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あの「アミーユ」が、施設名を変更。-介護ニュース


記事公開日:2016/05/16、

あの「アミーユ」が、施設名を変更。

7月から、有料老人ホームの施設名「アミーユ」が、「SOMPOケア そんぽの家」に変更されます。川崎市幸区の有料老人ホームで入所者3人が転落死した事件でイメージダウンしたため、名称変更でブランドの回復を図るとのことです。

出典:読売新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160513-00050150-yom-soci

 

「アミーユ」という名を聞けば入居をためらう人も、「SOMPOケア そんぽの家」という名なら躊躇なく入居を検討するかもしれません。「SOMPOケア そんぽの家」という有料老人ホームが、元「アミーユ」であることを知らなければ…。

 

昨年9月、川崎市幸区の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で入所者3人が転落死した事件が発覚。

事件発覚の前後1年間で、入居率が低下。有料老人ホームは96%から88%とマイナス8%、サービス付き高齢者向け住宅でも88%から84%へマイナス4%となりました。

 

入居率の低下は事件によるイメージダウンが原因と見られ、ブランドの回復を図るために行われるのが、施設名の変更

全国約300ヵ所の「アミーユ」が、7月から「SOMPOケア そんぽの家」となります。

 

まず思ったのが、入居率がそれほど低下していないということ。もちろん96%から88%という数字は大きな低下であり、施設運営に影響を与えるものです。しかし、あのような事件が施設内で起こったのにこの程度の低下なのか、と。

 

転落死に関わった職員以外の虐待も発覚したわけですから、すぐにでも転居したいと思った入居者や転居させたいと思った家族は多かったでしょう。しかし、施設離れが進みそうなのに88%の入居率を維持できているということは、転居したくてもできなった人がかなりいるのではないでしょうか。

 

そして、もう一つ思ったのが、イメージ回復のために施設名を変更することは姑息な手段だということです。

イメージアップのためにネーミングを活用することは、珍しいことではありません。ネーミング次第で企業や商品の特長を上手に印象づけることができます。

 

しかし、今回の「アミーユ」の名称変更は、人間の記憶の曖昧さ、忘れやすさを狙ったのではないかと思うのです。

3ヵ月後、「SOMPOケア そんぽの家」が元「アミーユ」だと覚えている人はどれくらいいるでしょうか。さらに3年後、どれくらいいるでしょうか。

 

イメージは、受けとる人それぞれが心に描く印象です。それは実体ではありません。つまり、イメージは介護の質ではないのです

だからこそ、施設を選ぶ側も、イメージではなく本質を見極める力が求められます。

 

すべての「アミーユ」で介護の質が悪いわけではないし、「アミーユ」以外なら介護の質が良いとも言いきれません。全国で高齢者のために真摯に取り組んでいる職員はたくさんいます。

 

一部の悪意ある介護職によってつくられたイメージに傾斜することなく、良いものは良いと自分の目で見極め、認めることが大切ですね。