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その症状、レビー小体型認知症かも!?

記事公開日:2015/05/26、 最終更新日:2019/04/09


その症状、レビー小体型認知症かも!?

睡眠障害と思ったら

睡眠障害と思ったら実はレビー小体認知症だった、なんていうことがあるかもしれません。

レビー小体認知症は認知症の中でもアルツハイマー型に次いで二番目に多い症状です。

レビー小体認知症は睡眠障害とよく似た症状です。

ですから、睡眠障害と思っていたら実は認知症を患っていたという可能性もあるのです。

 

レビー小体認知症とは

レビー小体認知症とは脳の中で「レビー小体」という特殊なタンパク質ができて視覚情報の処理に悪い影響を与えるというものです。

例えば

・いないはずの人や虫が見える。さわろうとして手を伸ばしたり声をかけたりする

・筋肉がこわばって動作が緩慢になる

・症状に波がある

 

といったものがレビー小体認知症の症状です。女性よりも男性が2倍も多いと言われています。また、幻覚や幻視だけではなく物忘れや自律神経障害の症状もあります。

便秘や尿失禁したり、血圧の調整が困難となります。起立性低血圧といって立ち上がった際に血圧が大幅に低下し、失神してしまうことがあります。

 

幻覚や幻視といった症状は行動は眠っている時にも起こります。ですから、「レム睡眠行動障害」と混同されやすいのです。

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レビー小体型認知症と病気の進行について

レビー小体型認知症は、レビー小体というたんぱく質が変異する病気です。レビー小体は神経細胞に変化するタンパク質なので、これが阻害されると神経細胞が減少し、脳から身体中へ送られる神経の伝達がうまくいかなくなります。アルツハイマー病の進行が20年以上と長いのに対し、3年から10年未満とかなり早く進行します。

 

レビー小体型認知症の症状

・初期

認知機能の低下、幻視、運動機能障害で気付きます。認知機能は、物忘れではなく記憶の混乱が見られます。自覚症状があるので、自ら受診するケースも多くあります。幻視があるのが特徴的で、日中でもいないはずの人が見えたり、睡眠時に悪夢を見てそのまま現実と混同することがしばしばあります。

幻視と認知機能の混乱から、被害妄想などに発展することが少なくありません。運動機能は、パーキンソン病に似たパーキンソニズムが起こります。

・中期

理解力の低下、運動機能の低下が顕著になります。言動が意味不明になり、歩行状態がおぼつかなくて転倒しやすくなります。常同運動も見られることがあります。たとえば台所から玄関まで行ってドアにタッチして戻ってくると言う行動を、何度も繰り返し行います。見守り介護が必要になりますが、ほぼ24時間つきっきりの状態になります。

・終末期

認知機能はかなり低下して、物事の判断はできなくなります。身体機能も低下し、歩けなくなりほぼ寝たきりになります。嚥下機能が低下し、誤嚥をおこしやすくなり、肺炎を併発しやすくなります。

 

レビー小体型認知症の進行

進行は、レビー小体のみの変異の場合と、アルツハイマー病などの他の病気を合併している場合とで、症状と進行に違いがあります。おおむね、レビー小体のみの方が進行が早く、初期から終末期まで3年未満というケースが多くあります。

初期から中期へは、早い場合は半年ほどで移行します。症状は徐々にではなく、1~2ヶ月ごとに段階を踏んで変化します。進行に伴って常同運動などが変化しますので、症状に変化が見られたら、すぐに主治医に受診して相談するとよいでしょう。

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レビー小体型認知症の治療

レビー小体型認知症の専門は精神科です。鑑別診断にはSPECTや心筋シンチなどの大きな設備を必要とします。

初期症状はアルツハイマー病と間違われやすいので、認知症の専門病院で継続して受診をするのがよいでしょう。服薬治療は、進行を遅らせるものではなく、幻視やパーキンソニズム、妄想などの対処療法がほとんどです。進行に伴って精神症状もかなり変化するので、その都度、服薬調整をする必要があるかもしれません。

レム睡眠行動障害

レム睡眠行動障害とは、睡眠中に異常な行動を起こすことです。例えば

・睡眠中に大声で話をしたり、笑ったりする

・睡眠中に手足を動かしたり、字をかくような動作をしている

・睡眠中にベッドから出て歩きまわる

といったものです。

このような異常行動がレビー小体認知症と混同されることがよくあります。本当は認知症だったのに、それに気づけず対処が遅れてしまうという可能性もあります。

 

また、睡眠障害の中に「むずむず脚症候群」というものもあります。これは足がむずむずして眠れなくなるというものですが、レビー小体認知症患者が「足に虫がいる」と訴えて睡眠障害と診断されてしまうケースもあります。

 

早期発見で早めの治療を

レビー小体認知症の治療には早期発見が非常に重要です。

もし身近な人でこのような症状が見られたり、悩んでいる人がいたらすぐに医師の診断をおすすめしてあげましょう。

 

レビー小体認知症は現在の医学では完全に治療するのは難しい病気と言われています。体内にたまったレビー小体を完全に取り除くことはできないからです。

完治は困難ですが、症状を緩和したり、抑制したりすることは可能だそうです。

睡眠障害がなかなか改善されない場合にはレビー小体認知症を疑ってみてください。

座敷わらしの正体だったのでは

座敷童子がレビー小体型認知症の幻覚だったのではないかという説があります。検証しているのが科学評論社から発行されている『神経内科』という論文雑誌に掲載された『Levy小体病における幻覚とザシキワラシ(座敷童子)との類似点ー民俗学史料への病跡学的分析の試み』という論文です。

座敷わらしについてはじめて本に書かれたのが柳田國男の『遠野物語』です。ここで語られている内容を元に座敷童子がレビー小体型認知症の幻覚症状だったのではないかという推論に論拠を与えています。

調査の結果、座敷童子を目撃したのが「祖母」や「爺様」などほとんどが成人でしかも高齢者だったということがわかりました。

さらに、座敷童子を目撃したとされる状況を数えてみると72%ほどが座敷や奥座敷、土蔵などの薄暗い環境だったということです。覚醒している時に目撃したというものもあれば睡眠時など布団の中で臥している状況で目撃したという証言もありました。
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レビー小体型認知症と座敷童子の目撃談には共通点が

論文では座敷童子とレビー小体型認知症の幻覚の共通点として「薄暗い環境での幻視」「恐怖心を伴わない」「夜間睡眠時の幻触」「起床時の枕や布団の散らかり」と多くの類似点を挙げられました。こうした理由から座敷童子の伝説のはじまりは村の高齢者の幻覚によるものなのではないかと考えられるそうです。また、枕や布団の散らかりは「枕返し」や「布団はがし」という妖怪・怪異の名前で言われることもあります。

 

これを受けて、50歳でレビー小体型認知症と診断された樋口直美さんも自身の体験と『遠野物語』で書かれている座敷童子の記述が良く似ていると言っています。

 

座敷童子は発見するとその家に福をもたらすと言われています。

かつては飢饉などがあると子供が間引かれたり、高齢者が山に捨てられたりといったことが起こりました。座敷童子を見た人にいいことがあるという風に言われたのは高齢者が自分達が家族に捨てられることがないように守るために付加した言い伝えなのかもしれません。

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