ヘルパーというお仕事
記事公開日:2015/06/08、 最終更新日:2019/03/21
ヘルパーとは
ヘルパー(Helper)は文字通りヘルプする人、手助けする人という意味です。
介護の世界に於いては訪問介護員(ホームヘルパー)のことを通称「ヘルパー」と呼びます。
ヘルパーという呼び名も最近では一般的なものとなってきました。かつては家庭奉仕員と呼ばれていたこともありました。
訪問介護員は「訪問介護員養成研修」の課程を修了して与えられる資格です。介護福祉士とともに介護行為を許されることになります。
講習を受けて修了すればだれでも資格を取ることができます。勘違いしている人も多いかもしれませんが、実は国家資格ではありません。
この資格をとることで訪問介護や夜間対応型訪問介護、定期巡回随時型訪問介護等を行うことができるようになります。
講習課程には一級と二級があります。二級取得者の需要が高いため、二級課程から取得する人が多いです。
また、資格をとったあとも「達成度測定」といって復習テストを行っている都道府県もあります。
資格の制度はまだ整備途中といったところです。厚生労働省は介護の資格を介護福祉士に一本化する方向性を打ち出していますが、ホームヘルパーの需要もまだまだ高いといったところです。介護福祉士の上位資格としても「認定介護福祉士」制度が検討されているところです。
業務の内容
二級取得していると訪問介護での身体介護や家事援助といった業務を行うことが可能になります。
また、取得して実務経験が3年以上になるとサービス提供責任者も可能となります。しかし、その場合には介護報酬は一割減となります。
また、訪問介護だけではなく老人施設でも身体介護ができるようになります。
一級取得者は訪問介護事業所でサービス提供責任者としての業務が可能です。後輩の育成指導、利用者とヘルパーのコーディネートといった業務が可能です。
二級以上の資格をとった人は自動的に福祉用具専門相談員となり、ガイドヘルパーという知的障害者専門の資格も取得します。
研修科目
二級に必要な研修科目は講義と実技、校外実習です。
講義では福祉サービスの基本視点や社会福祉の制度とサービス、ホームヘルプサービスに関する知識、サービス利用者の理解や介護全般の知識を身につけます。家事援助の方法や生活援助、ケア計画の方法等も学んでいきます。
実技に関しては共感的理解と基本的態度の形成、基本介護技術、ケア計画を自分で作成し、記録や報告に関しても行います。
校外実習で実際に介護実習、ホームヘルプサービス同行訪問、在宅サービス現場見学といったことを行います。
一級では社会福祉関連制度とサービス、介護方法と技術、チームケアについて講義で学びます。実技ではケアマネージメント技術、指導技術と介護技術について本格的に学習します。
校外実習では認知症の高齢者に対する対応を実習したり、デイサービスセンター実習やチーム運営方式業務実習、訪問看護同行訪問、在宅介護支援センター職員との同行訪問といった科目を修めます。
こうしてヘルパーの資格を取得することになります。
ヘルパーと老人ホーム
住宅型老人ホームと介護つき老人ホームではヘルパーの仕事内容も若干変わってきます。保険適用の範囲内でのサービスをする必要がありますし、訪問ヘルパーが施設にきてくれる場合もあります。
ホームヘルパーができること
自宅で生活する場合は介護だけでなく掃除や洗濯、食事の用意など日常生活のお世話をしてくれますが、時間が限られているために行き届かない場合も多いです。また、場合によっては通院や外出の同行や代理で買い物などに行くこともあります。利用者によっては「ただ、話し相手になるだけでいい」と言う利用者もあり、それぞれですが保険適応外のサービスはしないことを利用者にうまく説明する必要があります。
ヘルパーの資格
グループホームや老人ホームの中には、ヘルパーの資格がなくても働いている人はおられます。無資格だと何かと問題があるように思いますが、慢性的に人手不足な介護施設が多いので、他人を思いやる心のある人や、それなりの知識を持っているのであれば、資格を持っていても心の冷たい人に比べると利用者としてはありがたいでしょう。とりあえず資格を持っているからと施設で働いていても、虐待や意地悪などする人がいるのが悲しい現実です。
老人ホームでのヘルパーの役割
老人ホームや施設のヘルパーは、無資格でも最低限の知識レベルと思いやりがあれば働くことが可能です。また、男性ヘルパーの存在も必要ですが、一般的に女性の仕事と思われがちです。特に女性の利用者の場合、動作補助や入浴介助、排泄介助など男性が関わりにくい状況にあります。
ですが、介護の仕事は力を要するときも多く、男性ヘルパーを求める施設も増えています。また、女性の利用者の中には、自分の子供が優しく接してくれている感覚になり、気持ちが安らいでいく場合もあるかもしれません。高齢者が増えていく時代なることが間違いないですから施設での仕事も増えていくことが予想されます。
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