終の棲家は? 住みかえ予備軍ほぼ半数。-介護ニュース
記事公開日:2016/02/19、 最終更新日:2016/02/22
最期を迎えるときまで暮らす住まい、終の棲家(すみか)。
高齢期のライフスタイルの充実について調査・研究する「老いの工学研究所」が、「高齢期の住まいと住み替えに関する調査」を行いました。その結果、介護の不安や家屋の不便さに悩む60歳以上のほぼ半分が、これから住まいをかえる可能性があることがわかりました。
出典:エコノミックニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160211-00000008-economic-bus_all
「オレはビッグになるんだ」と根拠のない自信をもって飛びだす息子と、大反対して泣きながらおにぎりを手渡す母。いつの時代の設定か、という感じですが、ともあれ進学にしても結婚にしても夢を抱えて新生活をはじめる人にとって、住みかえは希望でしょう。しかし、離婚や失業など夢破れて考える住みかえは、その意味合いが違ってきます。
高齢期の住みかえは希望と言えるのでしょうか。
高齢者だけの夫婦世帯や単身世帯が増え、将来の生活に不安を感じる人が増えています。
今回の調査で、「現在の住まいを終の棲家にする予定か」という質問に対し、「終の棲家にするつもり」と答えた男性は58%、女性は45%。一方、「住みかえを検討」「住みかえるかわからない」という住みかえ予備軍は、男性42%、女性55%でした。
ほぼ半数が、今の住まいと将来の自分が合わないと感じていることになります。
では、住みかえを考える理由です。
「介護状態になったら面倒をみてくれる人がいない」(35%)が最も多く、「家や庭が広すぎて掃除や管理が大変」(34%)、「事故や病気の際に気づいてくれる人がいない」(28%)とつづきます。
想像どおりの回答ではないでしょうか。ここでも日本の高齢化問題が浮き彫りになっています。
住みかえにあたり、子ども世帯との同居を考える人もいるでしょう。子どもにとっても安心です。離れて暮らす親の心配がなくなり、孫の面倒もお願いできるかもしれませんから。ここまでは希望の住みかえと言えるかもしれません。
しかし、長年、別々に暮らしてきて、それぞれのライフスタイルがあります。ジェネレーションギャップもあります。
おみそ汁は、赤みそか、白みそか。
ダシは、昆布か、かつおぶしか。
お茶は、緑茶か、ほうじ茶か。
これだけでも大きな亀裂に発展する可能性があります。
長い目で考えると、最初から同居するのがいいのかもしれません。ビッグになれなかったと実家に戻ってきて、地元で就職して結婚し、お金がないから親と同居。母は息子の才能のなさに落胆するどころか安堵です。
調査では、家族構成別に見ると、「終の棲家にするつもり」と回答した独り暮らしの高齢者は60%に対して、「三世代同居の高齢者」は92%。子どもや孫と同居している高齢者は、9割以上が今の住まいを終の棲家として考えています。
長寿アニメの「サザエさん」は、三世代同居で楽しそうに暮らしています。長く愛されるということは、日本の理想の家族だと誰もが心のどこかで感じているのでしょうか。
みんなも笑って、おひさまも笑って、今日もいい天気ですからね。