老人ホームの資金計画-入居までにかかる費用や予算見積もり
記事公開日:2019/02/05、 最終更新日:2022/08/18
老人ホームに入居して生活をしていく為には、様々な資金が必要になります。入居一時金などの初期費用、月額費用、介護保険料、医療費など、何にどのくらいお金がかかるのか把握することが大切です。
この記事では、老人ホームに入居する為に必要な資金の項目や、どの程度の費用が必要なのかを解説します。
手元にある資産や、年金収入などのバランスを考えて予算を見積もり、資金計画を立てましょう。
目次
始めに考えるべきこと
資産と収入
定期的な収入として、年金や利息、配当や家賃収入などを把握しましょう。
配当や家賃といった相場と連動する収入については、ある程度低めに見積もっておいた方が無難です。
例えば……
・有価証券の配当
・家賃収入
などです。
入居期間と健康状態
将来の資金計画をしっかりと立てるには、「入居期間がどれくらいになるか」「その間にどれくらいの資金が必要か」と、順序立てて考えていくことが必要です。
自立期間と要介護期間では必要な費用も変わってきます。介護期間が長くなるようなら、居宅サービスや訪問介護ではなく、介護サービスが提供される施設を選ぶ必要が出てくるでしょう。
自立
自力で日常生活を送ることができる状態
要支援
日常生活の一部に介助が必要な状態
要介護
日常生活の基本動作に介護が必要な状態
もし自立(介護認定なし)で施設入居を考えているのならば、何歳くらいで要介護期間に入るかなど、健康状態の変化も想定しておきましょう。
生命保険文化センターの調査では、80~84歳のおよそ三割の人は要支援・要介護と認定されています。また、平均的な介護期間「5年」を経てご逝去することを考え、その年齢から逆算して入居期間を想定します。
平均寿命や平均介護期間から老人ホームの入居年数を想定することができます。
厚労省資料「平成30年 簡易生命表の概況」によると、平均寿命は男性81.25歳、女性87.32歳のようです。あくまで平均ですが、入居にかかる費用は想定より少し多く見積もっておいた方が安心でしょう。
入居の際にかかる費用
入居一時金について
Q:老人ホームに入るのに入居一時金は必要になりますか?
A:入居一時金は施設によって大きく異なります。一時金が無料の施設もありますが、数十万円と必要になるところもあり、高いところでは数百万円~数億円とかかることもあります。
有料老人ホームやサービス付き高齢者向けに入居するとなると、ほとんどの場合入居一時金という資金が必要になります。入居する為のお金です。これはホームによって大きな差があり、安いところであれば数十万から数百万円、高いところですと数千万円から数億円となります。
しかも入居一時金は分割で支払うことが出来ず、一括で支払う必要がありますので注意しておきましょう。
生活用品の購入費用について
Q:生活用品の購入費用はどのくらい用意しておけばいい?
A:100万円以上は想定しておくべき
元気な方向けの老人ホームの場合は、家具などは備え付けられておらず自分で用意をする必要があります。家電や家具、生活用品など購入しなければいけませんのである程度まとまった資金が必要になりますので注意しておきましょう。
物にもよりますが、やはりすべてを揃えるとなると100万円以上は想定しておいた方が良いでしょう。
引っ越し費用について
Q:老人ホームへの引っ越しにはどれくらいお金がかかりますか?
A:荷物の量によりますが20万円~50万円ほど
家具や家電を新しく購入する必要がない、元々持っている家電や家具を使いたいという場合には引っ越しの費用が必要になります。
引っ越し費用については、人にもよりますが20万円~50万円ほどになることが多いです。
入居してから必要な資金計画について
老人ホーム利用料について
Q:老人ホーム利用料の相場は?
A:月々の利用料は施設によって大きく異なりますが、公的施設で月5万円から15万円、民間施設で15万円から30万円程度です。
老人ホームで生活をするということは老人ホームの利用料を月々支払う必要があります。管理費や月額介護費用などの固定費はもちろんですが、食費や光熱費なども月々いくらぐらいになるのか計算しておきましょう。
また、老人ホームによっては介護が必要になればまとまったお金を支払う必要があるところもありますので、入居前に確認をしておく必要があります。
公的施設で月5万円から15万円、民間施設で15万円から30万円程度とみていいでしょう。詳しい費用についてはウチシルベのお住まい相談員までお問い合わせください。
介護保険サービス費について
Q:介護保険サービスの自己負担額はいくらくらいかかりますか?
A:介護保険サービスは、1割~3割負担です。
負担割合は所得に応じて決まりますが基本的に1割負担で考えておいていいでしょう。例えば、デイサービスの利用合計料金が1万円だった場合、利用者が支払う金額は1000円となります。
この介護保険料負担割合は「合計所得金額」と「65歳以上の方の世帯人数」に応じて、1割、2割、3割のいずれかに設定され、所得に応じて毎年見直しが行われます。
サービス付き高齢者向け住宅などでも、最大限サービスを使った場合の金額で予め計算しておくと想定しやすいといえます。
その他の費用について
Q:その他かかる費用について教えてください。
A:主なものでおむつ代があり、3万円程度と考えておきましょう。
老人ホームで生活をするとその他の費用がどうしてもかかってきます。例えば、おむつ代です。介護度が高くなればおむつを使う頻度は増えることが多いですので、おむつ費用もある程度想定をしておく必要があります。おむつ代に関しては高い方でも月々3万円前後になることが多いです。
またレクリエーションの費用や、イベントの参加費用など細々としたものもかかってきますが、これは予想することが出来ませんし、金額的にもそこまで高くなりませんので計算外にしておいても良いでしょう。
医療費について
医療費については人によって全く違いますので、想定して考えても計算が難しいケースがあります。しかし、医療費関しては保険が適用になりますし、高額になったとしても還付がありますので、そこまで深刻に考える必要はないです。
もしどうしても心配な場合は、民間の保険に入っておくのも一つの手でしょう。保険に加入することによってもし医療が必要になった場合でも資金の負担が軽く済みます。
資金計画の例
自立・70歳・入居一時金ありのAさんの場合
自立、70歳で老人ホームに入居するAさんを例にとって費用を試算してみます。
■基本情報
入居時年齢:70歳、要介護認定:なし、想定入居期間:25年
■預貯金
総資産:1億円
(預貯金)5,000万円
(不動産)土地付き一戸建て 時価5,000万円
■入居後も得られる収入
25年間の総収入額:4,350万円
(年金)25万円/2ヶ月
(その他)個人年金:2万円/月
■料金プラン
「入居一時金:3,000万円 月額25万円」のプランで老人ホーム入居希望
※初期償却30%
※月額に管理費・食費込み
Aさんは90歳から要介護となり、95歳でご逝去すると仮定すると25年間施設で生活することになります。
25年間の施設暮らしに必要な金額は「入居一時金」と「月額費用」のほか、水道光熱費の支払い、そして自立期間なら交際費、通信費、交通費、外食代など自由に使えるお小遣いが必要です。
介護期間になると、外出頻度も減ることが予想され、お小遣いはそれほど必要ではなくなると仮定します。
その代わりに介護サービスの自己負担分の支払いや、おむつ代の追加、医療費の増額といった実費負担がかかります。自立期間の諸経費(お小遣い)と、介護期間にかかる月額実費負担分は、ほぼ同額で月10万円と考えておきましょう。
さらに万が一の予備費として500万円程度見積もっておくと安心です。
以上を踏まえた上でAさんの場合、トータルでかかる金額は、下記のようになります。
自立・70歳・入居一時金なしのBさんの場合
一方、同条件で入居一時金なしのプランで入居するBさんの費用もみてみましょう。
■基本情報
入居時年齢:70歳、要介護認定:なし、想定入居期間:25年
■預貯金
総資産:3,000万円
(預貯金)1,000万円
(不動産)マンション 時価2,000万円
■入居後も得られる収入
25年間の総収入額:9,000万円
(年金)60万円/2ヶ月
(その他)なし
■料金プラン
「入居一時金:なし(0円)月額45万円」のプランで老人ホーム入居希望
※月額に家賃・管理費・食費込み
25年間もの長期入居と考えると、Bさんの「入居一時金0円プラン」だと割高になるため、Aさんのように「入居一時金」を支払って入居した方がよいということがわかります。
Aさんの場合、入居前の総資産は1億円なので、持ち家を売却して入居一時金を作ります。
入居後の費用は持ち家売却の残りと、預貯金・個人年金でまかないます。
入居後の25年間に得られる収入は4,350万円のため、予備費500万円が必要になったとしても、単純計算であればそのまま施設暮らしが継続できそうです。
一方のBさんは、入居前の総資産が3,000万円で、入居後の25年間に得られる収入が9,000万円のため、合計すると1億2,000万円の資産となります。
その見通しで希望施設に入居すると、途中で生活が継続できないという予測が立ちます。
Bさんの場合は月額費用を抑えた施設を予め選ぶようにするか、自立の間はできるだけ自宅で過ごすようにして介護度が高くなってきてから施設入居を検討するのが良さそうだということがわかります。
資金計画を立てるのが難しい場合はプロに相談を
老人ホーム入居にかかるお金を予め試算しておけば入居後に困るということは防げそうです。
費用のこと以外にも老人ホームへの入居は予め考えておくべきことが非常に多くなります。入居を急いでいる場合にはこれらのことまで十分に考えが周らず、分に準備できない可能性が非常に高いです。
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