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うつ病に対応が可能な老人ホーム

記事公開日:2016/03/04、 最終更新日:2019/03/28


うつ病に対応が可能な老人ホーム

高齢になってからうつ病を発症した方が入居する場合、何に注意して老人ホームを選べばよいのでしょうか。また老人ホームではうつ病の高齢者に対してどのような対応をとってくれるのでしょうか。入居拒否となるケースや、受け入れされやすい施設なども説明します。

うつ病とは

現代人はうつ病にかかりやすいと言われています。

日本人のうつ病患者は欧米よりは少なくなっていますが、生涯約15人に1人がうつ病を経験すると言われています。

また、うつ病にかかった人の半分以上が症状に悩んでいても医療機関に診断してもらわず、1人で悩んでいることが多いそうです。

 

うつ病は特別な人がかかる病気ではなく、だれでもかかる可能性がある病気です。

私たちは普段の生活の中で、壁にぶつかったり、気分が落ち込んで憂うつだと感じることがあります。これは普通の反応で、気分転換に楽しいことをしたり、寝ることで気分が晴れたりと数日もすれば回復してまた頑張れる力を持っています。しかし、何日も気分が回復せず、特に何かあったわけでもないのに気分が落ち込んで強い憂うつ感が長期間続いて、日常生活が困難になってくるのがうつ病です。

食欲も落ち込み、夜よく眠れなくなります。日中は体がだるく、ものごとに集中できないといった症状が続きます。

もちろん、こんな気分や体調の日は誰にでもあるものです。

うつ病というのはこういった状態が2週間以上ほとんど毎日続いている人のことを指します。

 

高齢者のうつ病とは

 

うつ病は年を重ねて身体的・精神的に衰えてきた時期に発症することがあります。

子どもが独立して孤独感を感じたり、近親者と死別したりすることによってうつ病を発病する可能性が高くなります。

 

社会の高齢化により、日本では高齢者のうつ病患者も増えてきました。

うつ病だということに自分ではなかなか気づけず、病院で見てもらわなかったりする人も多いです。

そういう時は家族の助けが必要です。身近な人の様子がおかしかったら医師の受診をすすめましょう。

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発病のきっかけ

老人性うつは病気や環境の変化をきっかけにして発病することがあります。

高齢者特有の高血圧や心筋梗塞、糖尿病といった病気がうつ病を引き起こすことがあるそうです。

また、定年で仕事をやめた人が、生きがいがなくなって元気をなくすこともあります。配偶者や親しい友人知人との死別により塞ぎこんでしまうこともあります。

 

周りの人も「つらいことがあったから気分が沈んで当然」と思います。しかし、状態が一向に改善されないようならうつ病の可能性が高いです。

 

うつ病の症状

うつ病は心理的な不調から体調にまで影響を及ぼす病気です。

老人性うつ病の症状としてはめまいやふらつきなどが起こります。また、頭痛や肩こり、不眠や倦怠感、食欲不振もうつ病の症状です。

胃部不快感や腹部圧迫感、頻尿や口内異常感などといった症状もあります。

また、なんとなく不安だったり、何事にも興味が持てなくなります。

被害妄想にとらわれ、いらいらも募ります。悪化するとものが覚えられなくなり、日付や曜日感覚もなくなります。認知症に近いような記憶障害が出てきます。

 

これらの症状が出たら専門機関に受診されることをおすすめします。

うつ病に対応が可能な老人ホーム

高齢になってからうつ病を発症した方が入居する場合、何に注意して老人ホームを選べばよいのでしょうか。

 

老人ホーム側から見た入居困難な症状とは

うつ病といってもさまざまな症状があります。肩こりや頭痛などの身体的なものから、倦怠感や集中力の欠如のような目に見えてわかりにくい症状もあります。なかでも一番重要で問題になるのが、食欲不振です。食べたいと思っても食事が喉を通らない、食べる気が起きないなど、理由はさまざまです。食欲不振がひどくなると、何日も何も食べないという状態が続きます。すると健康状態にも問題が出てきます。老人ホームは、医療施設ではなく介護施設なので、食事の介助をすることは出来ても、強制的に栄養を摂らせたり、うつ病の治療をすることはできません。このように、食事の摂れないうつ病の方は、入居を断られたり退去を勧められることがあります。

うつ病に対応可能な認知症受け入れ老人ホーム

うつ病は精神科の病気です。そして認知症も精神科が専門の病気です。認知症対応が可能な老人ホームは、施設の職員がうつ病の方の対応にも慣れていることがあります。たとえば、落ち込んだり興奮したりといった気分的な変動をよく観察していますし、その時々で変わる感情への対応も上手に行います。

認知症がないのに認知症の患者が暮らす施設に入れることに抵抗を覚える人もいるかもしれません。ところが、認知症のないうつ病の方から見ると、認知症患者と生活することによって得られるメリットは多いのです。
例えば、あまり他人に頓着しない認知症の方は、楽しくおしゃべりしたい時は付き合ってくれて、放っておいてほしい時には構わないでくれます。また、「あの方より私の方が元気に暮らせている」という自信が生まれて、前向きにさせてくれることもあります。

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状態が悪くなったら

常に良い状態で暮らせればいいのですが、万が一、うつ病の症状が重くなった場合は、早めに病院を受診しましょう。入院治療を考える必要もあります。うつ病は精神科の専門分野ですが、精神科の病気は日常生活を送りながら治療するのが難しいのです。症状にもよりますが、入院期間は3カ月から半年を目安に考えます。また、症状が重くなった原因を医師と話をしながら考えて、もし入居中の老人ホームでうつ病の症状に対応ができないというのであれば退院後の対応を再検討しましょう。同じ施設に戻ると、また繰り返しになる可能性があります。その時は、退院後は違う施設への入居を検討しましょう。

うつ病を発症した場合のち療法

うつ病は精神的に落ち込む病気であり、症状が進んでしまいますと何もする気が起きず、最終的には自殺をしてしまう可能性がある病気です。

老人ホームではうつ病を発症させている方も多くいますが、老人ホームとしてはどのような対処方法を取っているのでしょうか?

 

薬物療法が一般的

うつ病に対しての対処方法としては、薬物療法が一般的です。薬物療法ではうつ病を軽減させる目的や、気分を高める目的がありますので、医師と相談をしながら薬を投与していきます。

また、高齢者の場合は薬の効果が現れなかったり、強く現れてしまうことがありますので様子を見ながら薬の量や種類を調整していくことが大切になります。

薬を投与した時は足元がフラつくこともありますので、転倒などにも注意しておきましょう。

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相談を受けて気分を軽くしてもらう

施設には相談員と呼ばれる相談専門の方がいます。相談員に話を聞いてもらうことによって少しでも心の負担を軽減する取り組みをしている場合があります。

また、高齢者によっては顔なじみの介護士の方が話やすい場合もありますので、相談員以外にも介護士が対応することもあり、ケースバイケースです。

 

自殺をほのめかしている時

うつ病が進行している場合は、自殺をしてしまう可能性があります。高齢者でもそれは現実的に起きることですので、介護士としてはそれを防止しないといけません。

まず、ハサミなどの体に傷をつけてしまうものは身の周りに置かないようにしましょう。自傷行為を招く可能性があります。ヒモなどにも注意が必要になります。

また、見回りの回数を増やしたりなど、本当に実行してしまわないか注意して観察をします。観察をする時は声をかけるのではなく、遠くの距離から見守るという方法をとっている施設も多いです。近く接触をしてしまいますと本人は余計に神経を使って、うつ病が進行してしまう可能性があるからです。

初老期うつ病と認知症の初期症状の違いとは

気分が落ち込んだり認知症と思わせる症状を引き起こすことがありますが、初老期うつ病と認知症の初期症状というのは、非常に症状が似ています。病院でも診断することが難しいともいわれています。

軽いうつ病と感じて病院を受診しないと認知症が徐々に進行していきます。病院へ行った際には手遅れになってしまうこともあり、機能低下が著しく進行した状態になってしまうこともあります。周囲からみて、少しでもおかしいと感じるようであれば早目に心療内科などへ診察に行きましょう。

初老期うつ病の特徴としてはどんなものがあるか?

うつ状態は不安感や空虚感から始まり、のちに絶望的・悲観的になり、日常生活で何事に対してもやる気がなくなってきます。その一方で焦燥感から落ち着きがなくなり、無意味に部屋を歩き回ったり、時には攻撃的になることもあります。

さらに朝早くに目覚めてしまう(早朝覚醒)や、食欲不振、便秘などのさまざまな自律神経症状が起きてしまいます。これらの症状は午前中に重く、午後から夕方になるにつれて軽くなるという特徴もあります。さらに進行すると、自責の念にかられ、最悪の場合自殺という結果になります。

こういったうつ状態は通常数か月程度続くことが多いです。このうつ状態を繰り返すのが初老期うつ病の特徴である「単極型うつ病」です。

 

うつ病を発症すると機能低下が進む

初老期うつ病や認知症を発症していくと閉じこもってしまったり、寝たきりの状態が続いてしまうことがあります。行動範囲や生活範囲が進行とともに狭まっていき、生活行為も疎かになっていきます。こうなると機能低下は進みますので要注意です。認知症の発端となる可能性もあります。

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初老期うつ病による妄想が発生する

通常ならば気にも留めない妄想ですが、初老期うつ病となると自分を過小評価してしまうことがあります。そして物事をついつい悪い方へ解釈してしまうこともあります。ここから行動範囲が狭まってしまい、徐々に刺激をなくして認知症へと変わってしまうことがあります

うつ病の発症によって何事にも悲観的になっていきます。そして将来に希望をなくしていき、生きていても仕方がないと心身の不必要さを感じていきます。モチベーションも失っていきますので、自分を責めてしまう機会が増えていきます。

 

初老期うつ病を治療する方法

初老期うつ病は日頃の習慣から改善していくことができます。十分な休養や睡眠、さらには食事や精神的な安心感を持つことが必要となっていきます。

そして家族や介護者など周りの人間のサポートも重要となりますので、しっかりとサポートしていきましょう。

症状が悪化した時はリハビリや薬による治療があります。気分安定薬であったり、抗精神病薬などを使用していくことがあります。

抗うつ薬によってうつ状態の期間を短縮する治療が中心です。最近では副作用が少ない抗うつ薬や抗精神病薬がよく用いられます。これら薬剤の効果は徐々に現れてきますが、それでも効果がない場合や自殺の恐れがある場合は電気ショック療法もあります。

重症以外では通院療法ですむ場合がほとんどです。

 

 

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初老期うつ病の原因として考えられるのは何か?

原因ははっきりしないことが多いですが、次のようなことがきっかけとなると言われています。

  • 身体的な不調・・加齢による体力の低下や女性の場合ホルモンバランスの不調。
  • 社会的環境の変化・・会社における責任の重圧・配置転換による環境の変化、子どもの成長による子離れなど。
  • 性格的な要因・・性格的には几帳面で責任感の強い人が、状況の変化に対応できず、精神的に無理をしすぎて起きる。

これらがきっかけになってうつ病が起きると考えられているところが普通のうつ病と異なるところです。

 

不眠症とうつ病は深い関係にある

不眠症とうつ症状は深い関係にあります。うつが起きることによって不眠症が出てくることも、不眠症からうつになることもあります。特に高齢者の場合は不眠症とうつの関係が深いですので、介護者としては状態変化に注意しましょう。

 

不眠から来るうつ病について

夜に寝れないことからうつ病を引き起こすことがあります。その為、しっかりと夜に寝てもらうようにすることが大切です。なぜ夜に寝れないのか、原因を把握するとともに、それに合わした対策方法を取るようにしましょう。

高齢者の場合は日中することがなくて寝てしまい、それが原因で夜に寝れないことがあります。

そういった時は昼間に用事を作り、無理にでも起きるようにすると良いです。何かの集まりに参加する、デイサービスに行くなど、他人と一緒に行動をするとリズムが取りやすいです。
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睡眠薬を取ることも有効な方法

睡眠薬と聞くと良いイメージを持っていない人もいますが、不眠から来るうつ症状、あるいはうつから来る不眠に対して有効です。睡眠薬は依存性があまりないものもありますので、良くなるまでは睡眠薬で調整することも大切になってきます。

特にうつから来る不眠には有効です。うつから来る不眠の場合はなかなか生活改善だけでは対応が難しいので、薬は有効な方法であるといえます。

 

高齢者は改善が難しい

高齢者は若い人に比べてうつ症状を解消することが難しいと言われています。若い人で身体機能に問題がない方は自分で行動することができ、環境を変えやすいからです。

しかし、高齢者、特に身体機能に障害のある高齢者の場合は、なかなか自分から動き出すことができないため、環境を変えることが難しく改善しづらいのです。

不眠症になれば、誰かに相談するなどをして1人で抱え込まないことも大切なことです。特に不眠症になってしまうと昼間は寝て、夜は起きてしまう昼夜逆転生活になってしまう方もいます。人との関わりが少なくなりますので、早めの改善が症状の寛解につながります。

 

施設を効率よく探すには?

精神科のある病院やクリニックが運営している老人ホームなど、うつ病にも対応可能な施設をご紹介可能です。こちらから無料で相談可能です。
認知症に特化した施設ではうつ病にも対応可能な場合があります。細かい受け入れ要件や対応可能な内容など担当者が確認しますので施設を探したい場合はまずはお問い合わせ下さい。

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