきたので、事業所の運営も不安定になる悪循環が起きています。
こういった法律は就労してある程度所得がある障害者でしか対応することができず、就労することができない障害者にとっては非常に困る法律になっています。
就労状態も法律によって企業が受け入れやすくなりましたが、実際は障害者の就労状況はほとんど変化がないといったように問題点が非常に多いです。
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