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高齢者の口腔ケアについて

記事公開日:2015/08/10、 最終更新日:2019/02/20


高齢者の口腔ケアについて

要介護高齢者の口腔ケアについて

高齢者がいつまでも元気でいるために適切な口腔ケアはとても重要です。口の健康を保つことで食生活の充実に繋がり、健康的な身体を保つことにもなっていきます。

また、よく噛んで食べることで脳の血流も増えて脳神経細胞の働きが活発になるため、認知症の予防にもなると考えられています。

 

口腔ケアとは

口腔ケアには「清掃を中心としたケア」と「機能訓練を中心としたケア」の二種類があります。

清掃を中心としたケアは虫歯を予防したりといった目的のために行うもので、年齢問わず誰もが行っているケアです。機能訓練を中心としたケアは高齢者の口腔機能を意地、向上することを目的としたものです。

口腔内は非常にデリケートですから、ケアする人は注意する必要があります。特に認知機能が低下している人に対しては無理強いさせずに気持ちよさを優先させる必要があります。

ただし、嫌がるからといって口腔ケアを怠ると悪循環に陥る可能性もあります。

もし自分でのケアが難しいとなった場合には歯科医師や歯科衛生士に相談しましょう。

訪問歯科を行っている歯科医もいますので介護が必要な人に対しても口腔ケアを行うことができます。

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口腔ケアの際には口腔内の環境をチェックします。

特に痛みの原因となる口内炎やかけた歯、歯肉炎などがあるとケアを避けたがるかもしれません。それらの有無をチェックしましょう。

そして、ケアの際の介助は最小限に留めるようにするのがポイントです。介護にとって重要なのは本人のできることや残っている能力を活かすことです。自助具や清掃具を活用しつつ、自分で歯磨きなどをしてもらうようにしましょう。

ただし、仕上げは介護者が手伝うようにしましょう。

 

また、誤嚥にも注意する必要があります。

寝たきり状態で嚥下機能が低下していると水分が気管に入ってしまうことがあります。

顔を横に向けて枕をつかって下顎をひき、水分が気管に入らないようにします。

また、水分の使用はなるべく避け、すぐにふきとれるように綿棒や脱脂綿等を近くにおいておくといいでしょう。

麻痺がある方の場合には麻痺した側を上にします。

 

口の中の乾燥にも注意

口から食事を摂取できなくて唾液の分泌が少なくなっている方や薬を飲んでの副作用で口腔内が乾燥している方がいます。口の中の水分がすくなくなっていると口腔内は不潔になり、感染しやすくなります。

唾液の分泌を促すための機能訓練やマッサージがありますのでこうしたメニューで口腔ケアを行う必要があります。

 

老人ホームにおける口腔ケア

高齢者にとって口腔ケアは健康を保つために大変重要なものになります。口腔内の炎症から心疾患などのさまざま病気を引き起こすともいわれています。口腔ケアとはどういったものなのでしょうか。

高齢者の口腔ケアの重要性

認知症の方や身体の状態により、歯磨きや入れ歯の手入れが難しくなり口腔内を清潔に保つことができなくなります。食べ物の残りが気管に入ってしまうと誤嚥性肺炎を引き起こしてしまいます。

口腔内の状態が悪ければ食べ物をしっかりと噛むことができず、食事を摂ることも難しくなってしまいます。高齢者はだ液が出にくくなり乾燥しやすくなります。口の中が乾燥すると食べ物の飲み込みも悪くなりますし、インフルエンザなどのウイルスにも感染しやすくなります。健康でいるためにも口腔ケアはとても重要になります。

清潔に保つための口腔ケア

自分で歯磨きや入れ歯の手入れが出来る方には、声掛けして必要な物を揃えるなど最小限の介助にします。自分でする事で心身機能の活性化にもつながり、日常生活にめりはりをつけることもできます。認知症の方や嫌がる方には無理強いはせずに声掛けなどを工夫してみましょう。ひとつひとつの動作をわかりやすく声掛けする事も必要です。介護者は食事や歯磨きの際に、噛むことができているか、むせていないか、飲み込みは悪くないか、口腔内にトラブルがないかなどをよく観察することも重要になります。

寝たきりの方は誤嚥しないように姿勢を整えて安全に行う必要があります。口を開けてもらえないなど難しいこともありますが、口腔内が乾燥しやすく汚れも付きやすいため口腔ケアは大切になります。方法を相談するなどして継続して行う必要があります。

 
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口腔機能を上げるための口腔ケア

高齢者の誤嚥性肺炎は大変多くなっています。口腔内を清潔に保つと同時に、口腔機能の低下を防ぎます。嚥下体操を行い頬や口などの顔の筋肉を動かして、飲み込みをよくすることで誤嚥を予防します。だ液腺のマッサージを行うことで唾液が出やすくなります。

 

パタカラ体操は「パ」「タ」「カ」「ラ」と発声することで舌の動きをよくします。これらを食事の前に行うのが効果的になります。毎日継続することが大事ですので、楽しくコミュニケーションをとりながら行いましょう。

高齢者の口腔ケアを上手に行うポイント

口腔ケアは介護の中でも重要な介護です。適切に行わないと口腔内の汚れが取れない恐れもありますし、口腔内に傷をつけてしまう可能性がありますので、適切に行うポイントを押さえて実施するようにしましょう。

 

①適切な用具を使用しましょう

歯がある場合は歯ブラシを用いて行いますが、歯ブラシはできるだけ柔らかいものにしておきましょう。高齢者の歯茎などの口腔内は傷がつきやすいので、健常者が使う硬めの歯ブラシなどは使用しないでおきましょう。

また、歯がない人に対しては綿棒の棒の先にスポンジがついた口腔内の汚れを除去するものがありますので、優しく口腔内を滑らすようにして使うようにしましょう。

義歯の場合は磨くだけでは汚れが落ちない可能性がありますので、義歯用の洗浄剤などを使って汚れを除去するようにしましょう。

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②義歯を取る際のポイント

高齢者によっては自分で義歯を取ることが難しい人もいます、その際は介護者が義歯を取りますが、これがなかなか難しく取れにくい、取れないことがあります。

また、無理に取ろうとすると義歯を壊してしまったり、口腔内を傷つける可能性もありますので注意しましょう。

取る際のポイントとしては、まず奥歯の方に指を入れるようにしましょう。奥歯から義歯に指をかけて、ゆっくりとゆっくりと手前に引いていくと取れやすいです。

部分入れ歯の場合は、清潔なタオルなどを歯の間に挟むと取れやすいです。

指を噛まれないようにも注意しましょう。高齢者の噛む力は意外と強いですので、噛まれたら怪我をする恐れがあります。

 

③食後すぐに口腔ケアは適切でない

介護施設などでは食後すぐに口腔ケアを行うところもありますが、これは適切でないと言えます。食後の口の中は食物の酸によって不安定な状態、エナメル質が柔らかくなって歯が傷つきやすい状態です。できるだけ食後は30分ほどの時間を空けて歯磨きを行うようにしましょう。

寝たきりの方を口腔ケアするポイント

 

口の中にはたくさん細菌が生息しています。体の入り口である口腔内の細菌をそのままにしておくと歯周病や誤嚥性肺炎、食道炎などさまざまな病気を発症させる危険性があります。健常者は日中会話をしたり口を動かす事で唾液の分泌を促し口腔内の細菌を洗い流す浄化作用を持っていますがそれに対し寝たきりの方は口の動きや唾液の分泌量も少ないので不潔になりやすく健常者に比べ抵抗力もないためこれらの細菌により大きな病気を引き起こしやすいと言えます。このようなことから寝たきりの方の口腔ケアは心身の健康を維持していく上でもとても重要なものと言えます。

 

①誤嚥に注意する

寝たきりの方で嚥下機能の低下している人に対しては誤嚥に注意してください。体を少し起こす 顔を横に向ける 枕を使って顎を引くなどして 水分の使用をできるだけ控える工夫をします。自分でうがいのできない人に対しては綿棒や脱脂綿などを使用したり、バキュームなどの吸引装置を利用することでとても効率よく作業することができます。

②掃除器具の工夫

口腔内はとてもデリケートで薄い粘膜や歯ぐきなどは傷つきやすいので掃除器具にも工夫が必要です。歯や義歯をブラッシングしてきれいにする歯ブラシに加えスワブ(綿棒)や舌ブラシなどを用いて口腔内を傷つけないよう注意します。歯ブラシのヘッドの大きさもさまざまで、毛の硬さもとても柔らかいものから硬いものまで多種多様に揃っていますので掃除する箇所により使い分けていく工夫が必要です。

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③QOLの向上

口腔ケアはとても時間と手間のかかるものなので、一方的にしてしまうことが時間短縮になりますが、歯ブラシを持って動かせる方にはご自分でやっていただくことがとても大切です。当然最後に口腔内のチェックと仕上げは不可欠ですが、歯ブラシをして気持ちがよくなることや口腔内が清潔で健康であるから食べ物をおいしく食べれる喜びを感じていただくことは、要介護者の自立を促しQOLの向上につながるのです。

経管栄養の方でも口腔ケアは必要です

経管栄養をしている方であれば、口から食事を取らないことがほとんどですので、ついつい口腔ケアを忘れがちです。しかし、経管栄養をしていても口腔ケアは必要なものです。その理由、実施時の注意点などをご紹介していきます。

 

①食べなくても汚れる

口腔ケアは食後の汚れを取るものだと思いがちですが、口腔内は食べなくても唾液などの菌によって汚れるのです。

口からものを食べない人は唾液の量が少ないです。唾液にはある程度口の中を清潔に保つ洗浄作用の効果がありますので、口から食べない人の方が口腔内が汚れている場合もあります

ひどくなると、口腔内にカビが生えたり、苔が生えることもありますので、定期的に洗浄をするようにしましょう。

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②誤嚥性肺炎になる可能性もある

誤嚥性肺炎は食物が肺に入るだけが原因でなく、唾液が原因でなることもあります。特に口腔ケアをしていない、経管栄養の方の唾液は菌が大量にある場合がありますので、少しでも肺に入るだけで肺炎を引き起こすこともあります。常に清潔にしておきましょう。

唾液が肺に入らないように、口腔機能訓練を行うなど日頃から注意しておきましょう。

 

③口腔ケアを行う際の注意点

普段口から食べていない高齢者の場合は、嚥下の機能が低下していることもあります。そのため、口腔ケアを行う際の水分でむせたりしますので、水分は極力少なくすることが大切です。湿らす程度で十分です。

また汚れを取ることも大切ですが、口の中の水分量を一定に保つことも目的になります。最近では経管栄養者用に発売されている、唾液の代わりになるジェルも販売されていますので、高齢者の状態を見ながら使用していくようにしましょう。

また、口腔ケアをする際にむせないように、体を起こしてもらったり、体を起こすことが難しい場合では、寝たまま横になって口腔ケアを行うようにしましょう。ポイントとしては水分がそのまま喉にいかないようにするのがポイントとなります。

施設を効率よく探すには?

訪問歯科の利用や介護士による口腔ケアを提供している老人ホームも紹介可能です。こちらから無料相談可能です。虫歯や口腔トラブルがある方でも安心して暮らせる老人ホームを紹介してもらえます。

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