介護療養型医療施設とは
記事公開日:2018/03/06、 最終更新日:2019/05/08
介護療養型医療施設とは
介護療養型医療施設は「療養病床」の別名でも呼ばれます。介護施設として他と大きく異なる点は、医療機関であることです。利用者には食事や入浴などの介護サービスは提供されるものの、むしろこうした介護サービスよりも医学的管理下のケアに主眼が置かれています。
もうひとつ大切なこととして、すでに制度自体の廃止が決定しており、今後なくなる存在であるということが挙げられます。そもそも厚生労働省は、介護老人保健施設への転換を進めて2011年度までに廃止する方針を打ち出していたものの、「利用者の新たな入居先が見つからない」などの問題により、当初より遅れて2020年までの廃止へとシフトしました。すでに2012年から療養型施設の新設は認められておらず、今後その数は減っていくことが決定しています。廃止後は、既存の介護老人保健施設よりもさらに医療体制が充実した「新型老健」が新たな受け入れ先となることが、決定しています。
介護療養型医療施設のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
費用が安い。医療体制が整っている。リハビリの設備・スタッフが整っている | 入居が今後ますます難しくなる症状の改善により退居が求められる |
概要・入居の条件
65歳以上で要介護1以上の認定を受けたなかでも、継続的な医療ケアが必要となる方が入居者の中心です。一般的に、特別養護老人ホームなどと比較して、重度の介護度にある方を受け入れており、病院での急性期治療が終わった後に入居する方が多くなっています。また、これも特別養護老人ホームとは異なり、症状が改善した場合には自宅、あるいは他の介護施設への退居を求められることもあります。
入所の申し込みは施設へ直接行います。その際に主治医からの診断書や本人の健康状態などを参考にしつつ面談が行われます。このほかに本人の資産状況や施設が定める条件などを含めて総合的に判断し、入居の可否が決まります。
気を付けておきたいのは、入居は先着順ではなく、より高度な医療ケアが必要となる方が優先されることです。さらに療養病床の数が年々減少していくことから今後は、入所がより難しくなることが予想されます。申し込みの際には複数の介護施設を同時にあたってみる、他の選択肢となる介護施設を考える、など柔軟に対応するのがよいでしょう。
費用
初期費用は必要ありません。地域や設備の充実度によって異なりますが、おおむね9~17万円程度が月額料金の目安となります。同じ地域の介護老人保健施設と比較して少しだけ割高な設定となっている場合が多いです。
施設・設備
居室は、多床室中心に構成されています。居室のほか、浴室やトイレ、共同生活室などの共同設備、機能訓練室などが設けられています。あくまで医療体制の充実に主眼を置いた施設であるため、レクリエーション設備などが充実していることは極めて少なくなっています。
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