誤嚥性肺炎とは?予防するにはどうしたらいいの?
記事公開日:2015/11/11、 最終更新日:2019/03/14
誤嚥とは、唾液や食物、胃液などが気管に入ってしまうことをいいます。その食物や唾液に含まれた細菌が気管から肺に入り込むことで起こるのが誤嚥性肺炎です。
誤嚥性肺炎は非常に怖い病気です。高齢者がよくかかる病気として知られており、場合によっては命に関わる可能性があります。誤嚥性肺炎にならないようにするためには、どのような予防方法があるのでしょうか。
目次
誤嚥について
なぜ誤嚥するのでしょうか?そのメカニズムはどのようになっているのでしょうか?
食物は、歯や歯茎で噛み砕き、舌で口の奥に送り込み、 嚥下する(ゴクっとする)、といった過程で食事をします。この呑み込みの過程で気管のふたである喉頭蓋が一瞬閉じます。このふたが閉じる瞬間に食物が気管に入らず、食道から胃へと送られます。しかし、喉頭蓋がなんらかの理由でふたをするタイミングがずれて、遅れて、気管に食物が誤って入ることがあります。この現象が、誤嚥です。
誤嚥の予防
高齢者は、老化に伴って嚥下機能が低下するため、誤嚥される方が多くみられます。では、食事の際、配慮しなければならないことを考えていきましょう。まずは姿勢です。食事姿勢は、椅子の背もたれやベッドにもたれかかり、上向きの状態で食事を行うことは好ましくありません。椅子でもベッドでも前屈みで食事することが大切です。最近の介護用ベッドは、背中を持ち上げる角度が直角近くまで上がることから出来るだけ座位に近い状態まで上げましょう。テーブルは高すぎず、足裏は床面につけ、椅子には深く腰掛け背筋を伸ばしましょう。食事内容については、一口大にする、軟らかい状態にする、とろみをつけるなどの工夫を行いましょう。また、食事する前には、水分を摂取し、口腔内を湿らせて喉のとおりを滑らかにしておくことも必要です。他には、嚥下機能を低下させないように口腔体操を行って嚥下能力を向上させることも大切です。食事の前には、水分摂取も大切ですが、唾液分泌を促す体操を行ってから食事を行うこともお勧めです。
食事形態の見直しを行う
誤嚥性肺炎は本来食道に入る食物が、誤って肺に入ってしまうことによっておきます。多くの方は食事形態があっていないことが原因になります。
適切な食事形態を選択することによって、気管に入ることを予防することができますので、適切な食事形態を見直すようにしましょう。
食事形態には大きなものから一口大、きざみ食、極きざみ食、ミキサー食やムース食があります。特に注意してもらいたいのはきざみ食です。むせるからといって安易にきざみ食にしてしまいますと、余計にむせることがありますので注意が必要です。
食事介助に注意する
ポイントを押さえていない食事介助を行ってしまいますと、誤嚥性肺炎の原因になってしまいます。適切な食事介助を行いましょう。
ポイントとしては、きちんと飲み込みを確認してから次を食べてもらうことです。介護施設などでは時間に追われることが多いですので、飲み込みを確認できていないのに、次々と食事を口に入れてしまい、結果的に誤嚥性肺炎になってしまうケースが多いです。
また、大きなスプーンで食事介助を行うのはやめておきましょう。一口が多くなってしまいますとそれだけで、むせやすい原因になってしまいます。できるだけ小さなスプーンや箸で行うようにしましょう。
口腔体操を行う
口腔体操とは文字どおり口の体操です。食事をよくむせてしまう高齢者の特徴としては、咀嚼する機能、嚥下する機能が低下しているケースが多いのです。そのため、できるだけ口腔体操を実施して口腔内の機能維持、向上を行うようにしましょう。
食事前に行うと、筋肉がほぐれて食事が食べやすくなりますので、食事前に行うことが効果的になります。
誤嚥性肺炎の予防
誤嚥性肺炎の予防としましては、口腔内の清潔を保つことなによりが大切です。口腔内の清潔を保つことにより、肺へ細菌が運ばれるのを防ぎます。胃液の逆流を防ぐことも予防の一つです。食後は、すぐに横にならずに起きておくことも重要です。口腔内が清潔を保てていない場合は、睡眠時、細菌が含まれている唾液が気管から肺に入り、肺炎になることがありますが、肺炎になっていることに気づきにくい場合があります。
誤嚥性肺炎の患者さんをケアするポイント
嚥下機能が低下している高齢者は、飲食中に誤嚥を引き起こす危険はかなり高いです。このようなときは、できる限り高齢者に寄り添い、安心して食事を提供できる環境作りが重要になってきます。また、食事以外でもその日のバイタルに異変はないかなどを総合的に観察することも重要です。安心して吐き出せるように環境を整えることも対策の一つです。喉の動きも注意深く見守りましょう。もちろん、口腔ケアも怠らないようにしましょう。
誤嚥性肺炎の原因について
食べ物を嚥下せず、口の中に長時間放置している高齢者は、食事の後もずっと口の中に入ったままもしくは溶けてだらだらと気管の方に流れていく場合があります。これは誤嚥性肺炎の原因となります。食事の後は口腔内に食物残渣がないかチェックしましょう。もちろん、歯磨きを行い、口腔内を清潔に保持しましょう。
長時間臥床(ベッドなどで横になる)や寝たきりの状態は避けましょう。唾液とともに口腔内の食物残渣が気管に流れ込みやすくなります。食事介助の場合は、座位を保って、横に座りお話しながら行いましょう。
口腔体操、唾液腺体操と口腔ケア
口腔体操や唾液腺体操を食事前に一緒に行い食べる準備から高齢者に関わることも大切です。口腔ケアは誤嚥性肺炎予防のみならず、認知症、生活習慣病の予防にもつながるとされています。食事の際は、よく噛むことにより唾液の分泌を促すことも重要です。患者の誤嚥性肺炎の発症を未然に防ぐためには、在宅におけるご家族の介護が非常に重要となります。入院時だけでなく、患者さんが在宅でより良い生活ができるよう、ご家族に予防策である口腔ケア、口腔体操、唾液腺体操などをしっかりと指導することも大切です。
観察ポイント
観察ポイントが食事前、食事中、食事後に分けて説明します。食事前は眠気と座位姿勢です。眠気が残っていると危険です。覚醒していることを確認してから食事を行いましょう。また、食事の姿勢も重要です。座位が保持できているか確認します。食事中は喉で食物などがゴロゴロ鳴っていないか確認します。食事中にむせがある場合は、嚥下の前後を確認し、嚥下反射が明確か喉をみて確認します。食事後には口腔内に食物残渣を確認します。残渣あると細菌が繁殖し、誤嚥時の肺炎のリスクが高まります。従って、食後には口腔ケアが最も重要です。食事のたびに口腔ケアを行うことをお勧めします。
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食事の時間は高齢者の生活の中でとても大切なポイントです。実際に見学に行って様子を見てみることも必要ですね。
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