在宅介護サービスについて
記事公開日:2015/06/12、 最終更新日:2023/12/22
目次
男性で在宅介護する人が増えています
育児に積極的な男性のことを「イクメン」と呼び、企業でも男性に育児休暇を許可したりする動きが近年高まっています。
同じように、母親や妻など家族の介護を男性が担うケースも増えてきているようです。
“介護は家事のうちのひとつで女性の仕事”
といったイメージもまだまだ強いです。家事に不慣れな男性が介護をこなすことができるのでしょうか。
当然ストレスを抱える人も多いそうです。
女性の場合、多くの人が子育てを経験しています。自分の思い通りにいかない赤ちゃんを育ててきたという経験が介護にも活かされてきます。
しかし、多くの男性は育児もほとんどしたことがありません。
男性の仕事というのはスケジュールをたてたり、職場を取りまとめたり、全国各地を飛び回ったりといったものです。
そういった男性にとって家での仕事というとなにから手を付けたらいいのかわからなくなってしまうことが多いそうです。
女性は時間や手間を調節しながら家事をしながらその隙に介護をするといったことも上手にこなす人が多いですが、男性はスケジュールを組みながら仕事をこなしたい人が多いです。
スケジュール通りにいかない介護はストレスがたまりやすいといえるでしょう。
悩みを打ち明ける場
男性介護者を支えるための自治体やNPO団体の動きも活発になっています。例えば広島市佐伯区では全国でも早い段階で男性介護者の支援に動き出しました。
男性介護者と接することの多い区の職員が男性介護者同士が交流を持てる場をつくろうと考えたのが発端です。
月に一度男性介護者同士の集まりを開き、介護おむつの使い方や種類について情報をシェアしているそうです。
情報共有だけでなく、日頃介護する上での悩みを打ち明け合うことで大きな励みになります。
在宅介護で一番大切なのは悩みを1人で抱え込まないことです。特にこれまで外で働いていた男性にとって一日中家で誰とも会わずに過ごすのは大きなストレスとなります。
同じ悩みを持つ人に相談したり、周りの人に助けを求めることを積極的にしていきましょう。
自分にとってやりやすいスタイルを見つけて介護と向き合っていくのが在宅介護のポイントといえるでしょう。
高齢者本人の意思は?
老人ホームと聞いて何を思い浮かべますか?プロとして介護に携わって自施設に誇りを持っているのでもない限り、良いイメージを持っていらっしゃる方はまだ残念ながら少ないのではないでしょうか。
平成23年度の調査で老人ホームなどの施設に入りたいと回答した高齢者本人の割合は4割を超えていますが、入所希望の理由は家族に負担を掛けたくないというものが6割弱を占めています。
家族介護者の内訳としては配偶者や子どもの場合もありますが、同居の場合はお嫁さんも多いです。
親ならば子どもに負担を掛けたくないでしょうし、お嫁さんにも気を遣います。
そうなれば、「負担を掛けたくないから」と施設入居を希望する気持ちも分かります。
家族に負担が掛からない、或いは著しく軽減できれば、少なくとも高齢者本人の6割弱の施設入居希望の理由を解消でき、人生の最終章を家で家族と気兼ねなく過ごせる可能性が高まるわけです。
必要な在宅介護を確保しつつ家族の負担を減らすには?
訪問介護や通所介護(デイサービス)、ショートステイ等を利用する事で家族の介護負担を減らす事が出来ます。
介護保険制度を利用するには、保険者(住所を有する市町村)からまず要支援・介護認定を受ける必要があります。これは自宅に調査員が来て家族と高齢者本人から聞き取りを行います。聞き取りの結果をコンピューターに登録し分析します(1次判定)。1次判定の結果と聞き取り時の特記事項・主治医意見書等の内容を鑑みて介護認定審査会により審査・判定(2次判定)が行われ、認定を受けます。
因みに認定の結果に不服がある場合は不服申し立てをする事が出来ます。
認定を受けた後居宅介護支援事業所(訪問介護やデイサービス)にサービス利用を申し込みます。
そうするとサービス担当者会議が開かれ、日常生活で自立に向けてどのようなサービスを必要としているのか、どれくらいの頻度でサービスを提供するのか等が話し合われケアマネージャーによって居宅サービス計画が立てられます。この計画に沿ってサービスが提供されます。内容の説明を受け、同意する場合は署名・捺印します。これで事業所から介護サービスを受ける事が出来ます。
自立した生活に向けて必要なこと
「ヘルパーが来ている間や、デイサービスに行っている間は良いけど、家には手すりが無く段差もあるし心配」、「家には介護の用具がない」という場合の為に介護保険には居宅介護福祉用具購入費・居宅介護住宅改修費が設定されています。
まず、居宅介護福祉用具購入費とは毎年4月1日から12ヶ月を管理期間として支給限度基準額10万円が設定されています。(原則的に同一年度で1種目につき1回。)
介護保険では福祉用具はレンタルが原則ですが、入浴や排泄等の用具はレンタルには適さない為、購入になっており、購入した時に支給されます。
居宅介護住宅改修費は手すりやスロープの設置・滑り予防の床材変更等の住宅改修を行った場合に支給されます。支給限度基準額は20万円です。
在宅介護の様々な事情
在宅介護とは読んで字のごとく、老人ホームに預けるのではなく、家で介護をすることを言います。
要介護度が低く、家で介護できる環境にある場合には在宅介護を選ぶ人も多いです。
住み慣れた我が家でこれからも暮らしていくために、大きな味方となってくれる存在が在宅介護サービスです。さまざまなサービスを選択、あるいは組み合わせることでご本人だけでなくご家族の負担もぐっと減らせることでしょう。
在宅介護のメリットについて
介護が必要になってくると、誰が介護をするのか、家での生活が継続できるのか等様々な問題点がでてきます。特別養護老人ホームや、サービス付き高齢者住宅でも、待機人数は多く、すぐには入居出来にくいのが現状です。ここでは在宅介護におけるメリットをご紹介したいと思います。
①本人が安心して暮らせる
一番のメリットはやはり、本人が安心して過ごす事が出来る点であると思います。誰でも住み慣れた場所が一番安心できる事でしょう。
施設等の集団生活では、今までの自分の生活スタイルとは違ってくるでしょうし、他者へ気を遣う事もあるでしょう。独居等の場合はもしかすると転倒した際や、病気になった際等の不安があるかもしれませんが、多くの場合は自宅での生活を望んでおられる事でしょう。認知症の方は特に、場所が変わると混乱し、落ち着かない事がありますので、住み慣れた自宅の方が精神的に安定して過ごせる場合が多くあります。
②家族が集まる
親等の介護が必要になると、多くの場合、一番の介護者は子が主になってくる事でしょう。年々、同居している家族は少なくなっており、高齢夫婦の世帯や独居の世帯が増えています。それぞれの生活があり、なかなか顔を合わせたり、家族が揃うという事も少ないかもしれません。ですが介護が必要になると、頻繁に足を運んだり、兄弟と連絡を取り合ったりと、親の介護を通して、必然的に家族が集まる機会が増える事でしょう。
良い事ばかりでは無く、その家庭それぞれに問題が出てくるでしょうし、良い事ばかりでは無いでしょう。ですが、家族で相談し、家族で支えていくという事は介護される側にとってもとても嬉しい事でしょう。
③施設入所よりも金銭的に少ない負担で済む
在宅介護の場合は、訪問介護や訪問看護、デイサービス等の必要なサービスを選択し、利用する事ができます。家族で頻繁な訪問や、介護ができるのであれば訪問介護等の必要はありませんし、本人の介護状態や家族の状態によって必要なものだけを利用すると良いでしょう。
在宅介護サービスについて
介護と仕事の両立
介護をするために仕事をやめる人もいます。
つきっきりで見ていなくてはいけない、介護と仕事を両立できる気がしないといった理由で仕事をやめてしまうことが多いようです。
しかし、最初から専業主婦だったり、仕事をやめても収入が見込める場合を覗いて、介護のために仕事をやめるのはあまりおすすめできません。
訪問介護サービスやショートステイ、デイサービスといったものを利用することで仕事を続けることができます。
家にいない日中や夕方まではサービスを利用し、夜や休日は自分で介護をするといったことが可能です。
要介護の認定を受けているのであれば自己負担額1割の範囲でこういった福祉サービスを受けることができます。
施設に入れることの罪悪感
老人ホームに入れるのはこれまで育ててくれた親に対する責任を放棄している気がする・・・そんなふうに考えて介護の責任を自分で背負う人もいます。
また、高齢者ご自身でも、老人ホームに入る=姥捨て山のようなイメージをもってしまっている人もいます。
老人ホームに入れるのが子の責任の放棄とは必ずしも言えません。むしろ老人ホームに入ったほうがどちらにとってもいいことが多いでしょう。
子どもに迷惑をかけたくない、むしろお金を払って赤の他人に面倒をみてもらうほうがいいと考える人もいます。そのほうが気兼ねなくなんでもお願いできるからです。
また、最近は老人ホームといってもサービス付き高齢者住宅のように、賃貸住宅で暮らしながら介護サービスを受ける人も多いです。こういった賃貸住宅の数は地方でも増えています。
特別養護老人ホームや有料老人ホームなどに入れない人でも開いている物件をすぐに見つけることが可能です。
また、都心や駅の近くにある物件も多いのでご家族の家のすぐ近くに住むことも可能ですし、会いに行きやすい場所に住むのもいいでしょう。
要介護3~5の人は在宅と老人ホーム入居どっちがお得?
要介護1~2の人は在宅と老人ホーム入居どっちがお得?
要支援1~2の人は在宅と老人ホーム入居どっちがお得?
介護疲れの問題
自宅での介護で一番心配なのが、介護者に限界がきてしまうことです。
仕事をやめて親の介護の責任をすべて自分一人で負ってしまうと他の人に助けを求めたり、相談したりといったことがしづらくなってしまいます。
そうして限界を迎えてしまった人は被介護者と共倒れになってしまいます。
在宅介護は特に家に閉じこもりがちになり、関わる人も限られてきます。そうした閉塞的な空間はうつになりがちです。
在宅介護をしていく上で介護うつや介護疲れにならないように、ヘルパーさんや様々な福祉サービスを遠慮無く利用し、介護につきっきりになるのではなく気分転換や休息の時間をしっかり設けることが大切です。
在宅介護をしていく上での心がまえ
これから介護をしていかないといけないとなると不安も感じるし重圧ものしかかるでしょう。
しかし、介護をしていく上で大切なのは頑張り過ぎないことです。ゆとりある介護生活をおくるためのポイントを紹介していきます。
1人ではできない
介護は絶対に1人では背負いきれない大変な仕事です。介護施設でも1人の人に対して何人ものスタッフで対応しています。ですから決して1人でやろうと思わずなるべくヘルパーやショートステイといった専門家のスタッフにお任せするようにしましょう。
介護を自分ですべて引き受けたり問題を抱え込んでしまう人はやがて必ず倒れてしまいます。周りの人も1人に任せっきりにしないように配慮しましょう。
いたわりの心
介護をする上で高齢者の身体や心に対していたわりの心を持つことは大切です。高齢者の気持ちに寄り添い、希望や悩みに耳を傾けましょう。心が落ち込んでいるときにはどうしてそうなっているのか、相手の気持ちに立って考えることが大切です。
規則正しい生活
実は介護生活を円滑に行うためには規則正しい生活のリズムを保ち続けることはとても大切です。
介護の時間、その他の家事をする時間をしっかり決めて毎日スケジュール通りに作業をすすめます。そして休養の時間や1人になる時間も必ず確保するようにしましょう。
こうして計画的に物事をすすめることで介護にかかりっきりにならないですし、介護が円滑に進められます。
プロと接することが大切
介護が始まる初期の段階から介護のプロと接する機会を持つようにしましょう。医療機関や介護スタッフと連携して在宅介護を進めていくことはとても大切です。
また、市区町村の窓口担当者から地域のサービスや行事、制度について情報を入手しておくのもいいでしょう。
訪問診療や訪問ヘルパー等は最初からずっと同じスタッフにお願いすることで当人の症状をよく理解してもらえます。変化があったときにもすぐに気づいてもらいやすくなります。
やがて自分が要介護になる時に
介護をすることで自分が将来要介護になった時の備えや心がまえをしておくこともできます。
介護生活を経験しておくと健康のことや身の回りのこと、お金のことなどなにをどんな風に用意しておけばいいのかがある程度わかってくるでしょう。
また、自宅で介護をすることで家族全員が協力しあう機会を持てるようになったという人も多いです。
将来要介護にならないのが何より一番ですから、健康に対する意識を高めて、将来のリスクを最小限にするように心がけるのも介護生活をしていく上で大切なことといえるかもしれません。
在宅介護で生じるストレスとの付き合い方
在宅介護ではストレスを感じる事が多くあるでしょう。「自分の自由な時間が無い」・「夜もぐっすり眠る事が出来ない」・「腰痛が悪化した」等、介護をされておられる方は様々な悩みを抱えているかと思われます。そこで、ストレスとの付き合い方を考えていきたいと思います。
①頑張り過ぎない
相手が自分の言う事を聞いてくれなかったり、よかれと思ってした事が裏目に出たりと、介護はなかなか自分の思い通りにいかない事が多くあります。例えば、「きちんと着替えさせなけらばならない」や、「きちんと食べさせなければならない」等、責任感の強さや完璧な介護を目指すあまり、理想とのギャップにストレスが生じる場合があります。「これ位でいいかな」と自分自身のハードルを下げる事も時には大切です。
②介護サービスを上手く使ってリフレッシュ
自宅で一日中、365日介護をするのはとても大変です。要介護度によって、利用できるサービスの量等は少し違ってはきますが、排泄の介助・入浴の介助・食事の世話・着替え等は、訪問介護でのサービスを利用する事も可能です。介護について相談にものってくれるかと思いますので、不安の軽減にも役立つかと思います。
又、デイサービスやデイケア等の通いのサービスを利用する事も可能です。外出中に自分自身の好きな事をしたり、用事等を済ます事もできます。ショートステイを利用すれば、旅行等で自分自身のリフレッシュもできます。後ろめたい気持ちもあるかもしれませんが、自分自身の心にゆとりが無ければ良い介護はできません。
③相談する
1人で在宅介護をするのは大変難しい事です。介護する人数や相談できる人数は多ければ多い程良いでしょう。家族・ご近所の人・友人等助けてもらえる人には助けてもらいましょう。全て私がしなければと背負い込む必要はありません。地域包括支援センターや役所等にも相談窓口は設けられていますので、自分自身が潰れてしまう前に相談しましょう。
介護でストレスを溜めない方法
在宅介護は、家事以上に休む暇がありません。ともすると介護者は自分の生活を疎かにして、要介護者にすべての時間を奉げていることがあります。
けれど、毎日何時間も顔を突き合わせて介護をしていると、ストレスが溜まらないわけがありません。介護者がイライラすると、要介護者も影響を受けて険悪になることがあります。そこで、ストレスを溜めずに解消する方法を考えてみましょう。
①愚痴や思いを吐き出す場をつくる
介護者は、介護の大変さを周囲が理解しない時に不満や怒りを覚えることがあります。周囲の理解を促すことが重要ですが、それすらも介護者に任されているとなると途方もない労苦に感じます。わからないならそれで結構、と思ってしまいがちですが、それだと余計にストレスを溜めこむことになります。
そういう時は、介護者で構成された地域の家族会などに思い切って参加してみましょう。家族会には、介護の大先輩がたくさんおり、みなが通ってきた道でもあるので不平も不満も愚痴も全部受け止めて話を聞いてくれます。同じ思いを共有できる人がいるだけで、とても心強くなれますし、また困った時にはアドバイスも受けられます。
②感情を吐き出す機会を作る
普段、介護をしている時は、嫌なことも顔に出さないようにと感情をコントロールしているはずです。それがまたストレスを溜める原因にもなっています。そこで、思いっきり泣いたり笑ったり出来る時間を作りましょう。
本や映画やドラマなど、この作品なら絶対泣ける・笑えるというものが必ずあるはずです。自宅にいると気を使って泣けない場合は、図書館の視聴覚室やマンガ喫茶などを利用しても良いでしょう。
人目を憚らず涙を流すと、意外なほど気持ちがすっきりします。実は涙の成分にはストレスを解消する作用があるので、泣くというのは非常に効果的なストレス解消法です。また大声で笑うこともストレス発散に効果があります。
③自分の時間を持つ
前述したふたつのことに共通しますが、介護から離れて自分だけの時間を持つことが重要です。週に1~2日、1~2時間で良いので、できれば身体を動かして夢中に何かをしましょう。テニスやダンスサークルに参加したり、コーラスや管弦楽など音楽サークルもいいでしょう。肝心なのは、1人でフィットネスに行くのではなく、仲間のいる場所、対戦相手のいるゲームに参加することです。自宅で集中して趣味に没頭できる方はそれでも良いのですが、どうしてもふと我に返って介護のことを考えてしまいがちです。家から出るのが億劫でも、まったく介護からかけ離れた場所で、思い切り身体を動かすように心掛けましょう。面倒だと思っても、いざその場に行ってみると、とても楽しい時間を過ごすことができて、気持ちが前向きになります。
施設を効率よく探すには?
最近は子育てと介護を両立しなければならない女性も増えてきています。仕事をしながら介護をする人も多いです。介護を続けているとやがて体が限界を迎えてしまうことも考えられます。今のうちに老人ホーム入居について考えたい方はこちらから無料で相談することができます。これ以上介護を続けていくことが難しいと思ったら早めにプロに相談しましょう。
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