高齢者のネグレクト問題
記事公開日:2015/10/09、 最終更新日:2019/03/25
ネグレクトとは虐待のひとつです。子どもや障害者、高齢者など人からの助けが必要な人に対してその義務があるにもかかわらず怠ることをいいます。
心理的虐待および身体的虐待でもあると言われています。
また、ネグレクトには積極的ネグレクトと消極的ネグレクトの2つがあります。
積極的ネグレクトというのは特別な理由がないのにもかかわらず育児や介護を放棄することです。それに対して消極的ネグレクトとは経済的な理由や障害、知識不足などの致し方ない理由によるネグレクトです。
目次
高齢者のネグレクト
最近は高齢者に対してのネグレクトが問題になることもあります。
高齢者虐待防止法により、高齢者に対するネグレクトが罪に問われることもあります。
高齢者へのネグレクトというのは例えば食事や薬を与えなかったり、不衛生な状態で放置することなどです。
最近では高齢者施設でナースコールをあえて手の届かないところに置かれたと訴えた利用者もいました。これもネグレクトの一種と言っていいでしょう。
このように必需品が故意に取り上げられたり、必要な介護や介助を受けられなかったり、忘れられてしまったりするのもネグレクトだそうです。
しかし、高齢者の中には判断力が低下しており、自分がおかれている状況が虐待だと気づけないこともあるそうです。そうしたことから現状、問題として発覚していないものでも虐待にあたる対応を受けている高齢者もどこかにはいるのかもしれません。
ネグレクトを受けた高齢者は低栄養により体重も低下し、脱水症状も見られます。さらに清潔な状態に保たれず、周囲には不快なにおいも漂います。また、寝たきりの高齢者であれば自分で座位や寝返りをうつこともできなくなっていますので身体に褥瘡が生じていることもあるでしょう。病気が明らかに悪化していても適切な治療を受けることができません。
セルフネグレクトの問題も
セルフネグレクトの問題もあります。
これは高齢者が自分自身で薬や栄養の摂取を怠り、健康状態を保てなくなったり、清潔を保とうとせず不衛生な状態で生活することです。
このようなセルフネグレクトは実は虐待よりも潜在的に多いのではないかと考えられています。
最近は特に一人暮らしで周囲に頼ることもできない独居老人が増えています。こうした一人暮らしの高齢者が認知症などの病気になったり、重度のうつ病になったりすると最低限のことでも自分でケアすることができなくなってしまうのです。
こうしたセルフネグレクトや孤独死の問題を解消していくためには周囲の見守りや手助け、社会保障なども必要になってきます。また、受けられるサポートがあるということを高齢者本人が知っていること、困った時に助けを求めやすくしておくことなどが必要と考えられます。
ネグレクトを改善するためには家族へのアプローチが大切
ネグレクトの原因は高齢者本人にある場合もありますが、多くの場合はその家族に原因があることが多いです。その為、家族に対して適切なアプローチをすることが解決の糸口になります。
まず家族に対しては、なぜ介護ができないのかその理由を知ることが大切になってきます。なぜ介護ができないのか、忙しいから、高齢者との関係性など様々な理由があり放棄をしている場合が多いです。
セルフネグレクトに見られる特徴
セルフネグレクトは社会的に孤立しやすい1人暮らしの高齢者に多いと言われています。セルフネグレクトの人に見られる特徴として、自宅にごみをため込んでいる、窓やかべに穴が開いていても気にせず住み続けている、汚れた服をいつも着ている、医療や介護をかたくなに拒否するなどが挙げられます。
支援を求めない理由には、認知能力の低下、他人への遠慮、人に頼りたくないという気持ち、荒廃した生活を他人に見られたくないなどの気持ちが関係しています。
セルフネグレクトは問題が明るみになりにくい
セルフネグレクトの難しい点は本人が周囲に助けを求めることがないため、問題が明るみになりにくいことです。2011年の内閣府の報告書では最大1万2190人と推計されていますが、アメリカの大規模調査では高齢者の9%がセルフネグレクトの状態にあるとの報告もあり、日本においても把握されていないケースが多くあることが予想されます。
対策には法的な整備が必要
セルフネグレクトの問題を解決するためには法的な整備が必要です。どのような暮らしをするかは本人の自由ですが、実際には本人に自覚がないケースや、病気や障害が原因となっているケースが非常に多く、孤独死につながるケースもあります。
自治体や介護業者、周辺住民が協力し、命の危険がある場合には支援を行なう法的整備が必要ではないでしょうか。
適切なサービス機関に繋げていく
ある程度の原因がわかれば、それを適切にサービス機関に繋いでいき本人の安全を確保していきます。ショートステイなどは本人の安全を確保するには適切なサービスだと言えます。
また、家族が全く応じない場合は、虐待と判断して市町村の措置を行うことができます。
措置とはほぼ強制的に高齢者を老人ホームに入れて家族と高齢者を引き離すということです。
その際はかなりのトラブルが生じることが多いですので、市町村の職員や介護施設の職員などが協力しあって行うことが大切になってきます。
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