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特養(特別養護老人ホーム)とは

記事公開日:2016/01/07、 最終更新日:2019/03/06


特別養護老人ホームでの機能訓練の目的

特別養護老人ホームとは

 

特別養護老人ホームは、「特養」の略称でも知られています。入所できるのは65歳以上であり、これまでは要介護1以上でしたが2015年度から要介護3以上の認定を受け、自宅での介護が困難な高齢者に限られます。特別養護老人ホームの運営事業を担うのは地方自治体や社会福祉法人であり、入居希望者の入居の可否は各自治体が定めた入居検討委員会によって行われます。費用が他の民間老人ホームと比較して安いことから入居希望者は非常に多くなっています。緊急性の高い方から入居が優先されますが、数年~長い場合には10年近くの待機を余儀なくされる場合もあります。現在、国内で入居を待つ待機者の数はおよそ40万人とも言われています。

特養では、入所者の在宅復帰に向けた各種介護サービスを提供することが定められています。入浴や食事、排せつといった日常生活における支援のほか、機能訓練や健康管理をはじめとした各種サービスを入所者の意思や人格を尊重しながら提供していきます。

 

特養のメリット・デメリット

メリット デメリット
・費用が安い・入居一時金が不要・重度対応が可能な為、長期入所が可能 ・入居までに時間がかかる・医療サービスを提供していない施設がほとんど・基本的に多床室でプライバシーが限定される

 

特養の概要・入居の条件

65歳以上で要介護度3以上の認定を受けた方が対象となります。このほかに、「長期の医療行為を必要とする状況にない」など特養ごとによって条件が定められているので、事前の確認が必要です。入居者には介護・看護スタッフによる各種日常生活の支援やリハビリテーション、あるいはレクリエーションなどが提供されます。しかし、サービスの内容は民間運営の老人ホームと比較してバリエーションに欠けることが多くなっています。また、医学管理課でのケアには対応していない特養が多くなっています。

 

特養の費用

特別養護老人ホームの場合、初期費用は一切必要ありません。月額使用料は施設の設備や地域、あるいは世帯収入(課税額)などによって変動しますが、おおむね5~15万円程度であることが一般的です。金額面で本人・家族の負担が低いことは特別養護老人ホームの最大の特長となっていますが、一方で多くの待機者を生み出す原因ともいえます。

 

特養の設備

居室は個室と多床室に分類されます。個室は、10人程度の生活単位(ユニット)が設定されていない「従来型個室」とユニットごとに共同生活室が設置された「ユニット型個室」の2種があります。また、多床室はその名の通りひとつの部屋に多くのベッドが並んだ形態です。これまでは多床室や従来型個室で構成された特養がほとんどでしたが、現在は徐々にユニット型個室への切り替えが進められています。また、居室内にはトイレやキッチンは設けられておらず、共同設備としてトイレや浴室(機械浴室)が備えられています。

特別養護老人ホームでの機能訓練の目的

特別養護老人ホームには最低1人以上の機能訓練指導員を配置しなければなりません。

この機能訓練指導員というのは、理学療法士、作業療法士、看護師、柔道整復師、あんまマッサージ師のいずれかの資格を持ってることが条件で、入所者の日常生活動作の維持、向上を目的とした機能訓練やリハビリを行います。

 

①機能訓練指導員の役割

特別養護老人ホームは、入所者にとっては生活の場です。そのため、今ある機能を向上させたり鍛えるような積極的な機能訓練やリハビリを行うのではなく、少しでも自分でできることを長く続けていけるように、機能訓練指導員はそれぞれにあった機能訓練やリハビリを行います。

これらは、機能訓練指導員が作成する機能訓練計画書に沿って行われます。その内容は、本人や家族の希望と実際に介護を行うスタッフの意見を反映し、現在の身体機能を評価した上で作成され、3ヶ月に1回程度の間隔で見直し、作成が行われます。

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②どんな機能訓練、リハビリをするのか

基本的には日常生活動作を維持していくための機能訓練、リハビリになります。機能訓練指導員による機能訓練やリハビリは、歩行訓練や移動動作など本格的な内容ですが、それだけではありません。機能訓練計画書に基づいて、介護スタッフが行うものもあります。

機能訓練やリハビリという特別な時間以外にも、介護スタッフが関わりながら生活する中で様々な動作をします。その動作ひとつひとつが入所者にとっては機能訓練であり、リハビリになります。

これは生活リハビリといい、日常生活でできることを少しでも増やし、また維持していくことが入所者にとって自信につながります。その自信があるからこそ、特別養護老人ホームで入所者がその人らしく豊かな生活を送ることができるのです。

 

③最期まで行う機能訓練

入所している方にとって、特別養護老人ホームは終の棲家です。機能訓練やリハビリによって日常生活の中で自分でできることをできるだけ維持しながら生活をしていても、いずれは最期のときを迎えます。動くことができなくなり、ベッド上での生活になってからも食事を摂りやすいように体勢を整えたり、床ずれができたり、少しでも苦痛を感じることがないように身体の向きを変えることも大切な機能訓練です。

少しずつ変化していく身体機能に合わせて、そのときに必要な機能訓練計画書が作成されます。最期のときまで行われる機能訓練は機能訓練指導員、そして介護スタッフによる、最期までより良く生きるための手助けなのです。

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