資生堂の化粧療法で、美しくADLアップ。-介護ニュース
記事公開日:2016/03/29、
参加者が自分で化粧を楽しむレクリエーションや、ADL(日常生活動作)の維持・向上につながる化粧療法。
福島県郡山市の建設業・人輝(ひとき)は28日、同市田村町の小規模多機能型居宅介護・グループホーム「輝たむら」で、資生堂スタッフを招いて「いきいき美容教室」を行いました。
出典:福島民友新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160329-00061673-minyu-l07
化粧は、女性を輝かせる魔法。
素顔からは想像もできないくらい変わってしまう人もいて、化粧の力には驚かされます。
しかし、高齢になると、化粧をしない人が増えてきます。その理由は、病気のため、外出の機会がないから、面倒だから、自分でするのが難しいから、などです。
化粧をしない生活が定着してくると、外出そのものが億劫となり、外出の頻度が減少。外出や友人と会う頻度が少なくなると、重度の要介護になる確率が増加するとも報告されています。
今回、「輝たむら」で開催された「いきいき美容教室」は、資生堂スタッフが介護施設などを訪問して行っている化粧療法。
参加者自身がスタッフの進行に合わせて、顔や手のお手入れ・化粧を簡単に楽しみながら、キレイになれるセミナーです。
教室には、施設の利用者およそ20人が参加。スタッフのアドバイスを受けて、鏡の中の自分を見ながらスキンケア、メイクアップと進んでいきます。化粧が完成すると、「きれいになったね」など笑顔で会話が弾んでいたそうです。
化粧をすると、楽しい気分になったり、自分に自信がもてたり、気持ちに変化が起こりますよね。さらに、脳を刺激して気持ちを変えたり、身体にとって良い運動になるとも言われています。
化粧の力で、高齢の方にいつまでも元気でいてほしいと考えて開発されたのが、資生堂の化粧療法です。
化粧療法によって身体の機能が向上したとの興味深いデータが、研究で報告されています。
化粧をする動作によって三角筋、上腕二頭筋、容器を扱う動作によって総指伸筋、浅指屈筋、第一背側骨間筋を使うため、筋力維持につながるそうです。聞き慣れない筋肉の名前ですが、簡単に言うと、指から腕、肩の筋肉です。
また、約50分間の化粧療法実施後に唾液の分泌量が増加、化粧療法を継続したら反復唾液嚥下テストで嚥下回数が増加したとのデータが報告されています。
唾液分泌量の増加は口腔内の自浄作用を高め、嚥下機能の改善は栄養低下や誤嚥性肺炎の予防につながります。
筋肉維持のため、嚥下機能改善のため、と言われて仕方なく行うリハビリは、気分がのらないものです。
その点、化粧療法なら、楽しみながら美しくなれて、ADLがアップ。
まさに「一瞬も 一生も 美しく」、化粧の力には驚きです。