サ付き住宅が高齢社会を救う!?
記事公開日:2015/07/15、 最終更新日:2019/03/27
日本では高齢社会を迎え、これから超高齢化社会となっていくなかで、問題視されているのが高齢者のための住まいの確保と医療や福祉サービスの不足です。
そういった問題を解決するための対策として国土交通省が掲げている対策がサ付き住宅の登録制度です。
サ付き住宅とはサービス付き高齢者向け住宅の略です。賃貸住宅をサ付き住宅として登録することで補助金や助成金を受けられる制度でサ付き住宅の建設を推進しています。
この政策でサ付き住宅は日本各地にどんどん増えていっています。サ付き住宅によって様々な問題を解決できると予想されています。
例えば医療施設や福祉施設の入居待ち問題です。
病院のベッドは慢性的に不足しています。医療を必要としている人も自宅で生活しながら訪問看護や医療を受けられるようにすれば病院のベッドは緊急時の患者さんやどうしても他に行き場のない人に行き渡ります。
特養などの老人ホームも入居待ちが非常に多いです。介護度が高い人や身寄りがない人など緊急度の高い人から入居していきますのでそれ以外の人は何年待ってもなかなか特養に入ることができません。
そういった人の受け皿としてサ付き住宅が活用されます。比較的安い料金で入居できる施設も多いため、特養に入りたくても入れない人がサ付きに流れてくることが最近は増えています。
個人の抱える問題も解消
サ付き住宅の建設推奨が国の抱える様々な問題を解消できる政策だと紹介しましたが、個人が抱える問題解決としても役立つのではないかと考えられます。
例えば、孤独死や独居老人の問題です。
身寄りがないお年寄りや、配偶者と死別したなどの理由で一人暮らしをしている高齢者はうつ病になったり、誰にも看取られずに孤独死するケースがあります。近所づきあいがなくなった現代社会ではなにか困ったことがあっても近所の人に助けを求めることが難しくなっています。また、なにか異変があっても近所の目が届きにくく、気づいてもらえません。
しかし、サ付き住宅のような施設に入所していれば周りも自分のような高齢者です。共有スペースなどで顔を合わせて顔なじみができますし、話し相手もできます。困ったことがあればスタッフに助けを求めることが可能です。緊急時にもナースコールで連絡をとれるので安心して生活できます。
このように高齢者自身のニーズにも合わせたサ付き住宅が多数存在します。
サ付き住宅は登録のための要件をクリアしていればあとは事業所ごとに特色を打ち出して運営することが可能です。
ですから、自分の希望にあった施設を見つけることができます。費用が安いところもあれば医療ケアを充実させているところもあります。富裕層向けの高級物件も存在します。
老後のライフスタイルが多様化しているのに合わせてサ付き住宅も多種多様になっているのです。
サ付き住宅の選び方について
介護保険制度が改正され、所得によっては介護利用の自己負担額が2割と引き上げされました。
今後もどうなるかわからない介護保険制度。住まいに関しても賢く選ぶようにしたいですね。
月々の負担が8割程度で入所できる特養は非常に魅力的ですが、こちらも今回の改正にともなって要介護度が3以上でないと入所できなくなりました。
また、さらに緊急度が高い人から順番に入所することになっていますので入りたくても入れるとは限りません。
現状で特養の空きを待っている高齢者は全国に約50万人いると言われています。
どうしても特養に入りたいのであれば一度その施設が行っているデイサービスやショートステイを利用してみるのもひとつの手です。顔を覚えてもらって人柄が施設にあっていると判断されれば比較的早く入所できる可能性もあります。
要介護度が軽度であれば
要介護度が3以下の方や要支援の方の場合には有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、通称サ付きなどを選ぶのがおすすめです。
有料老人ホームは費用が高めに設定されていることが多いです。中には高級ホテルのような設備となっている施設もあります。予算に余裕がある人や将来的に要介護度が高くなる可能性がある方などはこういった施設を選ぶことをおすすめします。
自立しているけど生活に不安もあるという場合にはサ付き住宅がおすすめです。介護や生活に必要なことを手伝ってくれるスタッフが常駐しているので困ったことがあった場合にも安心です。バリアフリー対応なので車いすでも生活できます。自宅をリフォームする予算よりも引っ越しのほうが安いという場合にはサ付きを考えてみるのがおすすめです。
サ付きの中でも特定施設という認定を受けていれば食事や入浴、トイレといった介護を一日数百円の定額費用で受けることが可能です。
ただし、特定施設でなければ介護や医療といった機能面は基本的には弱いものと理解しておきましょう。自立の方向けの施設が中心です。
サ付きには問題点も
サ高住が増えている一方で問題点もいくつか発生しています。
土地代が安く、サ高住が次々と建設されることで、市内での競争が激しくなっているのです。
集客をアップするために、サ高住はそれぞれカラオケルームなどの娯楽施設を充実させるなどの差異化をはかっています。
厚生労働省が行った調査によると不必要なサービスを押し付けたり、自社の介護サービスの利用を強制して囲い込みをするなどの運営を行っているサ高住もあるそうです。
厚生労働省としては指針を新たにし、サ高住に対しても指導を行うようになりました。食事や介護サービスなど、有料老人ホームと同じようなサービスを提供するように指導を厳しくしているのです。
サ高住が全国で一番多い札幌市でもこれにあわせて指導や監視を強化していくことを今月1日から明らかにしています。囲い込みの禁止も明文化されたとのことです。
サ高住が増えているけど
全国でサ高住が今後も増え続け、高齢社会の受け皿となることを期待されています。
しかし、課題もまだたくさんあります。
あるアクティブシニアを対象としたアンケートではサ高住のことを知っているという人は71.2%存在していました。そしてそのうち、住みたいと回答したのは20.4%。住みたくないと回答した人は25.1%でそれ以外は詳しくは知らないと回答しました。
住みたくないと回答した人がここまで多いというのは今後サ高住に高齢者を呼びこむ上での課題になってくると言えます。今は元気だから介護の必要がないと思っている人もいるでしょうし、住みたくても住めないという経済的、過程的な事情を抱えている高齢者も多いのかもしれません。
見学に行って確かめる
気になる施設がいくつかピックアップできたら実際に見学に行ったり、体験入所してみることをおすすめします。
特に認知症がある方は環境が変わることに不安を覚えてストレスになります。問題行動に繋がるケースもあるので慎重に行う必要があります。
実際に見学することで部屋の広さや使い勝手なども確かめることができます。また、施設内の雰囲気やスタッフの人柄、利用者たちの表情などからもその施設のサービスの良さや住み心地がわかってきます。
食事や周辺の環境、アクセスの良さなども施設を決めるポイントになります。
一度契約してから取りやめしたい場合にはクーリングオフを利用することも可能です。ただし、入居一時金が全額返ってくるとは限らないので施設選びは慎重に、じっくり考えることをおすすめします。
施設を効率よく探すには?
高齢者住宅をニーズに合わせて紹介可能です。高齢者住宅への入居を考えている方はこちらから無料で相談してみましょう。自立で介護が必要ない方や今後介護が必要になっても住める場所を希望しているという方もまずは相談してみましょう。
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