体験入居時のチェックポイント – 老人ホームの探し方
記事公開日:2019/02/05、 最終更新日:2019/02/06
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの老人ホームでは、入居前に体験していただく体験入居という制度を設けているところがほとんどです。
老人ホームへの入居は、入居一時金などの高いお金を支払うことや、生涯暮らす場所を決める重要なことになりますので、体験入居をして慎重に決めたいという人も多いです。
ここでは、体験入居の際に注意したいこと、メリットや料金などについて詳しく解説をしていきます。老人ホームを探している方、体験入居をしたいが不安に感じている方や、体験入居の必要性に疑問を感じている方は是非参考にしてください。
目次
体験入居時の持ち物について
体験入居をする場合、持ち物を用意する必要があります。場所によっては老人ホームが準備をしてくれるところもありますが、ほとんどの場合は自身で持ち物を準備します。どのような持ち物を持っていけば良いのでしょうか。
衣類について
宿泊日数にもよりますが、毎日着替えるとして日数分の衣類は必要になります。介護が必要な場合は失禁などで濡れることもありますので出来るだけ多めに準備をしておいた方が良いでしょう。
また、タオルなどについては老人ホームで準備をしてくれるケースもありますが、使い慣れたものの方が良いという方は自身で準備をするようにしましょう。
日用品について
テレビなどの家電は老人ホーム備え付けになっていることも多いですが、歯ブラシやクシ、男性であれば髭剃りなど個人で使用する家電や衛生用品は持っていく必要があります。基本的に衛生用品の共用はありませんので準備をしておきましょう。
その他の持ち物について
持ち物については老人ホームから指定される場合もあります。指定されているのであればそれを持っていき、自ら必要だと思うものは指定されていなくても持っていくようにします。
しかし、金銭などを持ち込むのは紛失などの恐れもありますので、出来るだけ持っていかないようにした方が良いといえます。
名前の記載は忘れずに
老人ホームは自宅と違って共同生活になります。そのため、名前を書いておきませんと他の方と荷物が混じってしまって紛失の可能性があります。日用品であればそのままマジックなどで記入、衣類はタグに記入、書けない場合は糸で縫って名前をつけておくなど工夫が必要になります。
事前持ち込みが可能かどうか
これは老人ホームによって対応が異なりますが、荷物が多い場合、事前に郵送で送っておくなどの方法もあります。事前に老人ホームに持ち込んでも良いのか、送ってもいいのか確認しておきましょう。事前持ち込みが可能であれば当日は身軽に行くことができます。
体験入居をするメリット
結論から言うと体験入居は必ずしておいた方が良いといえます。パンフレットなどで老人ホームの情報は書いていますが、実際に入居してみると、パンフレットには書かれていないようなことを経験することができます。想像よりも良いことを経験するかもしれませんし、場合によっては悪いことをを経験する可能性もありますが、大切なことは良いところも悪いところも知ったうえで入居するということです。
「こんなはずじゃなかった」と思わない為にも知っておくことは必要であり、その為には体験入居は必須です。それでは、体験入居にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
パンフレットに書かれていないことを知れる
パンフレットは主に設備のことや、職員の体制などを書いていますが、職員の対応については書かれていないでしょう。これは体験入居をしないと分からない部分であり、実際介護を受けて初めてわかることです。介護が必要でない場合でも職員の接遇について知ることもできます。すれ違う職員が気持ちよく挨拶をしてくれるところもあれば、こちらから挨拶をしても返事が暗いという場合もあります。
入居をすれば職員とは毎日関わるようになりますので、職員の対応などについて知れるのはメリットであるといえます。
また、食事についても食事内容についてはパンフレットにある程度記載されているかと思いますが、食事の量や味などについては記載されていないでしょう。味付けが濃いのか薄いのか、量が多いのか少ないのかなども体験入居をすれば知ることが出来ます。
心の準備が出来る
老人ホームに入居するということは、心構えが必要になります。特に身体状態や家族の事情によってやむ得ず入居する場合は、自ら率先して入るだけではありませんので、気分的にもしんどい部分でしょう。
体験入居をすることによって心の事前準備が出来ますので、それだけでもメリットは大きいかといえます。明日から急に老人ホームで生活をする、急激な環境変化は精神的にも肉体的にも負担が大きいですので注意しましょう。
職員と顔合わせが出来る
介護が必要な方であれば、介護スタッフがどんな人がいるのか確認しておくことも大切です。女性が多いのか、男性が多いのか、若い方が多いのかなどを知ることが出来ます。
また、対応についても丁寧なのか荒っぽいのか実際身を持って体験が出来ます。
職員との相性もありますので関わってどうだったのかなど、体験入居をしないとわからないことはたくさんあります。
体験入居にかかる料金、日数について
体験といっても実際に生活をして、介護が必要であれば介護サービスを受けたり、食事を提供してもらったりしますので、料金について気になっている方もいます。体験利用をする為の料金とはどのようなものがあるのでしょうか。
老人ホームによっても料金は様々
体験時の利用料金は、介護保険は関係ありませんので老人ホームが自由に決めれます。そのため、無料で提供しているところもあれば、料金を取っているところもあり様々です。傾向としては高額な老人ホーム程体験時の料金も高い傾向にあります。
1泊2万円のところもありますし、7泊で10万円のところもあります。入居金が安いところであれば、食事代だけ請求するところもあり、1泊2000円という低料金で利用できるところもあります。
体験利用日数について
体験利用は長い所でも1週間です。短い所でしたら1日や3日間というところもあり、これも老人ホームによって様々だということが分かります。ポイントとしては出来るだけ長い期間体験をした方が良いということです。「7日体験利用が出来るが1日だけ利用できればわかるから、1日だけ利用します」といって短い期間で体験を終わらす方もいますが、これはあまりお勧めできません。
やはり短い期間よりも長い期間の方が見れる部分も多いからです。
料金の支払い方法について
ほとんどの老人ホームの場合は体験入居開始時に、料金を現金や振り込みで支払ってもらうところが多いです。しかし、中には体験利用終了後に支払うところや、現金払いのみの対応のところもありますので、事前に確認をしておいた方が良いです。
利用途中で帰りたい場合は
何らかのトラブルがあって利用途中で帰りたい場合、自宅に帰宅する方法について事前に確認をしておいた方が良いでしょう。
事前に予定していた帰宅日数よりも早く帰ることになりますので、老人ホームによっては車の手配が出来ない、送りが出来ないということになってしまう可能性があります。
そういったことにならないように事前確認が必要になります。場合によっては自分でタクシーや介護タクシーなどを手配しなければいけませんので注意しておきましょう。
また、滅多にありませんが、老人ホーム側の違反(虐待など)があった場合は、通報するところ、例えば役所の介護指導課などに連絡をして対応してもらうことも必要になってきます。
体験入居後の対応について
体験入居が終われば入居をするのか辞めるのか選択をしなければなりません。
体験入居後の対応はどのようにしていけばよいのでしょうか。
入居をする場合
体験後入居をすることになれば、まず一旦自宅に帰る必要があるのかどうか確認をしておきましょう。自宅に帰る必要があるのであれば荷物を持って帰ったりしなければいけませので、労力が必要になります。しかし、そのまま入居することが出来れば手間がかかりませんので、まずは確認をしておきましょう。
入居となりますと契約をしなければいけませんので、その辺りのスケジュールについても老人ホーム側と調整をしておくようにしましょう。
体験入居後断れるのか
良くある質問として「体験入居後断っても良いのかどうか」ということです。体験時良くしてもらったのに断るのは悪いと思いがちですが、実際は断っても何も支障はありません。
老人ホームとしても断られる可能性があるという前提の体験入居ですので、入居しないのであればハッキリと断っておくことが大切になります。
老人ホームによっては入居を勧めてくる可能性もありますが、あまりにもしつこい場合はこちらの意思を尊重してくれない=もし入居をしても老人ホーム側の都合を押し付けられる可能性があります。やはり入居しない方が良いでしょう。
上手に断る方法
ハッキリと断る必要があるとしても、なかなか言い出しにくいというケースもあります。今までお世話になった分、ハッキリとは言えないという場合です。そんな時は、「今はまだ早いと思うので、一旦自宅に帰って考えたい」「〇〇の部分だけがどうしても納得できなかった」「家族の都合が変わって、自宅で生活できるようになった」などというように、相手側も納得できる理由を並べて伝えることも必要になります。
「まだ入居には早い」ということで断る方が多く、老人ホーム側としても将来入ってくれる方として認識し、関係は良好に保たれるようです。
体験入居時のポイントまとめ
体験入居には様々な注意点、見ておきたいポイント、メリットがあります。
上手に体験利用を利用して、出来るだけ納得した上で入居をするようにしましょう。入居するのか分からない状態でも、とりあえず体験入居をして老人ホームはどのようなものなのか、肌で感じておくことも必要であるといえます。
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