身体拘束介護の危険性について
記事公開日:2015/08/26、 最終更新日:2018/07/24
非常に危険な身体拘束介護
認知症の高齢者は目を離した隙に何をするかわかりません。
しかし、四六時中見守っていることはとても困難です。
何かあってからでは困るということで身体拘束介護を実施している家庭や施設が存在することがあります。
東京都北区の高齢者向けシニアマンションでも入居者が身体拘束介護を受けており、高齢者虐待防止法にもとづいて北区が入居者の159人中95人を虐待認定したというニュースがありました。
現在では介護保険の適用を受けている施設であれば命に関わるようなやむを得ないケースを除いた身体拘束は厚生労働省が禁止しています。
事件になった北区のマンションは介護保険適用外の施設でした。こうした施設では身体拘束が日常的に行われている可能性があります。
身体拘束の危険性とは
では、どうして身体拘束がいけないと言われているのでしょうか。
まず第一に身体的な弊害があります。
ひもや抑制帯などを使ってベッドや車いすに縛り付けるなどの身体拘束を受けることで関節が硬くなったり、筋力が低下するといった弊害があります。また、圧迫を受ける箇所は床ずれができてしまいます。
それから食欲の低下や心肺機能低下、感染症への抵抗力低下といった症状も起こります。
拘束されている状態から無理に立ち上がろうとして転倒し、重大な事故を引き起こす可能性もあり大変危険なのです。
また、精神的な苦痛にも繋がります。
認知症になっているからといって感受性が低下しているわけではありません。健康な人と同じように拘束されることが苦痛であったり抵抗を感じるのは当然です。拘束することは人間の尊厳を著しく傷つけ、精神的な苦痛を与える行為です。また、身体拘束をすることで認知症状が進行する可能性もあります。
もし自分の親や兄弟が身体拘束されて身動きが取れなくなっているところを目にしたらどう思うでしょうか。大きなショックを感じると思います。
施設を探す際には身体拘束ゼロに取り組み、認知症患者の尊厳を大切に守っているところを選びたいものです。
身体拘束の対象となる行為
厚生労働省が提唱する身体拘束禁止の対象となる行為は以下のものとなります。
- 徘徊しないように、車いすや椅子、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛り付ける
- 転落しないようにベッドに体幹や四肢をひも等で縛る
- 自分で降りられないようにベッドを柵で囲む
- 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように四肢をひも等で縛る
- 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、または皮膚をかきむしらないように手足の機能を制限するミトン型の手袋等を付ける
- 車いすや椅子からずり落ちたり、立ち上がったりしないようにY字型拘束帯や腰ベルト、車いすテーブルをつける
- 立ち上がる能力のある人の立ち上がりを防げるような椅子を使用する
- 脱衣やおむつはずしを制限するために介護衣を着せる
- 他人への迷惑行為を防ぐためにベッドなどに体幹や四肢をひも等で縛る
- 行動を落ち着かせるために向精神薬を過剰に服用させる
- 自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する
在宅で介護をしている人もこれらに当てはまるようなことをしていないかどうか、今一度振り返ってみてはいかがでしょうか。
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