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床ずれを予防する

記事公開日:2015/08/11、 最終更新日:2019/02/22


床ずれを予防する

床ずれとは

床ずれとは主に寝たきりのお年寄りの身体にできてしまう皮膚の損傷です。

床ずれすること自体には痛みがないのですが、治療の時に痛みを感じることがあると言われています。また、見た目に非常に痛々しく移りますので介護をしている家族が心を痛めることも多いです。

ですから、病院や介護施設でも、床ずれをなんとかして上げてほしいという要望を出すご家族は多いです。

 

床ずれの原因

床ずれの原因は何時間も寝ているために身体の同じ箇所が圧迫されつづけてしまうことです。

健康な身体の人は寝ている間に無意識に寝返りをうっています。しかし、寝たきりの方は自力で寝返りをうつことができません。車いすに座っている人も座り直しをすることができないのでどうしても圧迫される箇所がでてきてしまうのです。

健康的な人も長時間同じ姿勢でいたり、正座をし続けていると手足がしびれてくることがあります。それがさらに続くとしびれるだけではなく弱っている皮膚が破れて傷になってしまうのです。一瞬であれば軽い擦り傷で済みます。しかし、それでは周りの人は気づきません。いつの間にか傷が悪化して、床ずれがひどくなった状態で介護者が気づくのです。

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床ずれ予防法

床ずれを予防するためには圧力がかかる箇所を一箇所にしないことです。そして清潔に保つこと、栄養をしっかりとることも重要なポイントです。

 

圧力がかかる箇所を分散させることを「分圧」と呼びます。こまめに介護者が体位を変えてあげることで分圧ができます。多くの施設で2~4時間ごとに体位を変えていることが多いです。

また、ベッドのシーツにしわがよっているとそこから床ずれになることも多いので、体位変換の際にはベッドのしわも直す必要があります。

 

身体を清潔に保つことも床ずれの予防になります。

汗をかいたり、尿や便でよごれていると皮膚が破れやすくなります。特にお年寄りの皮膚は若い人と比べると弱っているので少しの汚れや乾燥にも注意する必要があります。

また、床ずれができてしまった箇所も清潔に保っておくと薬が浸透しやすくなります。

 

栄養をしっかりとること

床ずれができやすい体型というのもあります。

痩せすぎている人やむくみのある人が床ずれしやすい体型です。

太っている人は意外にも骨のでっぱりがないのでこすれが少なく、床ずれは少ないそうです。

 

むくみや痩せすぎは栄養が偏っていたり、不足しているのが原因です。

床ずれを防ぐためには良質のタンパク質や亜鉛、鉄などのミネラル分を摂取するように意識するといいでしょう。

食事がなかなか進まない高齢者に対しては栄養補助食品やサプリメントを活用して床ずれするのもおすすめです。是非試してみてください。

床ずれには薬治療があります

床ずれは、発赤から皮膚の壊死まで様々な種類があります。その皮膚の状態に応じて処置は異なり、床ずれを治療していくことになります。

床ずれの薬治療とはどのようなものか、まとめました。

 

①発赤程度の床ずれ

発赤程度の床ずれの場合、薬治療は基本的に行いません。発赤の場合、床ずれをこれ以上悪化させて傷にしないために、サランラップなどを利用し皮膚湿潤を高めます。また、圧迫を除去し、床ずれ部分への摩擦を最低限取り除くことになります。そうすることで、発赤が治ることが多いです。

 

②浸出液が出ている床ずれ

浸出液が出ている状況の場合、まずは皮膚をきれいにすることが重要です。細菌感染を起こす可能性が高いため、できれば毎日水で洗浄しお薬を使用します。また、薬を使用する際に皮膚科の医師による診察を受け、医師の指示のもと薬を使用することになります。さらに、ガーゼで床ずれの部分を保護することもありますが、ガーゼと皮膚での摩擦を受けることで床ずれが悪化することがあります。

そのため、①と同様にサランラップ等を使用し、ラップ療法で湿潤を高め完治を目指すことが多いです。また、採血を行い栄養状態の観察、また日々の食事状況等を観察し、体調管理を行うことが重要となります。

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③壊死が起こっている床ずれ

壊死が起こっている状態だと、すでに床ずれの部分は細菌感染を起こしています。そのため、内服治療も必要なことが多いです。皮膚の状況、また栄養状況等を観察し、医師の指示のもと必要な内服薬また外用薬を使用します。

低栄養状態だと、特に床ずれは悪化しやすいため、栄養補給も重要となります。また、壊死している床ずれがある場合には、糖尿病や高血圧、高脂血症など、その他複合的に病気がある可能性もあるため、採血を行い体調管理も重要なこととなります。

また、壊死の部分が薬を使用し除去できた後には、浸出液等が治っていない状況なため、外用薬を使用しラップ療法を行うことになります。さらに、痛みが強い場合も多いため、内服薬に鎮痛剤を使用することもあります。

床ずれは看護師の処置が必要

寝たきりの高齢者や、夜間寝返りが少ない高齢者、また自力で動くことが難しい高齢者は床ずれができやすい状態にあります。また、栄養状態の悪化等に伴い椅子に座っているだけでも、床ずれができる高齢者も少なくありません。床ずれに対して、適切な処置を行い必ずナースが処置をすることが必要となるため理解しておきましょう。

 

①仙骨や大転子部にできやすい

床ずれは主に、仙骨や大転子部にできやすいです。寝た時に、マットレスと身体が密着する部分であり、摩擦がおきやすいところに床ずれはできます。そのため、同じ姿勢でずっといることにより、床ずれはよりできやすく悪化もしやすくなります。さらに、栄養状態が悪いと床ずれはさらに起こりやすくなり、栄養状態の観察も重要となります。

 

②発赤は要注意信号

皮膚が摩擦を起こし赤くなっている部分があった時、すでに床ずれになっている状態です。床ずれは、皮膚がじくじくとする前の赤くなっている時から症状は出現しており、この時点で対応できればそれ以上の悪化を防ぐことができます。そのため、全身の発赤がないかの確認も、必要不可欠となります。

もし、発赤が見つかったら、その時点でナースに報告し処置を行っていくことが重要です。発赤程度であれば、ラップ療法で密封し湿潤を与えることにより、改善されることもすくなくありません。さらにひどい状況になり発見した場合には、ラップ療法が難しければ軟膏処置など皮膚科的な対応が必要となってこともあります。どの状態であったとしても、床ずれを発見した時もしくは床ずれかもと思った時には、すぐにナースに報告し適切な処置を行うことが重要となります。

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③エア抜きをして、床ずれ予防

特に寝たきりの場合や、身体障害を患っている高齢者は自分で動くことができないため、床ずれになりやすい状況となります。そのため、定期的に介護者が高齢者の身体を動かし、エアを抜いてあげる作業が必要となります。例えば、お尻を持ち上げて浮かせることで、一時的にお尻にかかる圧が無くなります。

その結果、その部分にエアが入り、床ずれができにくくなります。できれば30分に一度エアを抜くことで、床ずれができにくい状態を作ることができます。夜間帯の場合は、最低でも2時間に一度は向きを変え同じ部分に負荷がかからないようにすることが、床ずれの予防として重要なことになります。

床ずれ高齢者への老人ホームでの対応方法

高齢者は、栄養状態の低下や、可動域制限等により、床ずれができやすい状況です。そのため、若者と同じ時間椅子に座っているだけでも、床ずれができてしまうことがあります。また、床ずれは一度できると治るのに時間がかかり、悪化してしまえば壊疽してしまうこともあります。そのため、老人ホームでは床ずれにならないように対応すると同時に、床ずれに対して適切な処置を行うことが重要となります。

床ずれ高齢者への老人ホームでの対応方法について、ご紹介いたします。

 

①床ずれは早期発見が重要

床ずれができやすい部位は、大転子部・臀部・仙骨・踵・耳などになります。この他、床ずれはどこにでもできる可能性はあります。また、高齢者は椅子に座っている時間が長い又は横になっている時間が長く、自ら身体を動かすことが少ないです。

そのため、床ずれができやすい状態となっており、いつの間にか床ずれができていることも少なくありません。また、いつの間にかできた床ずれは、気が付かない間に悪化していて痛みが伴い発見することもあります。そのため、発赤等が生じた際すぐに床ずれを発見し、早期対応することが重要となります。

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②プッシュアップで床ずれ予防

老人ホームなどでは、食事など決められた時間に起き、決められた時間に臥床することが多いです。そのため、椅子に座っている時間も長ければ2時間以上となり、臀部など椅子や衣類とこすれている部分に、床ずれがおきることがあります。

そのため、排泄などを自力でできない方や、床ずれができやすい方、動きが少ない方などに対してプッシュアップすることが重要です。プッシュアップとは、約1時間毎にお尻を浮かせ、除圧することです。そうすることで、床ずれの予防となりさらに筋力アップにもつながっていきます。

 

③床ずれ部分は、密封療法

床ずれと言っても様々で、発赤状態・皮ができている状態・皮がむけて浸出液が出ている状態・黒くなっている状態など、大きく分けて4種類となります。その中でも、黒くなっている状態以外は、老人ホームでケアを行うことができます。ただし、浸出液の状態によっては、皮膚科受診を行い薬が必要となることもあるため、床ずれの状態を一度老人ホームのかかりつけのお医者さんに見てもらうことが重要となります。

皮膚科に受診するほどではないが、床ずれができている場合には、密閉療法を行うことで改善することがあります。そのため、発赤等床ずれを発見した場合には、看護師に報告し看護師が密閉療法を行うことで、それ以上の悪化を防ぐことができます。
 

施設を効率よく探すには?

床ずれのケアが必要な方の老人ホーム探しはこちらから無料相談可能です。寝たきりの方や車椅子の方は床ずれの心配があります。看護師が常勤している施設やケアが手厚い施設を紹介してもらえます。

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