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被災地の介護施設、95%で運営再開。-介護ニュース


記事公開日:2016/03/11、

被災地の介護施設、95%で運営再開

今日3月11日、東日本大震災から5年が経ちました。
岩手、宮城、福島3県にある入居型の高齢者福祉施設は、2月1日現在で95%にあたる266ヵ所のうち252ヵ所が運営を再開。東京電力福島第1原発事故の影響が大きい福島県では再開率が7割ですが、岩手県と宮城県は復旧がほぼ完了しています。
出典:時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160310-00000031-jij-soci

 

5年という月日…。
もう5年、でしょうか。
まだ5年、でしょうか。

 

入居型の高齢者福祉施設、いわゆる介護施設の再開率は95%。100%に近い数字であり、これだけ見ればかなり復旧している印象を受けます。
たしかに、95%の施設は再開しています。しかし、宮城県と福島県の一部は、避難先の仮設の建物で運営しています。原発事故の避難指示区域内にある5施設は、復旧の見通しが立っていません。

 

そして、介護職員の人手不足の問題。
重労働、低賃金という悪いイメージによって人材確保は全国的に課題となっていますが、被災地はより深刻です。職員不足のために、再開はしても入居者の受け入れを制限する施設もあります。

 

なぜなら、原発事故によって避難した若い世代が戻ってこないからです。重労働である介護の現場では、20~30代の若い力が支えています。しかし、20~30代といえば子育て世代。小さな子どもがいれば、身体への影響が心配です。それぞれに戻りたくても戻れない事情があります。

 

このような状況に対して福島県は、県外から原発周辺地域の福祉施設に就職する人に、就職準備金を低利で貸し出す事業を始めました。2年間勤めれば、返済は全額免除だそうです。
これが人材確保の一助となってくれればいいのですが、簡単には集まらないでしょう。人手不足の原因は金銭的な問題だけではありませんから。

 

さらに、宮城県の要介護認定者が急増しているというデータもあります。2011年は6.3%だった要介護認定者は、2015年には16.2%まで上昇。全国よりも高い増加率です。
震災直後に、歩行時間が短い人や、心理的苦痛が強い人ほど要介護となるリスクが大きいと言われています。

 

段ボールで仕切られた避難所生活、薄い壁で隔てられた狭い仮設住宅、知り合いのいない公営住宅…。制限のある生活を強いられ、十分な安息を得られなかったわけですから、要介護者の増加は当然と言えるでしょう。

 

被災地では、要介護者は増加、介護職員は減少。これでは現在がんばっている職員の負担が増す一方です。このままでは介護施設の運営は成り立ちません。

 

あの日から5年。
阪神・淡路大震災では、仮設住宅から5年で全員が退去しました。
しかし、東日本大震災では1月の時点で、いまだ6万人が仮設住宅で暮らしています。高齢者が安心して暮らせる住まいは、まだまだ不十分です。