認知症の診断を受けてみよう
記事公開日:2015/07/08、 最終更新日:2019/03/25
親や祖父母など周りの人が認知症ではないかと思い始めたらすぐに医師の診断を受けることをおすすめします。
認知症といっても様々なタイプの病気、症状があります。医師の診断がないとそれらが見分けられません。
そして症状が具体的にわかれば周りの人もどのような対応をすればいいのか、どんな治療をしていけばいいのかがわかります。
目次
診断の際には
診断の際にはご本人に一番身近な方が付き添いをすることをおすすめします。普段の本人の様子をお医者さんは知りたいからです。ですから、付き添う家族のお話が診断にとても役立ちます。診断に行く前に普段の生活でおかしいなと思ったことなどを整理してメモに書いておくといいでしょう。
例えば、物忘れはどの程度か。生活に支障を来す程度か。
最初の異変はいつ出てきたのか。
半年の間に症状が悪化したか。
これまで病気をしたことがあるか。
といったことに留意して書き留めておくといいでしょう。
何科に行けばいいの?
認知症を診断してくれるのは神経内科や精神科、心療内科、脳外科などがあります。
その中から診断してもらう先生を選んでもいいでしょう。
しかし、もしも顔なじみで信頼ができる先生がいるのでしたらそちらに行ってもいいでしょう。かかりつけの先生に相談すれば精神科を紹介してもらえます。
また、もし病院にいって受診するのを嫌がるようでしたら『もの忘れ外来』に行ってみることもおすすめします。
もの忘れ外来で精密検査をお願いすることができます。MRIやCTスキャンなどで脳の変化を見ることができるのでより正確に認知症の進行や症状をチェックすることができるのです。
こんな検査も
精密検査のほか、口頭での質問に回答する検査方法もあります。長谷川式認知症スケール検査が特に有名です。
進行度合いをはかるために定期的にこのような検査は行われます。
ただし、あまり頻繁にはこういったテストは行われません。なぜなら病院に行くたびにテストをしていると本人が傷ついてしまう可能性があるからです。
セカンドオピニオン
主治医の診断結果がもしも納得いかないようでしたらセカンドオピニオンを受けてみることをおすすめします。
セカンドオピニオンは複数の医師の意見を聞くことです。主治医に失礼に当たるのではないかと不安に思う方もいるかもしれませんが、最近はこのようなインフォームドコンセントの考え方をしている医師も多いです。複数の医師から診断を受けることも普通のことになってきています。医師によって診断結果が治療方法が異なることもあります。誤診を避けるためにもセカンドオピニオンはとても大切なことなのです。
認知症でないのに認知症と診断されることがあります
認知症ではないのに認知症と診断されてしまうことがあります。去年一年間で全国約3500人もの人が認知症じゃないのに認知症と診断されたということがわかりました。
このように誤診されると間違った薬を処方され、副作用で深刻な影響が身体に現れることもあります。
認知症と誤診されやすい症状
認知症には様々な症状があるため、あるひとつの症状から判断して認知症と診断してしまうケースが多いです。再度診断したり、他の医師に相談した結果、別の病気として診断されることがあります。
認知症と間違ったケースで正しい病名として最も多かったのが「うつ病」で26%。次に多いのが手術後に意識が朦朧とする「せん妄」で23%。持病の薬を飲んでいてその副作用のためにもの忘れが出ていたケースが14%という調査結果でした。中には正常と判断された人もいたようです。
このような誤診で認知症の薬を服薬した結果、食欲が低下したり、怒りっぽくなったりした人がいたそうです。
誤診を防ぐには
現在認知症の高齢者は462万人いるとされています。高齢社会で認知症の患者はさらに急増しています。医師としても認知症の患者が多いためにこのように似た症状が出ている人を認知症と誤診してしまうのかもしれません。
こうした誤診を防ぐためには認知症の専門医に相談することはもちろんですが、単なるもの忘れかもしれないので最初にもの忘れ外来を訪ねてみるのもいいかもしれません。
また、信頼できる医師と出会うためにはきちんと問診してくれる人を選ぶようにしましょう。一回の短時間の問診では認知症であると判断できません。認知症は診断が非常に難しい病気です。短い問診で薬を処方された場合には要注意して別の医師にも相談してみましょう。
認知症ではなく治る病気の場合も
認知症は治らない病気と言われています。しかし、認知症と紛らわしい病気は完治するものがあります。うつ病も深刻になる前に早期に治療すれば快方に向かいます。
とある男性はもの忘れが目立つようになったため病院に行ったところ、アルツハイマー認知症と診断され、薬を処方されました。しかし、薬を飲んだところ、イライラしたり興奮したり、家族に対して強い口調であたるようになってしまったそうです。おかしいと思い、認知症の専門医に受診したところ、うつ病と診断されたということです。
この専門医は問診だけではなく、脳の画像の検査や認知機能のテスト、本人だけでなく家族にも生活の様子などを聞き取りしました。その上で認知症ではなくうつ病だと診断したということです。
このように認知症の診断は問診と検査の両方を行い、総合的に判断するべきなのです。
認知症診断の流れ
まず、認知症だと疑われる人に対して行われるのは医師の診察や問診です。普段の様子について本人だけでなく、家族にも問診が行われます。そこで認知症が疑われた場合、長谷川式簡易知能評価スケールなどの認知症を検査する簡単なテストを受けます。それと共に血液検査や画像診断などの検査が行われ、総合的に認知症かどうかが判断されます。
では、認知症と診断するためにどのような検査が行われるか詳しく見てみましょう。血液検査では、血糖値やコレステロール値など測定します。これは、血糖値やコレステロール値が高いと認知症の発症リスクが高いと言われているからです。
また画像診断では、CTやMRIなどの脳そのものの状態を検査し、認知症の原因を特定します。CTやMRIでは、脳血管性の認知症や正常圧水頭症など原因となる疾患が見つかり、これを治療することで認知症が改善することもあります。更に詳しく脳の状態を調べるためにSPECT(スペクト)検査を実施している病院もあります。SPECT検査とは、脳の血流の状態を調べる検査で、局所的な脳の機能低下を知ることができます。SPECT検査の結果は、アルツハイマー型の認知症などの診断を行う上で重要な所見となります。
認知症と診断する上でもう1つ行われる重要な検査はMMSE簡易認知機能テストや長谷川式簡易知能評価スケールなどの机上でのテストです。これらのテストの正答率により認知症がどの程度進行しているか、どのような障害が現れているのかを判断します。
認知症の診断は総合的に行われる
認知症は、他の病気と異なり、画像診断や血液検査のみの結果だけでは診断することができません。CTやMRIなどの所見がほとんどなくても認知症の症状が現れることもあり、沢山の検査結果を総合的に判断して認知症かどうか診断されます。最も重視されるのは、本人や家族の問診です。そのため、気になることがあれば主治医に話すことはとても重要です。特にMCIと呼ばれる軽度認知障害にある人は、受診時に症状が確認できないこともあるので、普段気になることをメモに書き留めておくと良いでしょう。
今回見てきたように、認知症は、血液検査や画像診断など多くの検査によって診断されます。しかし、血液検査や画像診断では問題が見られないこともあり、認知症と診断するのは容易ではありません。診断の際は家族からの問診が非常に大切になります。診察を受ける際は本人の普段の様子を良く知っている家族が必ず同行するようにして下さい。
施設を効率よく探すには?
認知症の診断を受けたらそろそろ老人ホームを探し始める必要があります。老人ホーム探しはこちらから無料で相談してみましょう。症状が重たくなる前に行動に出ることが大切です。家族や周りの負担が大きくなる前に老人ホーム探しを始めましょう。
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