療養型医療施設と地域包括ケアシステム
記事公開日:2015/09/10、 最終更新日:2018/07/23
療養型医療施設と地域包括ケアシステム
2018年までに廃止されることが決定している介護療養型医療施設ですが、医療依存度が高い高齢者の方も多く、受け皿となる施設の増設も間に合いそうにない状況にあります。そのような中で政府は「機能強化型」という新たな枠組みで、介護療養型医療施設を存続させるという姿勢をとりました。このことにより、介護療養型医療施設を廃止するという決定は無くなったかのように見えます。しかし、施設の存続ができたとしても、根本的な問題の解消をしなければ同様の問題が生じる恐れがあります。介護療養型医療施設は全廃・療養型医療施設は縮小、という決議がなされたのは事実です。さて、今後はどうなっていくのでしょうか?
廃止に追い込まれた原因とは
介護療養型医療施設・療養型医療施設共に、病院へ入院された方が長期の治療を必要とするために作られた病床(病棟)であったものがはじまりです。その後、医療を常時必要とする患者さまは療養型医療施設(医療療養病床)へ、医療を必要としない患者さまは介護療養型医療施設(介護療養病床)へと、分類がされるようになりました。介護療養型医療施設(介護療養病床)へ入所している方の中には、医療や介護の必要は無いが退院しても独りで生活できない方や、家族による虐待があり退院できない等の諸事情により、入院生活を余儀なくされている方が多くおられます。この方達は「社会的入院」と呼ばれ、給付費を増大させる原因となっていたのです。結果的に介護療養型医療施設(介護療養病床)は廃止されることがすでに決定しています。
「社会的入院」を解消するには?
退院したくてもできないことが問題であり、事情は複雑で個人の状態によっても違いが生じるため、解消法は千差万別にあると思われます。政府が今までうった手段としては、「新しい施設」「新しい制度」などのいわゆるハコモノを作ることであり、合わないパズルのピースを要介護状態にある高齢者の方と例えてみます。パズルのピースが合わないままハコモノに詰め込もうとしてきた政府のやり方で、ハコモノは役に立たず要らなくなってしまいました。困った政府は新しい手を考え、「地域」という文字の入ったパズルの台紙を作りました。台紙にはピースの住所が記入されていて、時間はかかりましたが少しずつ正しい場所にピースが埋まり始めました…この台紙が「地域包括ケアシステム」です。高齢者の方が自分の住み慣れた地域に戻り、家族や地域住民と共に生活をしていくこと。住環境や医療と介護の連携も整えられ、支援のネットワークが完成していきます。これこそが理想的な高齢者の方の生き方であり、社会的入院を無くす手段ではないでしょうか。一筋縄に行くとは思えませんが、これからの期待をこめて見守っていきたいと思います。
これに伴い、医療依存度の高い方が利用される療養型医療施設は、「療養」から「在宅復帰に向けた慢性期医療」という治療方針の転換をしなくてはならないでしょう。リハビリテーションを始めとして、慢性期の医療を提供できる施設づくりが肝心であると思われます。
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