Pepperが白内障手術の事前説明。-介護ニュース
記事公開日:2016/06/22、 最終更新日:2016/06/21
富山大学附属病院の眼科が、ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」を導入しました。「Pepper」は、白内障手術の事前説明係として勤務。インフォームド・コンセント(医療行為の事前説明)における医療従事者の業務効率化に貢献しています。
出典:ITmedia エンタープライズ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160620-00000021-zdn_ep-sci
感情認識パーソナルロボットの、Pepper。いまやPepperを知らない人はいないでしょう。
お店で呼びこみをしたり、駅で外国人に案内をしたり、介護施設では高齢者にレクリエーションをしたりと、Pepperは現在、1,000社以上の企業で活躍しています。
富山大学附属病院の眼科では、Pepperが白内障手術の事前説明を行っています。これまで医療従事者が行っていたインフォームド・コンセント(医療行為の事前説明)をPepperが行うことによって、業務効率化を図るのです。
白内障は、80歳を超えるとほとんどの人に症状が現れる、身近な病気。国内では、年間140万件もの手術が行われています。手術は短時間であり、日帰り手術も可能なため、病院では1日に何件も白内障の手術を行うのが一般的になっています。
手術を1日に複数件行うとなると、その数だけ必要になるのがインフォームド・コンセントです。いくら短時間の手術とはいえ、事前説明に患者さん1人あたり30分程度としても、人数が増えればかなりの人手が必要となります。
そこで、Pepperの登場というわけです。
しかし、手術を受ける身としては、いくら短時間で簡単な手術と言われたとしても、不安でいっぱい。そこへ手術の説明に現れたのが人型ロボット、ってどうでしょう。たとえナースPepperだとしても、どうしても消せない見放された感に手抜き感…。
ところが、相手がロボットならではのメリットがあるそうなんです。
このPepper、手術の説明を一方的にするのではなく、わからなかったところを戻って聞き直す操作が可能。相手が医師や看護師だとわからなくても聞くことができず、納得できないまま書類にサインをしてしまう方がかなりいます。
相手がPepperなら、遠慮することなく、わからないところを何度でも繰り返し聞くことができ、自分のペースで理解を深めることができるのです。Pepperの説明終了後は看護師のフォローが入ることで、医療現場での説明と同意、インフォームド・コンセントをしっかりと行うことができます。
相手がロボットだと、体温がなく冷たい、人肌のようなやわらかさがないなど人間と比較して、人間と異なる部分イコール劣る部分と考えがちです。
しかし、手術の事前説明を行うPepperは、人間ではないからこその利点があります。
人間も一人一人違うわけで、人間とロボットが違うのは当たり前。その違う部分をうまく活用して、もっと活躍してくれるといいですね。