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民生委員とは。どんな仕事をしているかご存知ですか?

記事公開日:2020/10/23、 最終更新日:2020/10/14


民生委員・児童委員

各地域で活動されている民生委員に相談してみたいなと思ったことはありませんか?声をかけることを躊躇してしまうのは「こんな相談をしても大丈夫?」という声からではないでしょうか。相談内容が民生委員の活動と見合うのかが分かるように民生委員の仕事を紹介します。相談相手として迷われている方は是非ご覧下さい。

 

介護をしていると、高齢者と向き合い続けることで疲れてしまうことがあります。

高齢者と向き合っていると、
「プライベートに関わるお話だけど、誰かに相談したい。」
「高齢者の見守りをしてくれる人は居ないかな?」
「四六時中は見守っていられない。普段の様子が知りたい。」
「ほかの人が関わるなら、穏やかな一面やしっかりした一面がみられるのでは?」
など、プライベートな一面を合わせ持つ介護だからこその悩みが出てきます。

そんなときに相談相手として民生委員が、ふと浮かぶ方も居るのではないでしょうか?

そこで本記事では、介護の悩みを民生委員へ相談することに躊躇してしまう方が相談相手の一つとなりえると感じられるように、民生委員について実際のお仕事までをご紹介します。

民生委員・児童委員とは?

民生委員

民生委員は、地域における身近な相談相手です。
地域住民と同じ立場で話を聞き、必要に応じた福祉サービスや育児支援サービスなどの相談と助言とをし、適切な関係機関との繋がりとなる役割を担っています。

身分としては、厚生労働大臣から民生委員法に基づいて仕事を任せられている非常勤の地方公務員という扱いです。
同時に児童福祉法に基づいた児童委員でもあるため、民生委員・児童委員(以下より民生委員と記載します)なのです。

民生委員は全国で約23万人が活動していますが、その内の約2万1千人は主任児童委員として活動しています。
主任児童委員は、地域の子どものいる世帯を中心に子育てに関連した支援を専門に行う役割を担っています。

民生委員・児童委員の選任の流れは?

民生委員の選任の流れは、
1. 町会や自治会での推薦や公募による募集による候補者の選出
2. 市町村の民生委員推薦会の実施、都道府県知事への推薦
3. 地方社会福祉審議会の意見を聴いて都道府県知事から厚生労働大臣への推薦
4. 厚生労働大臣が民生委員・児童委員を委嘱
と、4段階にわたって検討がされており慎重と言えます。

民生委員として市町村から推薦される方は、社会福祉に対する理解と熱意があり、地域の実情に精通したものとされています。

具体的に候補者に上がる方としては、公募へ応募された方はもちろん、自治会長の経験がある方、役所での勤務経験がある方(例としては、地域での保健師経験がある方)などがみられます。

民生委員・児童委員はどんな仕事をしている?

民生委員・児童委員

民生委員の任期は3年です。(再任は可能です)
民生委員は市町村の地域ごとに設置されている「民生委員児童委員協議会」(以下、民児協と記載します)へ所属したうえで活動しています。

活動は報酬がなくボランティア活動です。
活動の分類としては、以下の七つがあります。
1) 「社会調査」では、民生委員が担当する地域住民の実態を把握します。
2) 「相談」では、民生委員が地域住民の課題を傾聴し相談相手となります。
3) 「情報提供」では、必要な福祉に関する情報を適切に提供します。
4) 「連絡通報」では、相談者の相談ごとを関係機関へ代弁し対応を求めます。
5) 「調整」では、相談者と関係機関との関係が円滑になるように支援します。
6) 「生活支援」では、地域住民の生活における課題へ必要に応じて直接支援します。
7) 「意見具申」では、活動での問題点や改善策を民児協から関係機関へ意見します。
(参考元:児童委員・民生委員活動の7つのはたらき|全国民生委員児童委員連合会)

これらの活動を無報酬で行っていることには感謝せざるを得ません。

 

民生委員は多数の仕事をどのように行っているのでしょうか?
ここからは、民生委員の仕事をより具体的に七つの活動に沿ってみていきます。

社会調査

社会調査の活動は、民生委員が担当する地域住民の実態を把握することです。

具体的には、
 一人暮らしをしている高齢者への自宅訪問
 安否確認での自宅訪問
 配食サービスの協力、声かけ
などが挙げられます。

近隣住民の間で心配な方のお話があると、民生委員が心配の相談をするために自宅へ訪問することはよく見受けられます。

相談

相談の活動は、民生委員が地域住民の課題を傾聴し相談相手となることです。

高齢者を取り巻く家族構成や想いも様々です。
高齢者本人の想いと、家族の想いがすれ違っていることがあります。

高齢者「自宅で過ごしたい」

家族「仕事と介護とで心も身体も苦しい」

その両者の想いをゆっくりと傾聴する姿勢は民生委員だからこそと言えます。

相談者が想いを話しているうちに落ち着き、冷静に考えられるようになることはよくみられます。
民生委員は、適切な支援を受けられるために思考を整理し、行動を取るきっかけを与えているのです。

情報提供

情報提供の活動は、必要な福祉に関する情報を適切に提供することです。

「介護保険制度について知らない。」
「介護サービスが分からない。」
「どこに相談すると介護サービスを受けられるようになるかが分からない。」
「大きい傷ができても大丈夫。身体は治るもの。」

これらの状況はよくみられます。

これらの課題へほんの少しだけ触れることで行動が変わることがあります。
「デイサービスがある」という情報だけ、「大丈夫?」と少し身体の心配をしてもらうだけで言葉への印象が徐々に変わり、介護保険制度の利用、病院受診などの行動へ前向きになるのです。

地域を見守る民生委員だからこそ、地域住民の特性を理解したうえで、必要な情報を高齢者の性格に合わせて日頃から声をかけています。

 

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