介護保険制度制定の背景とは
記事公開日:2015/10/01、 最終更新日:2019/03/25
介護保険制度は、介護を必要とする状態となっても、できる限り自立した日常生活を営み、人生の最後まで人間としての尊厳を全うできるよう、介護を必要とする人を社会全体で支える仕組みです。皆さんは、介護保険制度についてちゃんと理解していますか。だれが介護保険のサービスを利用出来るのか、どのようなサービスがあるのかについて知らない人も多いと思います。今回は、具体的な介護保険制度の仕組みについてもう一度おさらいしてみましょう。
目次
介護保険制度制定の背景とは
措置制度から契約制へ
2000年に介護保険制度が制定される以前は措置制度と言い、入所先を入所者自身が選択する事は出来ず、行政から指定された入所先に入所し介護を受けていました。それが介護保険制度の制定に伴い契約制に移行した事により、自身で希望する入所先に申し込みをして、利用契約を締結する事でサービス利用を開始する事になりました。
契約制に移行した事のメリットとして、利用者本位の介護を提供する考えが少しずつ浸透し、福祉観念の向上に少しは貢献しています。
大介護時代
医療の目覚ましい発展・少子高齢化が進み高齢社会が続く、或いは核家族化等の社会の変革が進んだ結果、家族の持つ社会的な機能が低下し介護問題はもはや家族だけでは解決出来ない問題です。社会が一体となり支えるという事で、社会保障制度の一環として介護保険制度は制定されました。
被保険者と財源
介護保険は社会保険の1つの為、加入したいか否かの意思に関わらず加入の条件を揃えた時点で強制的に適用されます。40歳以上の公的医療保険加入者で特例施設に入所していない人が第2号被保険者、65歳以上の方を第1号被保険者としています。保険者は国ではなく各自治体です。
被保険者が公的医療保険加入者等の一定の条件がありますが、年齢での区分を見ると40歳以上とされている為、被保険者の人数は多いです。介護保険料も被保険者の裾野が広い分多く徴収する事が可能なようになっています。
第2号被保険者の納める介護保険料は各医療保険者が徴収し納付を代行しています。第2号被保険者の介護保険料は保険給付を行い、制度を維持する上で重要な財源となっています。どれくらい重要かと言うと、厚生労働省によれば、介護保険の給付費の約30%を賄う事が可能な程大きな金額になっています。
実際に介護サービスを受けるまでの流れ
介護サービスを受けるまでの流れとしては、まず自治体に要支援・要介護の認定を申し入れます。そうすると認定の為の調査が行われます。この調査は本人を交えた聞き取りを元にコンピューターの判定が行われ、主治医の意見書等も鑑みた上で認定委員会による2次判定が行われます。
この2次判定の結果が認定の結果です。不服がある場合は不服申し立てを行いましょう。
非該当でなく、要支援・要介護の認定を受けた場合は、介護保険サービスを利用する事が可能になった状態ですので利用したいサービス事業者と利用契約を締結して下さい。この利用契約に基づき介護保険サービスが提供されます。
誰が介護保険のサービスを利用出来るの?
介護保険は65歳以上の第1号被保険者と40歳以上65歳未満の第2号被保険者で支えられています。被保険者である利用者が要介護状態と認められた場合に介護保険のサービスを利用することが出来ます。要介護状態とは、介護がどの程度必要かについて「要支援1、2」、「要介護1~5」の7段階に区分分けしたものです。40歳から65歳未満の方が介護保険のサービスを利用するには、厚生労働省が定める特定疾病が原因で半年以上要介護状態が続く場合に限られている点に注意が必要です。
病気や老化などにより介護が必要となったら、市区町村の窓口に介護認定の申請を行いましょう。包括支援センターや居宅介護支援事業所などで申請の代行をお願いすることもできます。
どのようなサービスがあるの?
介護保険のサービスは大きく分けて通所・入所・訪問の3種類があります。通所とは、デイケアセンターなどの施設に通いリハビリテーションや入浴などの介護を受けるサービスです。訪問も通所と同様に在宅生活を支援するサービスです。自宅で必要な介護が受けられる訪問介護や訪問看護、訪問リハビリテーションなどのサービスを受けることができます。一方入所とは自宅での介護が困難となった場合に施設へ入所できるサービスのことです。施設によって特徴や入所基準などが決まっています。入所を希望する施設に自分や家族が入所できるのか事前に確認しておきましょう。
介護保険サービスが優先される
介護保険サービスの他にも医療保険や障害福祉サービスなど、様々なサービスがありますが、サービスが重複している場合は介護保険が優先して使われることとなっています。そのため、自分が受けるサービスをどこから受ければ良いのか事前に確認しておくと良いでしょう。
介護保険制度は3年毎に見直され改訂されています。平成27年度は改訂の年で通所サービスや訪問サービスに大きな改訂がありました。このように介護保険制度は社会のニーズや情勢により大きく変化します。常に最新の情報を取り入れるようにしましょう。
障害者自立支援法と介護保険制度の違い
障害者自立支援法が適応となり、自立支援給付を受け生活をしている場合、65歳を到達した時介護保険給付に切り替わりサービスを受けることになります。障害自立支援法と介護保険法では、金額はもちろんのことサービスも異なることがあります。
障害者自立支援法と介護保険制度の違いについてご紹介します。
①介護保険制度よりも障害者自立支援法の方が、サービスが多い
介護保険制度と障害者自立支援法は、そもそも全く違うシステムであり、考え方も違います。そのため、サービスの内容が違うのも致し方ない話となります。しかし、65歳以上になったからといって、今まで受けられたサービスが受けられなくなるということはおかしな話であり、高齢者にとってはこれからも同じサービスを受け続けたいことになります。
例えば、通院等乗降介助においては、介護保険制度だと要介護1以上が対象となりますが、障害者自立支援法だと要支援1レベル程度から適応となります。このように、今まで受けてきたサービスと、見方・考え方が変わるということを理解することが重要となります。
②介護保険制度の限度額で確保できない分は、不足分支給が可能
障害者は、介護保険を申請した時要介護度が2以下と出てしまうことが少なくありません。そのため、日常的なサービスの限度額が少なく、障害者自立支援法のときよりもサービスが減ってしまうことがあります。
このような場合、介護保険制度の限度額で確保できないとみなされ、障害者自立支援法において不足分のサービスが適応されることがあります。サービスの不足等については、各自治体の市区町村で相談し、利用できるサービス量が変わらないよう話をすることが重要になります。
③介護保険制度にないサービスは引き続き受けられます
障害者固有のサービスに関しては、介護保険制度のサービスにはないためそのまま引き続きサービスを受け続けることができます。
障害者固有ではなく、介護保険制度にないサービスの場合は受けられないこともあるため、継続してサービスを受けたい場合には市区町村およびケースワーカーと相談することが重要となります。
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