生活支援ロボ、神奈川県が体験募集。-介護ニュース
記事公開日:2016/05/06、
介護の現場に続々と登場しているロボット。神奈川県は、生活支援ロボットを体験してもらうキャラバンやモニター制度をスタートしました。「さがみロボット産業特区」事業の一環で、県内の施設職員や個人に対して介護支援やコミュニケーションができるロボットを体験してもらう制度です。
出典:産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160504-00000033-san-l14
昨年度から始まった、神奈川県の生活支援ロボット体験。
「さがみロボット産業特区」事業の一環で、県内の施設職員や個人に対して介護支援やコミュニケーションができるロボットを体験してもらう制度です。今年度は、対象ロボットを増やして行われます。
キャラバンは、県内の介護・福祉・障害者施設や医療機関に、ロボット6~8種類を持参して訪問。年間およそ100ヵ所の訪問を計画し、第1次募集は13日まで募集しています。
モニター制度は、コミュニケーションロボット「うなずきかぼちゃん」や自動で本のページをめくることができる「りーだぶる3」など8種類を1ヵ月間無料でレンタル。来年1月25日までの募集で、個人で申し込めるロボットもあるそうです。
神奈川県は熊本地震の被災地支援として、被災者の心のケアに効果のある生活支援ロボット50台を提供すると発表。
人形型の「うなずきかぼちゃん」は、話したり、歌ったりすることで心を和ませてくれるコミュニケーションロボット。研究では、認知機能の向上や疲労感の軽減、癒やし効果が認められたそうです。
介護現場での人手不足を受け、さまざまなロボット開発が行われています。たしかに介護者の負担を少しでも軽減したいという思いで開発が進められています。
しかしですよ、本のページをめくったり、話したり、歌ったり、という行為なら、子どもでもできるのではないか、と思ってしまうのです。
そこなんですよね、介護職の給料が安い理由。
介護は、介護職によって仕事として行われるだけでなく、家族が行う在宅介護があります。このような超高齢社会が訪れる前は、普通に家族が介護をしていました。となると、介護は誰でもできるじゃないか、と思われがちなのです。
食事や排泄、入浴の介助、また掃除や洗濯なら誰でもできる、となると専門性が低く見られます。介護現場でのロボットによる生活支援は、介護職の仕事の一部をサポートするものです。
本のページをめくるという行為そのものは、介護職でもロボットでも大差ないかもしれません。
しかし、高齢者が本を読みたいという気持ちを察する、意欲の低い人に読書を促す、本を読むことで期待できる効果、ページをめくる動作が自身でどこまでできるのか、どんなサポートが必要なのか…など、その人にとっての必要性を考えてロボットを使用するには専門的な知識や経験が伴います。
生活支援ロボットの導入によって、介護職の負担が軽減することはうれしいことです。
ただ、仕事を部分的に切り取ってロボット化し、そこだけをクローズアップすることで専門性の軽視につながることが心配です。