要介護って何?
記事公開日:2015/06/10、 最終更新日:2019/02/22
目次
要介護ってなんだろう
介護施設を探している時に必ず出てくる「要介護」という言葉。
これは介護保険を利用するために必要なものです。
介護保険を利用したサービスを受けるためには役所から「要介護認定」を受けている必要があります。これはその字義通り、介護が必要な方、という意味です。
要介護度は5段階に分類されていて、どの段階かによって受けられる保険サービスの内容も変わってきます。
要介護認定には要介護と要支援があります。要支援は要介護よりも軽度の状態です。
要支援とは
要支援とは「今のところ介護の必要はないが将来的には要介護状態になる可能性があるので今のうちから支援をしよう」という状態のことです。
今はまだ身の回りのことを自分でできても今後年をとると身体能力は衰えます。適切な対策をとって身体機能を維持させようということを「介護予防」といいます。要支援の方は主にこの「介護予防」のサービスを受けることになります。
要介護になりやすい高齢者の特徴
要介護になる原因のうちわけについて厚生労働省が調査した結果が出ています。
平成13年の国民生活基礎調査によると、65歳以上の要介護の原因で一番多かったのが脳血管疾患で26.1%でした。次が高齢による衰弱で17%。その次に転倒や骨折次いで認知症、関節疾患、パーキンソン病といった風になっています。
要介護を予防したいのであればこれらの病気を防ぐ必要があります。こういった疾患の原因となっているものがメタボとロコモだと考えられています。
メタボは言わずと知れたメタボリックシンドロームのことで要は肥満です。
メタボによる疾患が脳卒中や心疾患、糖尿病といったものです。
これらは要介護の原因として深く結びついている病気です。
また、ロコモとはロコモティブシンドロームのことで、運動器の衰えのことです。
ロコモによる疾患は関節疾患や骨折、転倒、脊髄損傷などがあり、これらも要介護の原因としてよく上がるものです。
要介護にならないためにはこのメタボとロコモに十分注意していく必要があります。
メタボになる人の特徴
メタボになる人は食生活の管理ができていない人です。
内臓脂肪がお腹の周りにつきすぎていると糖尿病や高血圧、脂質代謝異常症といった病気を発症します。
こういった内臓脂肪がつきやすい生活とはどういったものかというと要は摂取するエネルギーが排出するエネルギーを上回っている生活スタイルです。
また、ストレスがたまりやすい、飲酒や喫煙をしている、生活が不規則といった条件が重なるとメタボになりやすいです。
働くサラリーマンなどに特に多いといえるでしょう。
ロコモになりやすい人
メタボはどちらかというと男性の病気といった印象がありますが、一方でロコモは女性に多い病気です。
女性は男性と比べると筋肉量が少ないです。
女性の中でも特に運動量が少なく、肥満の人は要注意です。
適度な運動をしていると筋肉や骨はもっと丈夫になろうとします。適度な負荷を与えることで筋肉や骨が新しく丈夫に生まれ変わっていくのです。こうした人はロコモにはなりにくいです。
しかし、身体を動かす習慣がない人はロコモになりやすいといえるでしょう。
特に肥満の人は要注意です。膝や腰に負担がかかるため、ロコモになりやすいです。これは女性に限らず男性も同じです。
また、女性は年を取ってくると膝軟骨や靭帯が弱く膝関節を痛めやすくなります。特に閉経前後に骨量が大幅に減るので危険性が高まります。
こういった膝の痛みや腰の痛みがあると余計に身体を動かさなくなってしまいます。それが原因となって体重がさらに増えて・・・といった悪循環が生まれます。
動けるうちからよく運動する習慣をつけ、丈夫な体づくりをしていくことがロコモにならないための習慣です。肥満予防にもなり、20年経っても元気に自分の足で歩けるはずです。
要介護認定を受けるには
要介護認定を受けようと思ったら要介護の申請を行う必要があります。
申請は本人ではなくても、家族や居宅介護支援事業者、地域包括支援センター、成年後見人、介護保険施設といったところに代わりにお願いすることもできます。
住んでいる市町村の窓口へいき、そこで申請をします。介護が必要かどうか市町村の職員などが調査し、30日以内には結果が通知されます。
職員等の調査員が訪問で調査をし、医師の意見書を提出。それからどのくらいの介護が必要か審査会で審査されて要介護認定の通知が来ます。
審査会ではコンピュータでの判定結果や医師の意見書をもとにして
・介護や日常生活に支援が必要か
・どのくらいの介護が必要か
といった内容で話し合われます。
第二号被保険者については老化にともなう病気によるものかどうなのかといったことについても話し合いがされます。
介護の必要な度合いによって要支援1~2あるいは要介護1~5のどの段階かが決定されます。
要支援に該当した場合には介護予防サービスを利用できるようになります。地域包括支援センターでケアプランを作成してもらいましょう。
一方、要介護になった場合には介護サービスを利用できるようになります。在宅サービスか施設サービスを選びます。
在宅サービスの場合には利用者が居宅介護支援事業者を選び、そこのケアマネージャーにケアプランを作成してもらいます。
施設サービスの場合には希望の施設を選びます。そして施設のケアマネージャーにケアプランを作成してもらいます。
また、どちらにも該当しなかった方でも介護保険外のサービスや介護予防事業は利用することができます。介護予防事業は地域支援事業の一環で行われています。地域包括支援センターでケアプランを作成してもらうことも可能です。
要介護区分、どんなレベルを想定しているのか
要介護区分は1から5までありますが、何を基準に決めているのか、要介護度によってどのような基準、レベルがあるのでしょうか。なんとなく、要介護5は状態が悪く、要介護1はまだ大丈夫と思いがちですが、具体的な想定レベルを理解しておきましょう。
①要介護1では一人暮らしがまだ出来る
要介護1ではほぼ自立していると考えられており、若干の見守りが必要なレベルです。出来れば家族との同居が望ましい状態ですが、一人暮らしも介護保険サービスを使いながらならなんとか生活ができるというレベルです。
失敗はあるが排泄や食事は一人でできます。
②要介護2と3は一人暮らし困難
要介護2であれば、日常生活の一部分に介助が必要なレベルです。車椅子を使用している方も要介護2になりやすいです。一人暮らしは困難であり、家族や介護サービスでの介護が必要な状況になっています。
要介護3も同様に一人暮らしは不可能だと思われるレベルです。食事や排泄などには常に介護が必要な状態ですし、認知症で手がかかる人も要介護3が付けられやすいです。
③要介護4と要介護5
要介護4や要介護5では常時介助が必要であり、寝たきりもこのレベルになります。要介護4と5の違いは、5は医療的な処置や、末期、ターミナルケアが必要な場合に要介護5が付けられやすいです。
要介護5はなかなか付けられることはありませんが、よくある高齢者の医療処置で知られている胃ろうなどの場合は要介護5が付けられやすいです。
④どれだけ介護の時間が必要なのかで判断される
介護を認定する際に、基準となるのは1日のうちにどれだけ介護が必要なのかということです。そのため、体が悪くても、病気をしている状態でもある程度日常生活が自分でできている状態であれば、介護度は軽く出る傾向にあります。
反対に認知症の方の場合は、常時見守りが必要など、介護者の手を長時間必要としますので、要介護度が重く出る傾向にあります。
そのため、要介護4と5の差は、医療的なケアに必要な時間の差だといえます。
要介護の限度額はどのぐらいあるか
要介護の認定を受けると月に使える単位数が、要介護度によって変化します。要介護1が最も低く、要介護5が最も高いのですが、実際の限度額はどのぐらいなのでしょうか。また、使えるサービスなどはどれぐらいになるのでしょうか。
①要介護1と2
要介護1では月に使えかえるのは16692単位、要介護2であれば19616単位です。
1単位が10円ですので、おおよそ単位数の10倍の金額が介護保険として使えるという計算です。
デイサービスであれば要介護1なら月に18回前後、要介護2であれば22回前後通うことができます。
また、訪問介護とデイサービスを組み合わせると毎日誰かが来るという状況を作ることもできます。
②要介護3
要介護3は月に使える単位は26931単位になります。
このぐらいの介護度になればショートステイの使用を考える人も多いです。
ショートステイであればギリギリ1か月使用できるぐらいの単位数になります。特養に入れるのも要介護3からです。
③要介護4と5
要介護4では30806単位、要介護5で36056単位です。
要介護4や5になると、在宅での生活は難しくなりますが、在宅で生活ができない場合は施設入所も優先的にしてくれます。
サービスモデルとしては、ベッドや車いすをレンタルしつつ、朝と夕方はヘルパーがきておむつ交換、週に3回程度はデイサービスに通って、月に5泊ぐらいはショートステイというある程度介護保険に頼った生活を送ることができます。
④限度額を超えた場合は
限度額をもし超えてしまった場合は全額自己負担になります。しかし、自治体で高額介護サービス費支給と呼ばれる制度があります。これは自己負担額が高額になった時にある程度負担してくれるというサービスです。
しかし、毎月オーバーしてしまう場合は、介護度が合っていない可能性がありますので、要介護認定の変更申請を行うなど、再度認定調査を受けてみるのもよいでしょう。
施設を効率よく探すには?
要介護認定を受けた高齢者のための住まい探しはこちらから無料で相談しましょう。要介護度が低い方も高い方もまずは相談しましょう。その方の身体の状態に合わせて快適に生活できる住まいを紹介してくれます。
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