高齢者のためのプラークコントロール
記事公開日:2016/01/29、 最終更新日:2018/07/11
歯磨きで防げる病気がある
食事をした後しばらくすると、歯と歯茎の境目あたりにザラザラ、ネバネバした白い塊ができます。これは食べカスではなく、プラーク(歯垢)という細菌の塊なのです。口の中の細菌は食べ物の中の糖を餌にして住みかとなるプラークをつくります。このプラーク1mg中には数億から10億個、虫歯菌や歯周病菌を含む300種類の細菌が存在しています。
①プラークの影響は口の中だけじゃない
(1)虫歯になる
虫歯菌のミュータンス菌は糖を取り込んで酸を作り出し、その酸が歯を溶かして穴を開けることで虫歯を作ります。
(2)歯周病になる
歯周病菌は毒素を作り、毒素の刺激で歯を支える歯茎の周辺の組織が炎症し、腫れたり出血を起こします。さらに酷くなると歯を支えている骨も溶かしてしまいます。
(3)口臭の原因になる
細菌が出すガスが口臭になるほか、虫歯や歯周病も口臭の原因になります。
(4)誤嚥性肺炎の原因になる
高齢になると食べ物を飲み込む能力が低下するため、食べカスや唾液などが誤って気管支に流れ込む誤嚥を起こしやすくなります。誤嚥してもうまく吐き出すことができず、口の中の細菌が肺に感染し誤嚥性肺炎を起こします。
(5)糖尿病と歯周病が共に悪化
歯周病菌に対する免疫反応でできるサイトカインという物質は血糖値を下げるインスリンの働きを弱くしてしまいます。そのため血糖値が上がり、糖尿病が悪化したり血糖コントロールが悪くなります。また、糖尿病が悪化すると感染症にかかりやすくなり、歯周病菌の影響も受けやすくなるため歯周病も悪化してしまいます。
(6)心臓の病気をおこす
歯茎から血管に入り込んだプラークは血液の流れにのって血管壁に炎症を起こします。炎症を起こした血管はもろくなり動脈硬化をおこしたり、血栓をつくります。血栓が剥がれ心臓にたどり着くと心筋梗塞を起こします。また、心臓の内膜に炎症をおこすと感染性心内膜炎を発症してしまいます。
(7)早産の原因になる
歯周病で発生するサイトカインは子宮の収縮を促すプロスタグランジンという物質の分泌を促進させるため、早産になる危険性があると言われています。
②プラークのついていない歯にする
歯にプラークがついたままでいると、プラークが産生する酸や毒素によって様々な悪影響を受けます。そのため、プラークのないきれいな歯にしておくことがとても大切です。
歯磨きなどによってプラークの量をできるだけ少なくすることをプラークコントロールと言います。プラークは歯の表面だけではなく隙間にも付着しているためフロスや歯間ブラシを使用します。歯磨きのヘッドの大きさは好みがありますが、できるだけコンパクトなものの方が奥歯も磨きやすいです。
③効果的な歯磨きで行うプラークコントロール
歯は磨いていれば良いのではなく、磨けているかが重要です。また、歯周病や虫歯にならないよう、適切な歯磨き方法を身につけることも効果的です。
歯を磨くときは歯の1本1本を磨くように細かく、小刻みに毛先を動かします。このとき、強く磨いても意味はありません。優しく丁寧に磨くことを心掛けます。そして、フロスや歯間ブラシで隅々までプラークを落としていきます。特に奥歯、歯と歯茎の境目、隙間は磨き残しが多いので意識して磨きます。このような過程を行うと最低でも15分はかかってしまいます。毎回時間をかけてプラークコントロールができれば、歯周病や虫歯の予防効果は上がりますが実際はなかなか難しいと思います。しかし、プラークが酸や毒素を産生するのには24時間から48時間ほどかかるので、1日1回プラークコントロールの時間をつくるようにすることでも十分効果は得られます。
また、虫歯をつくらない歯磨きのタイミングは食後が理想的です。唾液はプラークの中の虫歯菌の出す酸を中和する働きがあります。そのため、食後15分くらいで歯磨きをすることで効果的な虫歯予防ができます。
このように、プラークコントロールを行いできるだけ長い間自分の歯で食事ができ、様々な病気から自分で身を守りましょう。
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