認知症の方は幻覚の症状に悩まされることがあります
記事公開日:2015/10/09、 最終更新日:2019/03/22
目次
認知症患者の幻覚症状について
外部からの刺激がないのに架空の感覚を感じてしまう体験のことを幻覚と呼びます。
幻覚は視覚だけではなく聴覚や味覚、嗅覚、触覚でも起こります。
認知症には様々なタイプがありますが、その中でもレビー小体型認知症の方は特に幻覚に悩まされることが多いです。
周りの人は「ぼけ」の一種と捉えてしまうこともあるかもしれません。幻覚があるのではないかというような言動が見られるようでしたら認知症を疑い、すぐに医師に診察をお願いしましょう。
レビー小体型認知症はアルツハイマー型に次いで多く見られる認知症の症状です。
脳には神経細胞がたくさん集まった箇所があるのですが、そこに異常なタンパク質がたまってしまって初期段階でも幻覚が起きることがあります。特にはじめてそのようなことがあれば幻覚だとわからず慌ててしまうこともあります。
また、他の病気との関連でいうと、パーキンソン病は薬の副作用で幻覚が見えることがあります。
なぜ幻覚が起こるのか
幻覚が起きるのはどうしてでしょう。
理由の1つとしては目や耳などの能力が衰えてくることが考えられます。
目が悪くなってくると見間違いが起こりますし、耳が悪くなれば聞き間違いがあります。これがひどくなるのが幻覚です。
暗闇の中にいると何かが起こるのではないか、誰かいるのではないかと不安に思う経験を誰しもしたことがあるのではないのでしょうか。幻覚はそれと同じです。また、脳に異常がない人でも天井の木目や壁のシミが人の顔に見えてくることがあります。
健常者と病気がある方で違うのは、健康な人であれば「見間違いだ」「勘違いだ」と判断できますが、認知症の方や脳や精神的に異常のある方はそれが訂正できず、さらに妄想が重なってきてしまうのです。
こんな幻覚の症状
認知症の方でよくある幻覚の症状はいないはずの人がいると訴えるものです。そこに子どもがいるとか、お客さんが来たとかいうことがあります。また、怖い人がいるなどと非常にリアリティのある表現で伝えてくることもありますので周囲の人も気味悪く感じてしまうかもしれません。
また、虫がいる、蛇がいるといったり、人の声が聞こえたと訴えるケースもあります。
こうした幻覚の症状が見られる場合には頭ごなしに否定することはせず、その場では話をあわせるようにしましょう。否定したり怒ったりすることは本人にとってマイナスに働きます。不安が強くなったり、憤りを感じてしまう方も多いです。
幻覚を訴えてくる場合にはその場しのぎで話を合わせるようにしましょう。
最初は誰もが驚いたり戸惑ったりするようですが段々なれてきて上手にアドリブで対応される人が多いようですよ。
①幻覚は私たちが思っているよりもハッキリと見えている
幻覚を見ている人を対応していると、本当は何もないのに、何かが見えていると軽く感じてしまいますが、幻覚を見ている側からしてみればハッキリと見えています。
人によってはその人の温度や匂いも感じるようです。
そのため、幻覚を見ている人を対応する際は、否定はせずに対応するようにしましょう。
よくある幻覚としては「虫がいる」「へびがいる」といってパニックになる人がいます。そういった場合は、虫を捕るしぐさをする、蛇を取るしぐさをするなどを行えば落ち着くこともありますので、実際に見えているかのように対応することがポイントです。
②周りの高齢者に注意する
老人ホームなどの場合は多数の高齢者の前で幻覚をみてパニックになる可能性があります。そういった時は周りの高齢者はびっくりしますし、「何もない」「何を一人で騒いでいるんだ」といったように、幻覚を見ている高齢者に対して否定するような声掛けをしてしまう可能性があります。
そうすると、高齢者も余計にパニックになりますし、良い方向には向かわないので、幻覚が見えている間はできるだけ個別に対応するようにしましょう。
③薬によって幻覚が見えることもある
認知症の薬は脳に働きかけますので、人によっては新しい薬を飲み始めてから幻覚が見えるようになったということもあります。そのため、薬を変更、追加したときは特に注意して対応しましょう。
また、脱水症状、熱が出ているときなど、体調が悪い時も幻覚が見える時もありますので十分注意しておくことが大切になってきます。まずは、体調をよくすることが必要になってきます。その他、様々なことが原因で幻覚がみえることがありますので、幻覚が見え始めたときは何か普段と違うことをしていないか確認するようにしましょう。
老人ホームにおける幻覚のケア
認知症の高齢者には幻覚の訴えが多くみられます。幻覚とはどのような症状でどのような対応が必要なのでしょうか。
幻覚はどのようにしておきるのか
幻視、幻聴、幻臭、幻味、体感幻覚のすべてを「幻覚」といいます。実際にないものをあると感じるものです。別のものとの見間違いや聞き違いをすることを錯覚といいます。
レビー小体型認知症の方に多い訴えで初期の段階からみられ、特に幻視の訴えが多くみられています。アルツハイマー型認知症の次に多いといわれていて、特殊なたんぱく質が脳の中の大脳皮質に多く現れるものです。アルツハイマー型や脳血管性の認知症よりも進行が早いといわれています。不安な環境では錯覚しやすく視力や聴力が低下していることもひとつの要因になっています。
レビー小体型認知症の幻覚の症状
動きのある人や虫、動物がみえたり、亡くなった人をみることもあるようです。「部屋の中に誰かいる」「兵隊さんがいる」「虫が飛び回っている」などの幻視がみられます。施設の職員を遠くにいる自分の子供や親戚、昔の知人などに見間違うといった錯覚はよくみられます。不安を感じやすくなる夕方から暗くなる頃に多くみられるようです。
幻覚の訴えがある方への対応
頭ごなしに否定してしまうと本人の不安は大きくなり混乱してしまいます。幻視の症状だけでなく他の認知症の症状も悪化させてしまうことになります。話を合わせて見えていることを認めてあげて、怖いものではないと安心させてあげることが大切になります。
何か不安があるときや体調不良の場合もあるのでよく話を聞いてあげて、熱や脱水などの様子観察をする必要もあります。夕方からの夜間帯に多くみられるため、日中によく活動して夜はぐっすりと眠れるようにするといいでしょう。症状が酷い場合は医師に相談するのもよいですが、できるだけ不安な要素を取り除いてあげるなどすると、症状が落ち着くこともあります。
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